NBAの試合時間短縮案にノビツキーとレブロンは「時間じゃなく試合数を減らしてほしい」
NBAは現地19日、プレシーズンのブルックリン・ネッツ対ボストン・セルティックス戦で試合時間を48分から44分に短縮した新たなゲームフォーマットをテストする。
各クォーターの長さは通常の12分から11分に変更。時間短縮に合わせてタイムアウトの数も減る。レギュラーシーズンで採用する長期的プランは立っておらず、現段階では1度きりのお試しといったところだ。
選手たちの負担を軽減するのが目的?時間短縮を検討する理由がいまいち明らかではないが、実際に膨大なプレータイムを積み重ねてきたスター選手からは「そこじゃないんだけど…」との声が上がっている。
キャブスのレブロン・ジェイムスは、「時間ではなく試合数が問題」と指摘した。
「出場時間は関係ない。必要ならば50分だってプレーできる。選手たちが思っているのは、試合数が多すぎるということなんだ。1シーズンで82試合は多い。時間じゃないんだ。時間を削っても、試合は少しも短くならないはずだよ」
「1度フロアに立てば、22分だろうが、40分だろうが関係ない。出場する時点で体への負担になる。だから時間じゃなくて試合数なんだよ」
– レブロン・ジェイムス
ちなみに過去11シーズンでのレブロンの通算出場時間は、どの選手よりもはるかに多いリーグダントツの1位。
▼2004~14年の通算出場時間(分)
※レギュラーシーズン+プレイオフ
試合数 | 出場時間 | 1試合あたり | 1シーズンあたり | |
レブロン・ジェイムス | 1,000 | 39,993 | 40.0 | 3,636 |
ジョー・ジョンソン | 898 | 34,500 | 38.4 | 3136 |
コービー・ブライアント | 872 | 33,799 | 38.8 | 3,073 |
ダーク・ノビツキー | 921 | 33,638 | 36.5 | 3,058 |
ポール・ピアース | 935 | 33,384 | 35.7 | 3,035 |
テイショーン・プリンス | 965 | 32,875 | 34.1 | 2,989 |
2位のジョー・ジョンソンとの差は5,493分。これは1.5シーズンぶんの出場時間に値する。これほどタフなスケジュールで、あのパフォーマンスと健康状態を維持してこれたというのは奇跡としか言いようがない。
もちろんレブロンは、試合数の削減が極めて難しいことを理解している。NBAはスポーツリーグである以上にビジネスだ。
「結局のところ、僕たちは大切なプライズ、つまり選手たちを守らなくてはならない。NBAをプロモートし続けるのが僕たちの仕事だ。でも試合数が多すぎるせいで選手たちが怪我をしてしまったら、高いレベルでの宣伝活動なんてできない」
– レブロン・ジェイムス
2003-04シーズンからの通算出場時間でリーグ4位を記録したマブスのダーク・ノビツキーもレブロンと同じ意見だ。
「各カンファレンスのトップ8チームを決めるのに82試合も必要ないと思う。もっと手短にやれることだ。でも利益が大事だということはよく理解している。試合数が少なくなればなるほど、両者の儲けも少なくなるからね。リーグにとっても、オーナーたちにとっても、そして選手たちにとっても。それはすべて理解している。だからしばらくは変わらないだろうと思う」
60試合くらいがベストだと提案するノビツキー。現在のスケジュールで1番の問題はバック・トゥ・バック(2夜連続)の試合だと語る。
「正直言って、20歳の頃でさえバック・トゥ・バックは好きじゃなかった。選手たちに2夜連続で最高水準のパフォーマンスを求めるべきじゃないよ。その間に飛行機での移動もあるしね。でも僕たちはそれをこなさなくてはならない。このリーグには世界のベスト・アスリートたちが揃っている。でもバック・トゥ・バックは、プロダクトである選手たちにダメージを与えていると思うんだ」
– ダーク・ノビツキー
その一方で、タイムアウトの数を減らすのは歓迎だとしている。
「バスケットボールほど試合の最後で時計が止まるスポーツはないよ。僕ならその部分を検討するかな。両チームとも(試合終盤は)こんな感じさ:『またタイムアウト取るの?勘弁してくれよ』。ちょっと多すぎるよね。だけどそこ以外は今のフォーマットで問題ないと思う」
※ ※ ※
いちNBAファンとしては、今さら試合時間を短縮するくらいなら、試合数を減らしてほしい。シーズンが短くなるのは少し寂しいが、選手たちの疲労による怪我が減るのなら大歓迎だ。1試合の重要性が増すことで、さらに質の高い競争がみられるようになるかもしれない。
Thumbnail by Keith Allison/Flickr
ソース:「ESPN」