ブログ ハーデン MVPキャンペーン2

Published on 4月 7th, 2015 | by Tunaパスタ

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ロケッツがハーデンMVP獲得に向けて猛プッシュ、今季MVPの行方は?

今季のMVPレースは、すでにステファン・カリージェイムス・ハーデンの2人に絞られた印象だ。そして現時点ではカリーが優勢だろうとする見方が多い。だがヒューストン・ロケッツはハーデンにチャンスがあると信じている。

ロケッツは先日、MVP選出の投票権を持つスポーツライターやメディア関係者らにオリジナルのビデオブックを送付した。ハーデンMVP獲得に向けたキャンペーン活動だ。

ロケッツのビデオブックには、いかにハーデンが今季最優秀選手にふさわしいかがイラストレートされている。

ハーデン MVPキャンペーン1

via imgur

右のページにはビデオ、左のページにはハーデンのスタッツが記載されたパンフレットが差し込まれている。

ハーデン MVPキャンペーン2

via imgur

ハーデン MVPキャンペーン3

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上から:

  1. シーズン通算1988得点 – 300点以上の差でリーグ首位(2位カリー、3位ジェイムス)
  2. 40得点ゲームが8回 – リーグ最多
  3. プレーヤー・オブ・ザ・マンスを2回受賞
  4. 30得点ゲームが32回 – リーグ最多
  5. 取得可能なディフェンシブリバウンド全体の14.6%を確保 – SGポジションでリーグ首位

さらにハーデンがリーグ上位に位置するスタッツを記載。ちょっと見慣れないような指標もいくつか並んでいる。

ハーデン MVPキャンペーン4

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左上から行順に:

  1. 通算出場時間がリーグ首位 – 2619分
  2. ウィンシェアがリーグ首位 – 14.8
  3. VoRPがリーグ首位 – 7.0
  4. ダブルダブル数がSGポジションでリーグ首位 – 19回
  5. オフェンシブ・ウィンシェアがリーグ首位 – 10.9
  6. 通算アシスト数がSGポジションでリーグ首位 – 510
  7. 通算リバウンド数がSGポジションでリーグ首位 – 417
  8. フリースロー成功数がリーグ首位 – 640
  9. フリースローアテンプト数がリーグ首位 – 739
  10. 通算スティール数がSGポジションでリーグ首位 – 140
  11. 1試合の平均出場時間がリーグ2位 – 36.9分
  12. 通算ブロック数がガードポジションでリーグ3位 – 56
  13. 通算スティール数がリーグ2位 – 140
  14. 通算アシスト数がリーグ5位 – 510
  15. 平均スティールがリーグ6位 – 1.9

※このパンフレットは少し前に作られたものなので、現在はアシストやスティールの順位が変わっている。

裏表紙:

ハーデン MVPキャンペーン5

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どうやらロケッツは、このビデオブックをMVP投票者124人全員に送った様子。なかなか手の込んだ「清き一票を!」キャンペーンだが、果たしてどれほどの効果があるのか?何名かのスポーツライターたちは、ロケッツの取り組みに関してやや否定的な意見を示している。

・米Grantlandのザック・ロウ氏:

「アワードプロモーション用のくだらない小物にお金をかけることに関して、ロケッツは常にリーグ首位だ。その費用をチャリティーに寄付すればいい。こんな物では誰もなびかない」

・米Yahoo Sportsのマーク・J・スピアーズ氏:

「ロケッツはMVP獲得のためにジェイムス・ハーデンのビデオブックを送った。ウォリアーズはステファン・カリーのプレーに語らせようとしている」

カリー or ハーデン?

今季も残すところあと10日ほど。果たして栄光を手にするのはどちらになるだろう?

「よりチームを一身に背負っている」という面で見れば、ハーデンに分があるかもしれない。今季のハーデンは得点/アシスト/スティール/出場時間でチーム最多、そしてリバウンド、ブロックでチーム2位を記録している。4月6日の時点では、僅差でリーグの得点王だ。

ウォリアーズはもしカリーがいなくても5割前後の勝率を挙げられそうだが、ロケッツの場合はハーデンがいないと絶対に機能しないだろう。35勝に届くかどうかも怪しい。

シーズンの半分以上でドワイト・ハワードやテレンス・ジョーンズといった主力メンバーを欠いていたチームを、53勝24敗のウェスト2位に牽引できたのはある意味奇跡だ。少しハーデンを過大評価しすぎかもしれないが、仮に全盛期のコービーやTマックに今のウェストで今のロケッツを与えたとして、ここまで導けたかどうか?

