デュラントが49得点トリプルダブル、歴史的なパフォーマンスでネッツを第5戦勝利に牽引
ブルックリン・ネッツが現地15日、本拠地バークレイズ・センターで行われたミルウォーキー・バックスとのイースタンカンファレンス・セミファイナル第5戦に114-108で勝利。シリーズを3勝2敗とし、イースト決勝進出に王手をかけた。
この日のネッツは、カイリー・アービングが足首捻挫で欠場。ジェイムス・ハーデンはハムストリングの怪我から10日ぶりに戦線復帰するも、100%のコンディションからは程遠い状態。そんな満身創痍のチームを引っ張ったのは、ケビン・デュラントの記録的なパフォーマンスだ。
第4戦でのデュラントは48分のフル出場で49得点、17リバウンド、10アシスト、3スティールのモンスター・トリプルダブルを達成。
特に後半での活躍ぶりが凄まじく、17点ビハインドに陥った第3Q残り7分からは13本中10本のショットを決めて31得点を獲得し、ネッツを大逆転勝利へと導く。
KDのベストゲーム?
NBAによると、プレイオフの試合で45得点/15リバウンド/10アシスト以上でのトリプルダブルが記録されたのは今回が初。デュラントの49得点は、ネッツのポストシーズン史上で最高得点となる(これまでの最多はビンス・カーターの43得点)。
また、プレイオフで48分間フル出場した選手は、2018年5月27日のレブロン・ジェームズ(キャブス対セルティックスのイースト決勝第7戦)以来初だ。
「一つ一つのポゼッションをどうするか、そのことしか頭になかった。ポゼッションごとに良いプレイをしようとしていただけ。試合中は自分がどれだけ得点やリバウンド、アシストをあげているのかなんて考えなかったよ」
– ケビン・デュラント
▼KD第5戦のショット
すでにバスケットボール殿堂入りが確実なデュラントのキャリアの中でも一二を争うパフォーマンスだったと思う。バックスのヤニス・アデトクンボは試合後の記者会見で、「KDは世界一のプレイヤーだ」と敵チームエースに最大級の賛辞を贈った。
他のNBAスターやレジェンドたちも、KDの第5戦をSNSで称賛:
・レブロン・ジェームズ
「GREATNESS!! みんな、彼のプレイを楽しめるうちに楽しもう!」
・ケビン・ラブ
「素晴らしいパフォーマンスだった」
・ポール・ピアース
「偉大な選手の証」
・ジャマール・クロフォード
「KD、スピリチュアルな体験をありがとう」
・マジック・ジョンソン
「今夜のケビン・デュラントは歴史に残るパフォーマンスを見せてくれた」
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ネッツはデュラントの他、ジェフ・グリーンが7本のスリー成功から27得点、ブレイク・グリフィンが17得点で勝利に貢献。ハーデンは復帰初戦から46分プレイし、8アシストをマークするも、FG10本中1本の5得点とスコアリングで大苦戦していた。
ハーデンレベルの選手は、フロアにいるだけでディフェンスの注目を集められるので、どれだけ不調でもチームにとってはプラスになる。
一方で、17点リードから惜敗を喫したバックスは、ヤニス・アデトクンボが34得点/12リバウンド、クリス・ミドルトンが25得点、ドリュー・ホリデーが19得点/8アシストで奮闘した。
試合の大部分で支配的なパフォーマンスを見せていたアデトクンボ。だが終盤の勝負所ではプレッシャーもあったのか、ショットセレクションやディシジョンメイキングが崩れてしまう。
スリーやターンアラウンド・フェイダウェイなど不得意なシュートを何本か打たされ、第4Q残り90秒からは4本中2本のフリースローに失敗。さらに残り時間15秒での同点のチャンスでは、ミドルトンからのパスをゴール下で掴み損ない痛恨のターンオーバーを出してしまった。
試合後、TNTコメンテーターのチャールズ・バークレーは、アデトクンボのクラッチタイムでのターンオーバーについて、フリースローへの苦手意識からきたミスではないかと持論を展開。「彼(ヤニス)はファウルされると感じたから、プレイを急いでしまった。だからボールをファンブルしてしまったんだ」と分析した。
バックスの生き残りをかけたシリーズ第6戦は、現地17日にミルウォーキーで行われる。
ボックススコア:「NBA」