DPOY3度受賞のドワイト・ハワード、「75周年記念チーム」から選出漏れ
NBAが現地10月21日、『75周年記念チーム』(NBA 75th Anniversary Team)のコンプリートリストを公開した。
『75周年記念チーム』とは、NBAの創設75周年を記念してリーグ史を代表する“偉大な選手75人”を決めようという企画。元/現役NBA選手やコーチ、GM、球団フロントオフィスの幹部、スポーツライターら88人の投票により選ばれる。
投票の結果、得票数でタイがあったため、合計で76選手が選出。現役選手からは、レブロン・ジェームズやステフィン・カリーら11選手が栄誉ある75周年記念チーム入りを果たした。
当然ながら、この「75周年記念チーム」は誰もが納得できるリストではない。特にドワイト・ハワードが選出漏れしたことに関して、メディアやファンだけでなく、プレイヤーたちの間でも物議を醸している。
▼NBAご意見番のリチャード・ジェファーソンも苦言
「誰がリストから外されるべきかを議論するつもりはない。ただドワイト・ハワードはずっと軽視されている。彼は選出されるべきだった」
2016年にヒューストン・ロケッツを退団して以降は、毎年チームを転々とするジャーニーマンと化しているドワイト・ハワード。2020年プレイオフにレイカーズの一員として念願の初優勝を果たしたが、決してチームの主役としてではなかった。
ただ全盛期のハワード(2007年~2013年あたり)は、疑う余地もなく当時のリーグ屈指のスーパースター。3年連続DPOY受賞や通算5度のリバウンド王、5度のオールディフェンシブ・チーム選出など、特にディフェンダーとしてNBA史を代表するような功績を残している。
2009年プレイオフでは、オーランド・マジックの絶対的エースとしてチームをファイナル進出に導き、その年のポストシーズン23試合で20.3得点、15.3得点、2.6ブロックという怪物スタッツを平均した。
なお現役選手で75周年記念チームに選ばれたのは以下の11人:
- レブロン・ジェームズ
- ステフィン・カリー
- ケビン・デュラント
- カーメロ・アンソニー
- カワイ・レナード
- ヤニス・アデトクンボ
- クリス・ポール
- ジェイムス・ハーデン
- ラッセル・ウェストブルック
- アンソニー・デイビス
- デイミアン・リラード
個人的に、アンソニー・デイビスとデイミアン・リラードが選出されて、ハワードが選出漏れした理由が分からない。例えば、同じビッグマンであるハワードとデイビスのキャリア成績を比較してみると:
D.ハワード | A.デイビス | |
---|---|---|
キャリア | 18シーズン | 10シーズン |
オールスター | 8回 | 8回 |
オールNBA | 8回 | 4回 |
オール・ディフェンス | 5回 | 4回 |
DPOY | 3回 | 0回 |
リバウンド王 | 5回 | 0回 |
ブロック王 | 2回 | 3回 |
通算得点 | 19118 | 13496 |
通算リバウンド | 14277 | 5780 |
通算ブロック | 2193 | 1325 |
優勝 | 1回 | 1回 |
個人成績だけを見ると、ハワードを押しのけてデイビス(やリラード)が選出された理由が本当に謎。ただ、元選手や現役選手たちが投票権を持っていたため、チーム内やオフコートでの素行を何度か問題視されてきたハワードには票が集まりにくかったのか?
そもそも「75周年記念チーム」の選考基準に少し問題があったように思う。
まず、25年前の1996年に発表された「NBA50周年記念チーム」の選手50人が誰一人外されることなく再選出。そこに当時に選出漏れしたレジー・ミラーやドミニク・ウィルキンスらが入ることで、リーグ史上で最も選手数/チーム数の多い2000年以降に活躍したスターたちの枠が狭くなってしまった。
75周年記念チームは、30~40年以上前の過去の選手たちが過大評価され過ぎている印象。またNBAから世界のバスケシーンに多大な影響を与えたという点で評価するなら、ディケンベ・ムトンボやパウ・ガソル、トニー・パーカー、マヌ・ジノビリらが選出されてもよかったと思う。
参考記事:「NBA」