▼ハーデン、5日サンダー戦でのクラッチプレー

その一方で、カリーは今季首位チームのベストプレーヤー。しかもただの首位チームではなく、NBA史上屈指の最強チームだ。

今シーズンのウォリアーズは、1試合の平均得失点差で「+10.4」を記録している。これは2007-08のボストン・セルティックスを上回り、1991-92のシカゴ・ブルズに匹敵する数字だ。NBAの歴史で平均得失点差+10以上をキープできたチームは、今季ウォリアーズを除いてわずか7チームのみ。そのうちの6チームがその年のNBA制覇を果たしている。

▼シーズン得失点差+10以上を記録した歴代チーム
ソース

チーム 成績 得失点差 結果
レイカーズ
(1971-72)
69-13 +12.28 優勝
バックス
(1970-71)
66-16 +12.26 優勝
ブルズ
(1995-96)
72-10 +12.24 優勝
バックス
(1971-72)
63-19 +11.16 ×
ブルズ
(1996-97)
69-13 +10.80 優勝
ブルズ
(1991-92)
67-15 +10.44 優勝
ウォリアーズ
(2014-15)
63-14 +10.40 ??
セルティックス
(2007-08)
66-16 +10.26 優勝

これほど規格外に優秀なチームのベストプレーヤーが、MVPを受賞しない理由は一つもない。ただ、2007-08セルティックスの選手はMVPを獲得しておらず、その年は57勝25敗を記録したレイカーズのコービー・ブライアントが受賞した。同じく1996-97ブルズもマイケル・ジョーダンではなく、ユタ・ジャズのカール・マローンが選ばれている。

1997年にジョーダンが取れなかった理由は完全に謎だが、ビッグ・スリー時代のセルティックスの場合は、ガーネット、ピアース、アレンの3人で絶妙なバランスが取れており、明確な“チームのベストプレーヤー”が存在しなかったためかもしれない。

だがカリーは違う。今季ウォリアーズのベストプレーヤーは誰がどう見てもカリーであり、「そこそこ強いチーム」を「歴代屈指のチーム」へと押し上げている存在そのものだ。その証拠に、平均得失点差で「+10.4」を記録しているウォリアーズだが、カリーがフロアにいない時は「-1.5」までガタ落ちしてしまう。

また今季は、カリーにとって記録的なシューティングシーズンでもある。

▼シーズン3p成功数250本以上の歴代選手

シーズン3p成功数 250本以上

via Reddit

これまでに1シーズンのスリーポイント成功数で250本以上を記録したのはこの4人のみで、今季カリーを含めて合計6回。しかも1995-96のジョージ・マクラウドとデニス・スコットの場合は、3ptラインが7.24 mから6.7 mへと短縮されていた時期なので(現在は7.24 m)、本当のスリーポイントという意味ではレイ・アレンとカリーの2人だけとなる。ここ最近はカリーが毎年クリアしているので少し慣れてしまったが、よく考えれば凄まじい記録だ。

さらにカリーは今季5試合を残した時点で、すでに263本に到達している。成功率は43.5%で2005-06シーズンのアレン(42.1%)よりも高い。このあたりもMVP選考で大きなプラスになるだろう。

現時点ではカリー優勢に思えるが、結局のところ最後までどうなるかはわからない。だから面白い。

カリー ハーデン
試合数 75試合 76試合
MPG 32.8分 36.9分
得点 23.6 27.7
アシスト 7.7 6.9
リバウンド 4.3 5.7
スティール 2.0 1.9
ブロック 0.2 0.7
ターンオーバー 3.1 4.0
FG% 48.1% 44.3%
3P% 43.5% 38.1%
FT% 91.4% 86.5%
NetRtg +16.6 +6.1
PER 27.6 27.0

※NetRtg= プレーヤーがフロアにいる時間帯にチームが記録する100ポゼッションあたりの得失点差

カリー or ハーデン?

Images via Imgur

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いつもたくさんのコメントをありがとうございます。最近、返信が遅くなっており、申し訳ありません…



  • 龍 辰巳

    うーん、関係者からのハーデンの嫌われっぷりがなんとも…笑
    まぁ、トップスコアラーの中でもずる賢いプレーのイメージとビッグマウスが災いしてるんですかね。

    • ハーデンとクリス・ポールはなぜか嫌われていますね。CP3なんかは、ものすごい活躍っぷりにもかかわらず、MVP候補の会話にすらほとんどあがりませんし…。

      おっしゃる通りウェストブルックは難しそうですね。確か各カンファレンスで3位以内に入れなかったチームの選手がMVPを獲得したことは、これまでに1度もなかったような?
      過去30年だと、最も低い勝率で受賞したのは87-88ブルズのジョーダンなのですが、そのシーズンのジョーダンは平均35得点、3.2スティール、FG成功率53.5%、出場時間40.4分で82試合全出場というまさに神的な数字を残しています。
      シーズン後半からのウェストブルックも超人的なスタッツを記録していますが、やはりチームの勝率的に考えて無理っぽいですね。

      • 龍 辰巳

        確かに神ですね。笑
        若かりし頃のジョーダンは数字だけ見ても孤軍奮闘ぶりが伝わってきますから、スタッツもさることながら「チームを牽引している」という印象が強かったんでしょうね。

