ブログ スティーブ・ナッシュ キャリアスタッツ

Published on 9月 3rd, 2015 | by Tunaパスタ

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数字で見る「スティーブ・ナッシュの偉大さ」

過去3年にわたり怪我に悩まされ続けた末、2015年3月21日にNBAからの正式な引退を決意したスティーブ・ナッシュ。チャンピョンシップにこそ手は届かなかったものの、2度のMVP受賞や5度のアシスト王獲得など、歴代最高のポイントガードの1人に数えるに相応しい堂々たるキャリアを送った。

そのことは、ナッシュが18シーズンで積み上げた功績を見れば一目瞭然だ。

キャリア通算アシスト

ナッシュはキャリア通算で歴代3位となる10,335アシストを記録した。この数字を上回るのはジョン・ストックトンとジェイソン・キッドのみ。

ナッシュ vs. キッド vs. ストックトン

※スタッツは、上から得点、FG%、3P%、アシスト、リバウンド、スティールの順(いずれもキャリア通算)

単純に数字だけを比較すると、ナッシュが2人に劣っているような印象を受ける。得点とリバウンドは3人の中で最も低く、スティールに関しては遠く及ばない。ストックトンやキッド、さらにはゲイリー・ペイトン、アイザイア・トーマス(バッドボーイズ)、クリス・ポールといった新旧のベストPGたちと違い、ナッシュはディフェンスが得意ではなかった。

その一方で、スリーポイントシュートの成功率はキッドとストックトンよりも大幅に高い。ナッシュが史上最高のPGの1人に数えられる最大の理由の一つは、歴代トップクラスのシューティング力を持っていたからだ。

50-40-90

「50-40-90」とは、FG成功率50%以上、3PT成功率40%以上、フリースロー成功率90%以上をシーズン平均で記録すること。トップクラスシューターの証ともいえる極めて達成困難なスタッツで、過去にこれをクリアした選手は、ナッシュを含めて以下の6人しかいない。

※スタッツは、左から得点、FG%、3P%、フリースロー%の順(いずれもキャリア平均)

50-40-90を複数回達成したのはラリー・バードとナッシュの2人だけ。バードが2回だったのに対して、ナッシュは4回記録している。また、ポイントガードで50-40-90を記録したのは、ナッシュの他にマーク・プライスのみだ。

ナッシュのシーズン別シューティング%

ナッシュは、スリーの成功率が高いだけでなく、ボリュームシューターでもあった。3Pアテンプト数は他の50-40-90クラブメンバーよりも大幅に多く、50-40-90を平均しながらシーズンの合計3P成功数で150本を超えた選手はナッシュしかいない。

さらにナッシュのスリーは、半分以上がスポットアップではなく、ドリブルからのプルアップだった。これらを考慮すると、キャリア平均で3P成功率42.8%を記録できたというのは奇跡に近いと思う。

NBAベスト3Pシューターグラフ

※上のグラフは、縦軸が3P成功率、横軸が3P成功数(いずれもキャリア合計)。通算1000本以上のスリーを決めた選手を対象

ナッシュがNBA史上屈指のスリーポイントシューターだったというのは紛れもない事実だ。実際に、現時点でキャリア通算の3P成功数と3P成功率の両方で歴代Top15に入っている選手は、ナッシュ(成功率10位、成功数15位)とカイル・コーバー(成功率6位、成功数11位)の2人しかいない。

さらに繰り返すようだが、ナッシュは他のトップシューターたちに比べて、スポットアップスリーを打つ割合が極めて少なかった。ナッシュと同じくドリブルからのプルアップスリーを多発して、なお高い成功率を維持できているのは、ステファン・カリーくらいだ。

フリースロー成功率は歴代首位

ナッシュは18年のキャリアで合計3384本のフリースローを放ち、その内の90.43%(3060本)を成功させた。これはNBA史上最高の成功率で、他に9割以上を記録している選手はマーク・プライス(90.39%)とステファン・カリー(90.0%)のみとなっている。

MVP

ポイントガードがMVPに選ばれるのは比較的珍しく、1955-56シーズンからの過去60年間で上記の6選手しかいない。その中でも複数回受賞したのは、マジック・ジョンソン(3回)とナッシュ(2回)だけだ。

実績を考えれば、NBA史上最高のポイントガードはマジック・ジョンソンで間違いないだろう。だが、ナッシュのように歴代屈指のシュート力と的確かつクリエイティブなプレーメイキング力を兼ねそろえたユニークなPGは他にいない。

以前パット・ライリーは、ナッシュを「NBA史上最も効率的にプレーできる選手」と評価していたが、まったくその通りだと思う。

Image by Keith Allison/Flickr

参考記事:「SI

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About the Author

いつもたくさんのコメントをありがとうございます。最近、返信が遅くなっており、申し訳ありません…



  • CAVS! GOGO!

    ナッシュ・ビラップス等のPGが引退したのはとても残念です^_^
    でも、コーチとかに向いてると思うのでやって欲しいななんて思いました^_^

    • 36s

      ビラップスは本当に残念でした。
      ベンチからクリッパーズを優勝に導くと思ってたんですけどね。

      • CAVS! GOGO!

