ブログ 2010年代 ランキング

Published on 9月 28th, 2019 | by Tunaパスタ

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ESPNが選ぶ、2010年代NBAで最も心に残った試合ランキングTop8

こちらは、米大手スポーツメディアの『ESPN』が発表した「2010年代NBAのベストゲームランキング」。2009-10から2018-19のレギュラーシーズンとプレイオフに行われたNBAゲームを対象に、ESPNの記者やアナリストたちが特に印象深いと感じた試合をそれぞれ3つずつ選び、その中から最も票数の多かった8試合が紹介されている。

ではさっそく8位から:

8.ヒートvsセルティックス:2012年イースト決勝第6戦

2012年6月7日:

マイアミ・ヒートは2勝3敗の崖っぷちで臨んだボストン・セルティックスとの2012イースタンカンファレンス・ファイナル第6戦に98-79で圧勝。レブロン・ジェイムスが45得点、15リバウンド、5アシストと支配的なパフォーマンスを見せ、敵地でシリーズを3勝3敗のイーブンに持ち込んだ。

19点差のワンサイドゲームと、決してスリリングなゲーム内容ではなかったが、レブロンのレガシーにおいて極めて意味の大きい一戦であり、その偉大なキャリアのターニングポイントの一つとなった試合でもある。

当時のレブロンは27歳で、ヒート移籍後2年目。すでにMVPを3度受賞しており、多くがレブロンをリーグNo1のプレイヤーだと認めていたが、その一方でこの時点ではまだ優勝経験が1度もなく、今のように絶対的な存在感を放つ“キング”ではなかった。

その1年前の2011年ファイナルでは下馬評でヒート有利とされながらも、レブロンは6試合で平均17.8得点を記録と(特に第4戦はわずか8得点)、エースとして満足な結果を残せず、チームは2勝4敗でダラス・マーベリックスに敗退。「大事な局面で頼りにならない」「プレッシャーに弱い選手」「クイーン・ジェイムス」などとファンやメディアから叩かれまくっていた。今となっては信じ難いことだが、当時のレブロンはNBA史上類を見ないほどの嫌われ者だったと思う。

そんなネガティブなイメージを払拭する第一歩となったのがこの試合だ。シリーズ2勝3敗で迎えた敵地での絶対に負けられない一戦で40得点ダブルダブル。その後ヒートはセルティックスとの第7戦を制してイースト決勝を突破すると、続くファイナルでオクラホマシティ・サンダーを4勝1敗で圧倒し、レブロンは初のリーグ制覇を達成した。

また、この試合結果とヒートの優勝は、その後のリーグに多大な影響を与えた。同年のオフシーズンには、イースト決勝で敗退したセルティックスから、ビッグスリーの1人だったレイ・アレンがFAでヒートに移籍。この時のアレンの決断は、後にNBAファイナル史を代表する伝説へと繋がる。

7.ブレイザーズvsマブス:2011年ウェスト第1ラウンド第4戦

2011年4月23日:

2011NBAプレイオフのウェスト第1ラウンド第4戦、ポートランド・トレイルブレイザーズは第3Q終盤の21点ビハインドから大逆転劇を演じた。その主役となったのは、計り知れないポテンシャルを秘めながらも怪我でスーパースターへの道を断念することとなったブランドン・ロイだ。

2006年ドラフト全体6位指名、22歳でプロデビューしたロイは、1年目から頭角を現して新人王を獲得し、2年目にオールスター、3年目にオールNBAチームに選出。着実にスーパースターへの道を歩んでいるかのように見えたが、膝の怪我により若くしてキャリアが大失速してしまう。

特にプロ5年目の2010-11シーズンは序盤から怪我に苦しみ、オールスターブレイク後に戦線復帰するもベンチ出場の役割に降格。そのままリザーブとしてレギュラーシーズンを終える。

2011プレイオフに入ってからもオールスターとしてのパフォーマンスを取り戻せないでいたが、1勝2敗で迎えたマブスとの第1ラウンド第4戦のクラッチタイムに覚醒。ロイは第4Qだけで18得点をマークしてブレイザーズを大逆転勝利へと導き、後の王者となるマブスとのシリーズを2勝2敗のタイに戻した。

その後シリーズはマブスが2連勝をあげて、ブレイザーズは第1ラウンドで敗退した。

ロイは第4戦でのテイクオーバーで大注目を浴び、完全復活が期待されたが、翌2011-12シーズンのトレーニングキャンプ直前に膝の怪我がさらに悪化したことを明かし、NBAからの引退を発表。その1年後の2012年FAでミネソタ・ティンバーウルブズと3年契約を結び現役復帰するも、開幕5試合の出場で再び膝に手術が必要な怪我を負って残りシーズン全休となり、そこでキャリアを終えることとなった。

ロイはギルバート・アリーナスと並んで、「怪我さえなければ」と今でもファンから悔やまれている00年代スター選手の一人だ。

6.ウォリアーズvsサンダー:2016年レギュラーシーズン

2016年2月17日:

