マヌ・ジノビリが現役引退
16年の輝かしいキャリアに終止符だ。
現地8月27日、サンアントニオ・スパーズのマヌ・ジノビリがNBAから引退することを正式に発表した。
「色々な感情を胸に、今日僕はバスケットボールからの引退を宣言する。この23年間で関わってきたすべての人たち(家族、友人、チームメイト、コーチ、スタッフ、ファン)に最大限の感謝を。夢にも思わなかったほど素晴らしい旅路だった」
– マヌ・ジノビリ
1999年NBAドラフト全体57位でスパーズから指名を受け、その3年後の2002年にNBAデビューしたジノビリは、キャリア16シーズンで13.3得点、3.8アシスト、3.5リバウンド、1.3スティールを平均。究極のシックスマンとして、ティム・ダンカンやトニー・パーカーらと共にスパーズのダイナスティを支え、チームを4回の優勝に導いた。
ジノビリはオールNBAチームに2回(2008、2011)、オールスターに2回(2005、2011)選出された他、2008年にはシックスマン賞を受賞。通算スリー成功数(1495)とスティール数(1392)でスパーズの球団最多記録を保持している。
またナショナルチームのキャリアでも、2004年アテネ五輪の準決勝でアメリカ代表を撃破し、アルゼンチンに金メダルをもたらすなど大功績を残した。
生涯1球団で16シーズン以上プレイした選手は、コービー・ブライアント、ティム・ダンカン、ジョン・ハブリチェック、ダーク・ノビツキー、レジー・ミラー、ジョン・ストックトンに次いで、ジノビリが史上7人目。独創的で唯一無二なプレイスタイルはもちろん、その人柄やプロ意識、チームへの忠誠心、そして現地コミュニティとのつながりの強さ(サンアントニオは人口の約6割がヒスパニック/ラティーノ系)などを考えると、ジノビリはスパーズ史上で最も愛された選手かもしれない。
▼現役最後のフィールドゴール
NBAの反応
バスケットボール殿堂入りが確実視されているレジェンドの引退発表を受け、リーグ周辺のSNSはチームメイトやスパーズ関係者、NBAスターたちからの祝福のメッセージに溢れていた。
・パウ・ガソル
「君がバスケットボールのためにしてくれたすべてのことに心から感謝している。この素晴らしいスポーツを愛する人たちにとって、君はロールモデルだ。この2年間で君とロッカールームを共有できて幸運だった」
・ラマーカス・オルドリッジ
「君とは9年間競い合った。試合前のミーティングでは数えきれないほど君への対策について話し合ったよ。左に行かせないためにはどうすればいいのか?左に行かせてしまうと絶対に止められない!その後、僕は君のチームメイトになった。そこで僕は、君が得点よりもはるかに価値あるものをチームにもたらす存在なのだと、身をもって体験した。君は究極の競争者であり、“チーム第一”な人間。ただそこにいるだけで球団のカルチャーを向上されられる存在だ。君のおかげで、僕はキャリアのどの時点よりも積極的にチーム行事や活動に参加するようになったよ。君と競い合えたこと、それ以上に君と一緒に戦えたことを光栄に思う。ありがとう、マヌ!」
・デジャンテ・マレー
「オン/オフコートの両方で本物のプロになるにはどうすべきかを僕に教えてくれた。ありがとう。バスケ界は君がいなくなって寂しくなるよ。そして絶対に君を忘れない」
・ルディ・ゲイ
「GOATの一人であるマヌ・ジノビリと共に戦うことができて光栄だった。この男からたった1年で本当に多くを学んだ」
・マルコ・ベリネリ
「はじまりの時に君は傍にいた。そして栄光の瞬間にも君は傍にいた。本当にありがとう。君は永遠に僕のアイドルだ」
・ジョージ・ヒル
「素晴らしいキャリアだったね。君とコートをシェアできたこと、君から学べたこと、楽しいチームディナー、長いフライトでの有意義な会話、そして君と競い合えたこと。そのすべてを光栄に思う」
・デイビッド・ロビンソン
「君のような選手はこれまで一人もいなかったし、これから先も現れないだろう。皆が君を誇りに思っている。家族との時間、そして人生の次のステージを楽しんでほしい」
長年のライバルたちもジノビリに惜しみないリスペクトと賞賛のメッセージ:
・ダーク・ノビツキー
「おめでとう。素晴らしいキャリアだった。偉大な選手であり、凄まじい競争心の持ち主。勝者。次はバスケットボール殿堂入り」
・スティーブ・ナッシュ
「素晴らしい選手だった!君と競い合い、君の偉大さを楽しむことができて幸いだった。おめでとう!」
・ジェイソン・キッド
「私がディフェンスした中で最もユニークな選手の一人だ。君はバスケットボールを変えた。おめでとう。近いうちにバスケットボール殿堂で会おう!」
・ケビン・ガーネット
https://twitter.com/KGArea21/status/1034152482774175744
「究極の競争者。おめでとう」
・ジャマール・クロフォード
https://twitter.com/JCrossover/status/1034148004603650056
「僕がシックスマンとしてやっていく決断をする時、最初に考えたのは君の存在だった。君のスタイル、才能、競争心、そして勝利への執念。それらが見れなくなるのは本当に寂しい。尊敬の気持ちしかない」
・ゴードン・ヘイワード
「僕が背番号20のユニフォームを着る理由の一つ。素晴らしいキャリアだった。おめでとう」
・レブロン・ジェイムス
https://twitter.com/KingJames/status/1034247169879040000
「素晴らしいキャリアだった。おめでとう。長年にわたり君とマッチアップできて光栄だった。レギュラーシーズン、ファイナル、ナショナルチーム、どんな形の試合であれ、特別な楽しみだったよ。最もクールなムーブである『ユーロ・ステップ』を流行らせたこと対し、バスケットボールというスポーツ全体が君に感謝している。バスケットボールを正しい形でプレイしてくれてありがとう」
・コービー・ブライアント
「君は真の王者であり、僕がマッチアップした中で最高の選手の一人だ。引退後の人生を楽しんでくれ。それは君の努力の賜物だ」
また元NBAスターのチャールズ・バークレーは、『ニューヨーク・タイムズ』紙のインタビューで、「今日、私のジノビリが引退してしまった。家族を失ったような気分だよ」と大好きな選手の引退を惜しんだ。
▼「Ginobillliii!!」
https://twitter.com/NBAonTNT/status/1023225806493904896
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スパーズファンの筆者にとって、マヌ・ジノビリはずっと感動を与えてくれたヒーローであり、愛してやまない選手でした。いつかこの日が来ることは分かっていましたが、いざそれが現実になると想像していたよりもダメージ大で、いい具合の喪失感に襲われています。
ジノビリについて書きたいことはまだ山ほどありますが、引退の実感が湧かないのと、今はもう少し余韻に浸っていたいので、それはまた次の機会にします。2年ほど前から、「ジノビリが引退する時にこれだけは記事にしたい」と考えていたネタ(海外記事)があるので、来季が開幕するまでに投稿できればと思っています。
参考記事:「NBA」