        今のように成長したグリフィン・ジョーダンがいて
        ピアースもいる今なら良かったのになと思います^_^

    • 私もビラップスは大好きでした
      確かに2人ともコーチとしても成功しそうですね。ディフェンス重視のキッドHC vs. オフェンスのナッシュHCの対決とかぜひ見てみたいです

  • マブスマン

    男として最高ですよね。
    シュート力とパスセンス、それにIQにホレボレしますけど、身体能力が高くなくても成功を収められることを示してくれた大きな1人ですよね! 
    サンズ時代のアマレとのコンビは、言葉にできないぐらいかっこよすぎました!
    買えるときにナッシュのサンズ時代のユニフォームを買わなかった自分に後悔です、AZには売ってるんでしょうかねー
    LALではあの四人で出た試合がもっと増えていけば、変わったと思うんですけどね、、、
    給料泥棒呼ばわりされて、でもそれを受け入れる潔さもリスペクトです
    ノビツキーとの友情も感動しますよね。外国人プレーヤーながら二人ともMVPになって、ノビツキーが優勝したときは心から祝って。プレーオフでのMAVS-SUNSは本当に見たくなかったなあ
    引退後のポエムもほんとに感動しました。人情がにじみ出てました。優勝した姿を本当に本当に見たかった、、、、

    • ナッシュは大好きなプレーヤーの一人です!アマレやマリオンとのピック&ロールやトランジションはまさに芸術でしたね。
      レイカーズ時代は、各選手の怪我やケミストリーの問題などでポテンシャルをフルに発揮出来ず終いで本当に残念でした。

      1年ほど前にナッシュがインタビューで語っていたのですが、ナッシュがLAに移籍した最初の年に、当時のマイク・ブラウンHCはプリンストン・オフェンス的なハーフコート重視の複雑なシステムを取り入れようとしていたらしいです。ナッシュがサンズ時代に指揮したラン&ガンとはほぼ真逆のオフェンスで、ノウハウを覚えるためにそうとうな練習時間を費やしたらしく、トレーニングキャンプだけで体がボロボロになったと言っていました。

      それでナッシュは開幕2試合で負傷離脱、マイク・ブラウンは5試合で解雇。今思えば、ナッシュやガソル、コービーといった最高のプレーメーカーがいたのに、ガチガチのシステムで縛ろうとしたのは少しもったいなかったですね。もしフィル・ジャクソンがコーチを続けていたら…。

  • 36s

    ナッシュはよくパスが特集されますけど、スタッツみるとやっぱりシュートが凄いんですよね。特に3PとFTはちょっと尋常じゃないスタッツで驚きです。
    こうやって細かいデータが揃ってるのもNBAの魅力ですよね!!

    何気にキッドのリバウンドも凄いww

    • ナッシュはあのシュート力があったからこそ、パスやドライブもより一層活かされたんでしょうね。オフ・ドリブルのスリーなら歴代最高のシューターだと思っていました(S.カリーとかいう変人が現れるまでは)。

      キッドは本当にオールラウンドなPGでしたね。ロンドも外のシュートを鍛えて、キッドと同じような成長曲線を辿っていければよかったのですが…。

  • くりあたま

    ナッシュの動画を見て私はバスケを本格的に始めたんです
    後ろに目が付いているというのは彼のことを言うんだ、点を取らなくともバスケはカッコいいんだって感じましたし、やるならPGって思いも強かったです
    しかし、そんなナッシュもプレイオフには恵まれませんでした。現役No1PGと言われながらもチャンピオンどころかファイナルすらたどり着けなかったのは彼が一番悔しいと思ってることだと思います
    現役最高PGと言われた人達はチャンピオンに何故遠いんでしょうか
    ジョーダンのラストショットを目の当たりにしたストックトン、小さいながらハートの大きさで人々を魅了したアイバーソンもレイカーズ3連覇の踏み台に留まり、最下位ドアマットチームを一年でファイナリストにしたキッドも晩年になんとか一回、今年のプレイオフで足を怪我してスパーズと死闘を繰り広げたクリスポールも結局2回戦止まり
    PG全盛期と呼ばれながら現役最高のPGには中々手厳しいNBAだと思います

    • 確かに、ポイントガードがベストプレーヤーのチームが優勝するのは稀な例ですね。マジックとカリーぐらいでしょうか。

      ただナッシュの場合は、運が悪かったとしか言いようがない部分もあると思います。2007年カンファレンスセミファイナルのアマレ&ディアウの出場停止処分、そして2010年カンファレンスファイナル第5戦でのメタ・ワールドピースのブザービーター。この両方とも、サンズの年だったような気がします。
      特に2007年WCセミファイナル第4戦は酷かったです…。

      このタックルで、ロバート・オーリーは2試合の出場停止になりましたが、ベンチにいたアマレとディアウも「コートに足を踏み入れた」として1試合の出場停止を食らいましたからね。サンズとしてはどう考えても割に合いません(ホームでの第5戦は3点差で負けてしまいました)。

      ただスパーズファンの私としては、その年に優勝しているので何とも…

  • おてつ

    素晴らしい!
    キッドやマジックジョンソンもすごいと思いますがやっぱりシュート力が比べ物にならないですね。
    ラン&ガンが出来るガードではNo.1ではないでしょうか。

    • ナッシュのロングレンジは突出していましたね。トランジションオフェンスでの意表を突いたプルアップ・スリーなどは芸術的でした。ラン&ガンのマスターですね!

  • >オフェンスのナッシュ、ディフェンスのキッド
    おっしゃる通りだと思います。

    カリーが50-40-90を達成できていない唯一の理由は、スリーが多すぎるからですね。3P成功率はデビューから6シーズンすべてで40%を超えていますし、2P成功率とFT成功率も6シーズン中3シーズンでそれぞれ50%、90%を上回っています。ただ過去3年はシュートアテンプトの半分くらいがスリーなので、どうしてもFG%が低くなってしまいます。

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