近年のNBAで最も注目を集めたレギュラーシーズンゲームの一つ。

52勝5敗の成績で新記録樹立に向けて爆走していたゴールデンステイト・ウォリアーズが、最大の対抗馬と目されていたオクラホマシティ・サンダーとシーズン終盤に敵地で対戦。試合の大部分で主導権を握ったホームチームのサンダーに対し、ウォリアーズは第4Q残り4分50秒の11点ビハインドから奇跡的なランでオーバータイムに持ち込むと、シーソーゲームとなったOTでは、ステファン・カリーが同点で迎えた残り0.6秒に40フィートの距離から決勝点となるロングスリーを沈め、ウォリアーズを勝利に導いた。

カリーは38分の出場で46得点をマーク。ウォリアーズはこの勝利により、NBA史上最速でプレイオフ進出を確定させたチームとなった。

この日のカリーはミラクルショットの他にも、1試合のスリー成功数で当時の歴代最多タイとなる12本を記録(2019年現在での最多はクレイ・トンプソンの14本)。さらにシーズン3P成功数で288本に到達し、自身が保持していた当時のNBA記録を塗り替えた。なお同シーズンのカリーは、最終的に402本のスリーを記録している。

もしこの試合でのパフォーマンスと劇的なゲームウイナーがなければ、ウォリアーズはシカゴ・ブルズ超えの73勝を達成できていなかっただろうし、史上初の快挙となったカリーの満票MVPも実現しなかったかもしれない。

5.レイカーズvsジャズ:2016レギュラーシーズン

2016年4月13日:

全身怪我だらけのボロボロの体で臨んだキャリア20年のラストゲームで、同シーズンリーグ最多となる60得点を獲得。コービー・ブライアントの引退試合は、まるで映画のシナリオのように完璧でドラマチックでだった。

この日のコービーは前半だけで22得点をあげると、後半は1度もベンチに下がることなくフル出場して38得点を獲得。特にクラッチタイムでのパフォーマンスが伝説的で、第4Q残り6分から17連続得点をあげてレイカーズを二桁点差からの逆転勝利へと導いている。

同日にはウォリアーズがNBA新記録のシーズン73勝を達成したが、コービーのラストゲームはそれを上回るインパクトだった。

4.マブスvsヒート:2011年NBAファイナル第2戦

2011年6月2日:

NBAファイナル史を代表する大逆転劇。シリーズの流れを大きく変えた一戦だ。

マイアミ・ヒートの1勝0敗で迎えた2011ファイナル第2戦は、最終ピリオド残り6分半の時点でホームチームのヒートが15点リードを獲得。ビッグスリー結成1年目のヒートがこのまま第2戦を制して完全にシリーズの主導権を握るかと思われた。だがダーク・ノビツキーやジェイソン・キッドが率いるダラス・マーベリックスは、そこからベテランチームの意地を見せつけ、0勝2敗の窮地を奇跡的に回避する。

マブスは試合残り6分30秒から20-2のランで猛反撃を仕掛けると、残り時間27秒にノビツキーのスリーで逆転に成功。その直後にマリオ・チャルマーズにインバウンドパスからコーナースリーを決められ同点に追いつかれたが、続くマブスのポゼッションではノビツキーが再びステップアップし、残り3.6秒に決勝点となるレイアップを左手でねじ込んだ。

その後シリーズは、ヒートが第3戦に勝利して再びリードするが、そこからマブスが3連勝をあげて逆転優勝。ノビツキーは念願のチャンピオンシップリングを手にした。

この試合は、ノビツキーのレガシーを語る上で絶対に外せない一戦だ。

3.ウォリアーズvsサンダー:2016ウェスト決勝第6戦

2016年5月28日:

“クレイ・ゲーム”として知られる一戦。結果的に後のNBA勢力図を大きく塗り替えることとなった試合でもある。

2016年のウェスタンカンファレンスファイナルは、オクラホマシティ・サンダーが73勝のゴールデンステイト・ウォリアーズをサイズと身体能力で圧倒し、5試合を終えたところでサンダーが3勝2敗でファイナル進出に王手。背水の陣で敵地での第6戦に臨んだウォリアーズは、再びサンダーに主導権を握られ、第3Q終了時で8点ビハインドの崖っぷちに立たされたが、正念場でクレイ・トンプソンが大爆発する。

第4Qのトンプソンは12分のフル出場で次から次へと難しいショットを沈め、ピリオド19得点を獲得。最終的に試合トータルで11本のスリーを成功させ、プレイオフの1試合3P成功数で歴代最多記録を樹立した。

この日のトンプソンが成功させた11本のスリーのうちのラスト2本は特に神がかっていた。

▼10本目は超ロングのプルアップ3

▼11本目はトランジションのクイックスリー

負けたら終わりの正念場で、こんな無茶苦茶なスリーを躊躇なく打てる肝っ玉の大きさ…。

敵地での第6戦を制したウォリアーズは、続くホームでの第7戦でも勝利を掴み、2016NBAファイナルに進出。シリーズ3勝1敗から3連敗で逆転負けを喫したサンダーからは、同年のオフシーズンにエースのケビン・デュラントがFAで退団し、ウォリアーズへと移籍することとなった。

