ヨキッチが史上3人目の30/20/10達成もナゲッツ大敗、サンズがウェストファイナル進出に王手
フェニックス・サンズが現地11日、敵地ボール・アリーナで行われたデンバー・ナゲッツとのカンファレンス準決勝第3戦に116-102で快勝。シリーズ開幕から3連勝をあげ、11年ぶりとなるウェストファイナル進出まであと1勝に迫った。
サンズとナゲッツのシリーズ第3戦では、2020-21シーズンのMVPに輝いたニコラ・ヨキッチが32得点、20リバウンド、10アシストで大暴れ。
NBAによると、プレイオフの試合で30得点/20リバウンド/10アシスト以上でのトリプルダブルをマークしたのは、ウィルト・チェンバレンとカリーム・アブドゥル・ジャバーに次ぐ史上3人目の快挙だという。
それでもこの日のナゲッツは惨敗に終わった。
前半は割と接戦だったが、後半に入ってからサンズが一気に主導権を掌握。クリス・ポールのピック&ロールを軸にする破壊力抜群のオフェンスから第3Qを34-19で上回って14点リードを奪取すると、最終クォーターでもナゲッツに反撃のチャンスを与えることなく、最後まで二桁得点差を維持した。
シリーズに王手をかけたサンズは、デビン・ブッカーが28得点、クリス・ポールが27得点/8アシストと、オールスターのバックコートデュオが大活躍。さらにジェイ・クロウダーがスリー4本成功から14得点、ミケル・ブリッジスが11得点、デアンドレ・エイトンが10得点/15リバウンドのダブルダブルを記録し、スターター5選手とも二桁得点をあげた。
サンズのP&R
オフェンス面でのヨキッチは間違いなくリーグ最強のセンターだが、身体能力や機動力が乏しいため、サンズとのシリーズでは完全にディフェンス面で弱点になってしまっている。
サンズのピック&ロールに対するナゲッツ守備は、基本的にオンボール・ディフェンダーにスクリーンをファイトオーバーさせつつ、ヨキッチがペイントエリア深くまでドロップ。ロールマン(通常エイトン)へのイージーなロブパスやポケットパスを優先的に潰しながら、ボールハンドラーになるべくプルアップスリーやミドルシュートを打たせようとする戦略だ。
▼これ
ただこの守り方はサンズに対しては完全に悪手。ミッドレンジを極めたクリス・ポール(デビン・ブッカーも)にこれだけのスペースを与えてしまえば、かなりの高確率でショットを決められる。
▼こうなる
ペリメーターでヨキッチをポール(もしくはブッカー)にスイッチさせるのは論外。
なのでポールのミッドレンジを阻止するには、ヨキッチを外に出しつつ、ロールマンに対してウィークサイドからヘルプに入るしかないが、そうすると守備が手薄になるウィークサイドへとキックアウトパスが飛んでいく。
▼CP3のヘルプDの読み方が凄すぎる
ここが今のナゲッツの限界なのかもしれない。仮にジャマール・マレーがいたとしても、この守備が改善するわけではなく、常に点の取り合いで勝負するしかない。
ブレイザーズとの第1ラウンドでは、ロールプレイヤーたちが高確率でオープンショットを沈めたため何とか切り抜けられたが、サンズとのシリーズでは完全にヨキッチの孤軍奮闘状態になっている。サンズにとっては、ヨキッチを1on1で守れるデアンドレ・エイトンの存在が大きい。
ナゲッツのシーズン生き残りをかけたシリーズ第4戦は、現地13日にデンバーで行われる。
ボックススコア:「NBA」