ジミー・バトラーがトレードを要求
ポール・ジョージ、カイリー・アービング、カワイ・レナードに続いて、今度はジミー・バトラー。最近のNBAはトレードを要求するオールスター選手が多すぎない?
複数の現地スポーツメディアによると、ジミー・バトラーは現地19日、ロサンゼルスで行われたミネソタ・ティンバーウルブズとの会談で、チームと再契約する意思がないことを明確にした模様。さらに来週に開幕するトレーニングキャンプの前にトレード移籍することを希望したという。
ウルブズは昨年オフに、ザック・ラビーン、クリス・ダンの2選手と、2017ドラフト7位指名権(ラウリー・マルケネン)を放出し、シカゴ・ブルズからバトラー(+ジャスティン・パットン)を獲得。バトラーはシーズンで22.2得点、5.3得点、4.9アシストを平均し、オールNBAチームに選出される大活躍を見せ、ウルブズを14年ぶりのプレイオフ進出へと導いた。
多くのアセットと交換に獲得したリーグトップ15レベルのスターを、わずか1年で手放してしまうのは痛い。だがこのままだと、来夏FAで何の見返りもなしにバトラーを失うことが目に見えている。どれだけ足元を見られることになっても、ウルブズにトレード以外の選択肢はなさそうだ。
ただESPNのAdrian Wojnarowski記者によれば、トム・シボドーHCはバトラーとの話し合いで、トレードせずに一緒に優勝を目指したいという考えを明確にしたらしいので、決断はプレシーズン、あるいはレギュラーシーズンにまで持ち越されるかもしれない。
報道によると、バトラーが希望している移籍先は、第一志望がロサンゼルス・クリッパーズ、第二志望がニューヨーク・ニックス、第三志望がブルックリン・ネッツ。3チームともビッグマーケット(NYとLA)が本拠地で、来年のキャップスペースに余裕がある。特にクリッパーズとネッツは、来夏FAでバトラーともう1人のスター選手にマックスサラリーをオファーできる。
ウルブズの優先事項が戦力維持ならば、理想のトレード相手はバトラーも移籍先希望に挙げているクリッパーズだろう。クリッパーズには、トバイアス・ハリスやパトリック・ビバリー、ルー・ウィリアムズなど、バトラー離脱後のウルブズの弱点(守備とシューティング)を補強できそうな有力なベテラン選手がいる。
また、オールスター不在のクリッパーズにとっても、“ロブ・シティ”時代の活気を取り戻すための第一歩にするチャンスだ。恐らくドラフト1巡目指名権+主力選手の放出が必須となりそうだが、もし上手くいけば、来夏FAでカワイ・レナードを獲得してリーグトップクラスのウィングコンビを結成し、一気に優勝候補の一角へと返り咲くことも夢じゃない。
ただ候補に挙がっているどのチームにも言えることだが、FAで契約できる可能性が高い選手に対し、主力やドラフト指名権を放出すべきかどうか。ESPNのIan Begley記者によると、ニックスのスティーブ・ミルズGMは、現状のロスター育成を最優先する考えらしく、バトラー獲得のために有望な若手(ポルジンギス、ニリキナ)やドラフト1巡目指名権といった重要なピースを手放すつもりはなさそうだという。
レナードやアービングのケースと同じく、バトラーが最初に希望したチーム以外の場所に落ち着く可能性も十分にある。個人的には、ラプターズが動けば面白いことになりそうだが、LAでプレイすることを望んでいるとされている契約最終年のスター選手を2人も抱えるのは非常にリスクが高く、破滅への道に足を踏み入れることにもなりかねない。
参考記事:「ESPN」