2016年ファイナルには敗れたウォリアーズだったが、その後、歴代最強レベルのスター軍団としてリーグ2連覇を達成する。

もし2016ウェスト決勝第6戦でのトンプソンのテイクオーバーがなければ、サンダーがシリーズを勝ち上がっており、NBAを震撼させたデュラントのウォリアーズ加入も実現しなかったはずだ。

2.キャブスvsウォリアーズ:2016ファイナル第7戦

2016年6月19日:

2015-16レギュラーシーズンで絶対的な強さを誇った73勝ウォリアーズを撃破し、キャブスが1970年の球団設立から46シーズン目にしてついにNBA制覇を果たした日。

終始一桁点差を争う死闘となった2016年NBAファイナル第7戦は、最終ピリオド残り4分39秒にウォリアーズのクレイ・トンプソンがレイアップを成功させて同点。そこから試合は3分半以上に渡ってスコアが89-89からまったく動かないディフェンス対ディフェンスの意地のぶつかり合いとなる。

一つのミスが命取りとなる極限の緊張感の中、正念場でチームに勝利を呼び寄せるファインプレイを決めたのは、キャブスのスター2人だった。

▼2016ファイナル第7戦のラスト3分30秒間

まず残り1分50秒に、レブロン・ジェイムスがウォリアーズの2on1ファストブレイクを超人的なチェイスダウン・ブロックで阻止。続いて残り時間53秒には、カイリー・アービングがスクリーンでステフィン・カリーをスイッチさせ、得意とする右ウィングでのアイソレーションから事実上の決勝点となるプルアップスリーを沈めた。

この日のレブロンは47分の出場で27得点、11アシスト、11リバウンド、3ブロックのトリプルダブルをマークし、2016年ファイナルMVPを受賞。1969年のジェリー・ウェスト、1988年のジェームズ・ウォージーに次いで、ファイナル第7戦でトリプルダブルを達成した歴代3人目の選手となった。

クリーブランドを拠点とする米メジャースポーツの球団が優勝したのは、1964年以来初で半世紀ぶりだった。

1.ヒートvsスパーズ:2013ファイナル第6戦

2013年6月18日:

第4Q残り24秒で5点差。試合を見ていたほとんどの人がサンアントニオ・スパーズの勝利と優勝を確信していただろう。

終了のブザーを待たずにアリーナを退場しようとするマイアミファンもちらほらいる中、レイ・アレンが奇跡を起こしてヒートのシーズンを救った。

以下は、2013ファイナル第6戦で大激戦を演じたプレイヤーとコーチたちが、その半年後に当時の状況を振り返りながら残したコメント:

レイ・アレン「ボッシュがオフェンスリバウンドを取ったのを確認した時、僕はすぐに3Pラインへとバックペダルした。適切なスポットに移動できていることを信じながらね。ボッシュが僕にパスを出すかどうかはともかく、僕はいつでもショットを放てる体勢に入ろうとした。スリーポイントが必要だったんだ。2点では不十分だった」

スポールストラHC「レイはチーム練習の際にこんなルーティンをやっている。まず彼はペイントエリアの真ん中に仰向けで寝転がり、コーチをトップ・オブ・ザ・キーに立たせる。そこから飛び起き、3Pラインやサイドラインを見ずにバックペダルする。そしてスリーを沈める。これを何度も何度も繰り返し行うんだ」

クリス・ボッシュ「言葉では言い表せないね。レイは史上最高のスリーポイントシューターだ。そんな彼があの瞬間にフリーだったのは本当に信じられない。あの時僕は『レイが3Pラインに戻るまで待て』と頭の中で自分に言い聞かせた。一瞬の出来事だったけどね」

レブロン「放たれたボールを見て思ったよ、『これは入る』」

スポールストラHC「レイは何年も打ち続けてきたショットを決めたまでだ」

ジノビリ「Bad, very bad」

トニー・パーカー「僕たちは皆キャリアを通していくつも傷を負っているが、これはとても深い」

ティム・ダンカン「あれは辛かった」

ポポビッチHC「私はあの瞬間のことを毎日考えている。早く頭の中から消えてほしいが、まだ出ていかない」

スパーズはラスト30秒で2本のフリースローを外し、さらに守備では2ポゼッション連続でディフェンスリバウンド確保に失敗。掴みかけていた優勝を目前で逃してしまった。

その後オーバータイムの末に第6戦を制したヒートは、続く最終戦にも勝利し、見事2連覇を達成。アレンのミラクルショットは、スパーズの選手とファンたちの心に深い傷を残した。

※   ※   ※

こうやって振り返ってみると、コービーの引退試合やウォリアーズの73勝、キャブスの初優勝があった2015-16シーズンは、NBAにとって本当に特別な1年だったのだと実感させられる。

皆さんはこの他に心に強く残った2010年代NBAの試合はありますか?個人的には、2015-16レギュラーシーズンのウォリアーズvsサンダー(6位)の代わりに、カワイ・レナードのブザービーターで決着が付いた2019イースト準決勝第7戦を入れてもいいと思う。

参考記事:「ESPN

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いつもたくさんのコメントをありがとうございます。最近、返信が遅くなっており、申し訳ありません…



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