ニックスとピストンズ、デリック・ローズのトレードで合意
デリック・ローズがNYCに帰ってくる。
ESPNによると、NBAでは現地7日、ニューヨーク・ニックスとデトロイト・ピストンズがトレードに合意。ニックスはデニス・スミスJr.と2021年ドラフト2巡目指名権(ホーネッツ)を放出し、ピストンズからローズを獲得するという。
2011年に史上最年少の22歳でMVPを受賞し、2010年代NBAの顔役の一人になるだろうと誰もが信じて疑わなかった当時のデリック・ローズ。
だが、イースト1位シードで臨んだ2012プレイオフ初戦で前十字靱帯断裂の重傷を負うと、復帰後も半月板損傷など膝の怪我に悩まされ続け、将来のバスケットボール殿堂入りが確実視されていたキャリアに大ブレーキがかかってしまう。
ローズは、2016年オフシーズンにトレードでシカゴ・ブルズからニックスへと移籍し、その後もチームを転々。
ついに全盛期のプレイを取り戻せないままだったが、それでも地道に怪我と戦いながら挑戦を続け、ミネソタ・ティンバーウルブズに所属した2018-19シーズンにロールプレイヤーとして再ブレイク。同シーズンにキャリアハイの50得点を記録した他、2019年シックスマン賞の投票では6位になった。
▼ローズの50得点
今季のローズは、15試合のベンチ出場から14.2得点、4.2アシストを平均。現在ニックスは11勝14敗でイースト8位だ。
ニックス的には、重要な選手やアセットを手放すことなく即戦力のローズを獲得できたわけだが、ただそれで新人PGのイマニュエル・クイックリーのプレイタイムが減ってしまうことになると本末転倒になる。
なお現ニックスHCのトム・シボドーは、ローズにとってブルズ/ウルブズ時代の恩師。シボドーHCがどのようにローズを起用するのか注目したい。
デニス・スミスJr.
今回のトレードで動いたローズとデニス・スミスJr.は、どちらも今季で契約満期。今季イースト最下位のピストンズとして、再契約するつもりのないベテラン選手の見返りに2巡目指名権をゲットできたのは、ある意味成功だったのかもしれない。
ただローズほどのベンチプレイヤーなら、他のプレイオフチーム、特にPGポジションが手薄なロサンゼルス・クリッパーズあたりから、もっと魅力的なオファーを引き出せたのではとも思う。
ピストンズが獲得したデニス・スミスJr.は、2017年ドラフト9位指名でマブスにダラス・マーベリックスに入団。スピードやジャンプ力など身体能力が極めて高く、将来を有望視されていた若手ガードだ。
マブス在籍時は先発PGを務めていたスミスJr.だが、クリスタプス・ポルジンギスのトレードでニックスに移籍してからは、大幅にプレイタイムが減少。大きな怪我などはなかったものの、2019-20シーズンは34試合しかフロアに立てず、今季はわずか3試合の出場にとどまっている。
スミスJr.は先週、プレイできる機会を求めて、自らGリーグへの降格を希望。向上心は満々だが、新天地のデトロイトでローテーションに食い込めるかはわからない。
参考記事:「ESPN」