        確かにCP3も毎試合当然のように二桁アシスト叩き出しているあたりMVP候補でもおかしくないですよね。特に近年は20点10アシスト級の数字を残せる司令塔というのは目下彼くらいですから、評価してあげて欲しいところです。

        でも個人的にはレブロンやカリー、サンズ時代のナッシュなんかと比べた時、彼ならではのカラーという印象がないのかなと。アンセルフィッシュなのがかえって災いしてるんですかね。前述の三人と比べると、クリッパーズは「ポールのチーム」という印象はないですしね。レイカーズ戦の7得点15アシストなんて、その気になればいつでも点を取れるポールならではのスタッツですけれど。笑

        あとはクリッパーズが妙に嫌われてたり、チーム成績もそこまで圧倒的ではないと言ったあたりも影響してそうですね。やはり優勝で周りを納得させる必要がありそうですね。

  • マイケル

    個人的に、ですがこういうのをしてしまうと余計にMVPから遠ざかりそうな気がするんですが・・・

    >仮に全盛期のコービーやTマックに今のウェストで今のロケッツを与えたとして、ここまで導けたかどうか?

    できないでしょうねえ。コービーはシャック追放後、POにすら出れていません。あの時に多少なりとも結果があればまた違った評価になると思いますけど。

    ただハーデンはすごいんですが、個人的にハーデンならレブロンだと思っています。というのはCLEは充実したメンバーがいるので反対意見は多いでしょうが、去年までPOにすら到達してなかったチームだし、新メンバーもその多くはどこか問題のある選手が多いです。ラブはちょいとあれですけど、特にNYKでは迷惑系扱いだったJRでもかなりの活躍をしているし。MIAを見ているとその影響力が非常に大きいことや、各種記録の塗り替えがその理由です。

    ただまあカリーでしょうねえ。なんとなく、近年レブロン以外のMVPは怪我に苦しむ印象が強いので、そういう意味でも取って欲しくないんですが・・・
    そういあMIPも怪我に苦しむ選手多いですねえ。

    • 名無し

      シャック追放後コービーがPOに出れなかった年は去年と2004-05シーズンのみのはず!

    • 「NBAのベストプレーヤーは誰だ?」というアワードなら、まだまだレブロン・ジェイムス一択です。ただシーズンMVPに関しては、レブロンの競争相手は周りの選手というよりも、過去のレブロン自身という部分もあると思うんですよね。

      おっしゃる通り、弱小チームだったキャブスを右往左往しながらもまとめ上げて、優勝候補にまで導いたのは、他の誰でもないレブロンです。移籍後のヒートは勝率5割以下のチームに転落しました。
      ですが、最後にMVPを獲得した2年前と比べて、「個人的な活躍度が上がっているか?」と言えば、的確に評価するのは難しいですが、恐らく答えはノーだと思います。

      フェアではありませんが、レブロンのように文句なしでナンバー1だった選手が少しずつ周りに追いつかれてきたという事実は、選考の上で不利に働くのかなと。それからチームの成績も物足りないような気がします。

      確かにレブロンからMVPを奪った選手は、翌シーズンに怪我で苦しめられていますね笑

  • カリーファンだから贔屓するわけではないんですが、いくら凄い数字を並べられても、ハーデンのプレイは観ててつまんないんですよねぇ…。すいません(^_^;)もしハーデンがMVPを取るような事があったら個人的には興醒めしそうです。レブロンならまだ納得できますが。ロケッツのやり方は狡い真似としか思えません。メロを勧誘した時のリンに対する失礼な仕打ちも忘れていませんし、ロケッツはかなり印象悪いです。仮にウォリアーズがロケッツと同じようなやり方でカリーのMVPをプッシュしたとしたら、ウォリアーズファンの僕でもちょっと冷めた目で見てしまいそうですね・・・。

    • なるほど。個人的には、ハーデンのアイソからのステップバックやドライブ&キックアウトは素晴らしいと思うのですが、フリースローゲームに関してはエレノアさんと同意見です。特に応援しているチーム(スパーズ)との試合でやられるとウンザリします笑

      確かにプレーの魅力はカリーが断然上ですね。2人ともゾーンに入ると止まらなくなるタイプのシューターですが、カリーの場合は次元が違うと感じます。カリーが連続でスリーを決めたりすると、チームメイトや観客にものすごいエネルギーが生まれるんですよね。カリスマというか…。

      カリーは完全に突然変異の新種タイプですよ。長距離砲の名手は何人もいますが、カリーのようにドリブル・プルアップから難易度マックスのスリーをあれほど多発して、あれほどの成功率で決められる選手は、長いNBAスリーポイントの歴史で1人もいません。
      プルアップスリーの精度やクリエイティビティという面で言えば、最も近いのがスティーブ・ナッシュですが、ナッシュはシューターというよりもパサーという感じですし、何よりもカリーとは試投数がまるで違います。

      今季のカリーは平均スリーアテンプト数が8.1本で成功率が43.8%、その内の4割以上がドリブルからのショット。完全に常軌を逸しています笑

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