DPOYのゴベア、ウルブズからの批判を一蹴「僕は誰かを批判したことがないのに可笑しな話」
現地12月9日のNBAでは、ウルブズ2年目ガードのアンソニー・エドワーズが発した“ゴベア批判”のコメントが話題となっていた。
前日に行われたミネソタ・ティンバーウルブズ対ユタ・ジャズ戦の試合後、エドワーズは記者会見でジャズ守備について言及。リーグ最高のリムプロテクターはマブスのクリスタプス・ポルジンギスだとしつつ、昨季DPOYのルディ・ゴベアに関して「彼は何も怖くない」と批判した。
「ポルジンギスが相手だといつもレイアップに苦戦する。ただルディ・ゴベア相手にフィニッシュできなかった理由が見当もつかないよ。彼は(リムプロテクターとして)少しも怖くないからね。理解できない」
– アンソニー・エドワーズ
前日の試合は、ジャズがウルブズのペイントエリア得点を36点に抑え136-104の32点差で圧勝。ゴベアのゴール下での存在感も影響したのか、エドワーズがリム周辺でショットを決めたのは第1Q序盤のワンマンブレイクでのダンク1本のみだった。
大敗したチームの選手が、試合後に対戦相手の実力を過小評価するようなコメントを残すのは少し滑稽かもしれない。ただエドワーズは、以前から思ったことを躊躇なく口に出す選手。ゴベアよりもポルジンギスの方が優れたリムプロテクターだと本心で考えている可能性もある。
なお前日のジャズ対ウルブズ戦では、前半終盤に3つ目のファウルでベンチに下がったゴベアが水をフロアに零し、エドワーズのスリーが取り消されるというハプニングがあった。エドワーズがこのことを根に持っていた可能性も?
ベバリーもゴベア批判
前日のウルブズからは、エドワーズに続いてパトリック・べバリーがゴベアとジャズの守備戦略を批判。カール・アンソニー・タウンズではなくジャレッド・バンダービルトのガードに回ったゴベアに対し、「DPOYなら常に相手のベストプレイヤーをガードすべき」と、エドワーズとは違う角度から切り込んだ。
「もし僕がDPOYなら、いかなる場合でも相手のベストプレイヤーをガードするだろう。ロイス・オニールをはじめとしたジャズの選手たちを過小評価したいわけじゃない。でも、もし僕がDPOYだったならロイス・オニールには付かない。マイク・コンリーやドノバン・ミッチェル、ボヤン・ボグダノビッチにマッチアップする。なのに今日のルディ・ゴベアはバンダービルトをガードしていた。でも聞こえてくるのは『彼こそDPOY』という声ばかり」
– パトリック・べバリー
ベバリーのコメントで一番ダメージを受けたのは、恐らくチームメイトのジャレッド・バンダービルトだろう。
そもそも今回のベバリーのゴベア批判は少し的外れ。この試合でゴベアがタウンズではなくバンダービルト(もしくはジョシュ・オコーギー)の守備を主に担当したのは確かだが、それはクイン・シュナイダーHCの卓越したディフェンス戦略だ。
アウトサイドショットの脅威がゼロなバンダービルトとマッチアップさせることで、ジャズは常にゴベアがリム周辺のヘルプに入れる布陣を展開。そうするとサイズに劣るボグダノビッチやゲイらがタウンズに付くことになるわけだが、ポストでタウンズにボールが渡った際には瞬時にゴベアがダブルチームを仕掛けて、ミスマッチを潰した。
ストレッチ4のいないウルブズに対し、タウンズに4番(パワーフォワード)をマッチアップさせ、リムプロテクターの5番をフリーにしてペイントエリアを固める守備スキームは、ジャズ以外のチームも使っている戦略。今季ウルブズはハーフコートオフェンスの得点効率でリーグ28位と低迷している。
ベバリーが批判すべきはジャズの守備戦略ではなく、ミスマッチを圧倒できないタウンズ、そしてタウンズがダブルチームを引き付けてもそのアドバンテージを活かしきれていないウルブズオフェンスだろう。
ゴベアはプレイで反論
その翌日に行われたジャズ対76ers戦、バック・トゥ・バック2日目のロードゲームというハードスケジュールながら、ゴベアはリーグ屈指のセンターであるジョエル・エンビード相手に大活躍。29分の出場で17得点/21リバウンドをマークし、ジャズを118-96での圧勝に導いた。
▼ジャズは6連勝
ゴベアは試合後、前日のウルブズからの批判コメントについて言及。「批判で奮い立ったか」という質問に対し、「僕はいつでもモチベーションを保っている」と一蹴した。
「僕はいつでもやる気だよ。なぜだか分からないが、みんな僕を批判しようとする。僕自身は誰かを批判したことがないのに可笑しな話だ。僕はただ自分の仕事をしようとしているだけ。何事かを極めた人間に対し、彼らは不安を感じているのかもしれない。僕としてはチームのため、勝利のために戦い続けるだけだ」
これでジャズは6連勝をあげ、今季ウェスト3位の18勝6敗。平均得失点差では、ウォリアーズに次ぐリーグ2位の+10.6点を記録している。
ボックススコア:「NBA」