ヒートがドラマチックな逆転勝利!!OTでスパーズを破りシリーズは第7戦に突入
シリーズ3勝2敗のスパーズ王手で迎えたNBAファイナル第6戦。OTに渡る激闘の末、ヒートが103対100でスパーズを下し、決着を第7戦にまで持ち込んだ。
やっぱりバスケは最後まで何があるかわからない。第4Qの残り30秒、試合を見ていたほとんどの人がスパーズの優勝を確信していただろう。だがそこからフリースローを外したり、リバウンドが取れなかったりで、ヒートにつけ入る隙を与えてしまい、スパーズはタイトルを目前にして悔しい敗北を喫する結果となった。
前半はややヒートが優勢な流れだったが、第2Q残り4分からスパーズが11対0のランで一気に逆転。ヒートは6点ビハインドでハーフタイムを迎える。ティム・ダンカンは、前半だけで25得点をあげる大活躍を見せた。
▼ダンカン、前半の活躍
後半に入り、一時はヒートが1点差に追いつく場面もあったが、スパーズは積極的にインサイドへの攻撃を繰り返し、カウント・ワンスローのフィールドゴールを連発。第3Qの終わりには、スパーズのリードが10点にまで広がった。
第4Qのドラマ
そして迎えた第4Q。ここまで精彩を欠いていたレブロン・ジェームズがスイッチを切り替え、試合をテイクオーバーする。トレードマークのヘッドバンドを失いながらも、レブロンは攻守ともにスパーズを圧倒し、残り6分でついにヒートは逆転に成功した。
▼レブロンの第4Qテイクオーバー
そこからは一進一退の攻防が続き、ヒートの3点リードで迎えた残り1分30秒。トニー・パーカーが起死回生のスリーポイントを沈め、試合を同点に戻した。さらにパーカーは、スティール、ゴール下のジャンプシュートと好プレーを連発し、スパーズは残り58秒で再び逆転に成功する。
▼トニー・パーカー、残り1分27秒で同点のステップ・バック・スリー
一方のヒートは、絶対に外せないポゼッションで、レブロンがまさかの2連続ターンオーバー。ファウルゲームを余儀なくされ、残り28秒でスパーズのリードは5点に広がった。
いよいよ絶体絶命の窮地に立たされたヒート。しかしそこから、まずレブロンがスリーポイントを決め2点差に。そして残り5秒でレイ・アレンが同点のスリーを沈め、試合をオーバータイムに持ち込んだ。
▼レイ・アレンの同点スリーで試合はOTに突入
最後の30秒で、スパーズは2本のフリースローを外している。またディフェンス面でもリバウンドを確保できず、ヒートに2ポゼッション連続でセカンドチャンスを与えてしまい、それが追いつかれる原因となった。ヒートの外を警戒するため、ディフェンスでダンカンをベンチに下げたポポヴィッチ監督の戦略が、不運にもバックファイヤーする形となってしまったわけだ。
ボッシュ、渾身のブロックショット
延長戦は1ゴールを争う大接戦で展開。残り1分43秒にレブロンのレイアップで、ヒートが1点のリードを奪う。そこからヒートは、鉄壁のディフェンスでスパーズに得点を一切許さず、ファイナル史に残る大接戦を制した。
この試合でヒートは、レブロンが32得点、11アシスト、10リバウンドのトリプルダブルを記録。大一番の第4Q、オーバータイムだけで16得点、4アシストを叩きだし、キングの名に恥じないパフォーマンスをみせた。
他には、マリオ・チャルマーズが5本中4本のスリーを沈め、20得点をマーク。ドウェイン・ウェイドは14得点を獲得している。第4Q終了間際にヒートを救ったレイ・アレンは9得点だった。
第6戦の隠れたキーマンは、何と言ってもクリス・ボッシュだ。成績は10得点とアベレージだったが、第4Q残り8秒でレイ・アレンにつなぐオフェンス・リバウンドと、オーバータイムでの2ブロックショットで、チームの勝利に大貢献した。
▼ボッシュ、瀬戸際で大活躍
一方のスパーズは、とにかくマヌ・ジノビリが絶不調。第5戦と同様にスタメン起用されるも、わずか9得点にとどまった上に、痛恨の8ターンオーバーを出してしまった。ダンカンは、30得点、17リバウンドの大型ダブルダブルをマークするも、第4Qとオーバータイムは無得点に抑えられている。
終盤にキープレーをみせ、19得点を記録したトニー・パーカーも、フィールドゴール成功数は23本中6本といまいち。今シリーズ絶好調できていたダニー・グリーンは、わずか3得点だった。
残り28秒から5点差を失うという、らしくないメルトダウンを喫したこの日のスパーズ。次の試合では、ヒートのアウトサイドシュートとレブロンのアイソレーションに対するデイフェンスが課題となる。もちろんジノビリも調性が必要。
優勝をかけた第7戦は、20日にヒートの本拠地で行われる。
※ ※ ※
この日の試合、第4Q残り28秒で負けを確信し、スタジアムを後にするヒートファンが続出した。高い金を払ってNBAファイナル史に残る大逆転劇を見逃すとは、なんともったいない事か…。
Thumbnail:「NBA – YouTube」