バックスがキッドHCを解雇
ミルウォーキー・バックスが現地22日、ヘッドコーチのジェイソン・キッドを解任したことを発表した。
「キッドの首が危ない」というのは、以前からメディアやファンの間でささやかれていた。今季中は在任するとの見方も多かったが、バックスはイースト8位に転落したことを受けて、解雇に踏み切った模様。バックスによれば、ひとまずはアシスタントコーチのジョー・プランティがチームの指揮を務める。
2014年にバックスのヘッドコーチに就任したキッドは、3シーズン半で139勝152敗を記録。ヤニス・アデトクンボの躍進やエリック・ブレッドソーの獲得で大きな期待を寄せられていた今季のバックスだが、シーズン半分を終えた時点で24勝22敗の勝率5割付近と、いまいち結果を残せていない。プレイヤーのローテーションや正念場での奇抜なプレイコール、ウィークサイドのカバーを犠牲にしながらボールプレッシャーに全力を注ぐ極端なディフェンス戦略など、キッドHCの指揮には多くのバックスファンから批判の声が上がっていた。
ESPNのAdrian Wojnarowski記者によると、キッドは球団ともあまり上手くいっていなかったらしく、両者の間は「ほころびた関係だった」としている。
▼ボールプレッシャーとペイントエリア潰しを最優先するアグレッシブなバックスD。良い時はブロックやターンオーバーを稼ぎまくるが、悪い時はオープンスリーやレイアップを与えてしまう場合が多い
なお今回のニュースは、バックスがキッド本人に伝える前にリークしたらしく、ESPNによると、キッドは自身の解任をメディアを通して初めて知ったとのこと。フランチャイズスターのアデトクンボも相当ショックだったようで、報道後すぐにキッドに電話をかけ、「こんなのは正しくない。僕に何かできないだろうか?オーナーやエージェントに連絡してみようか」とキッドの留任を強く願っていたという。それに対してキッドは、「君にできることは何もない。君にできるのは真実を語ることだけだ」「いつかこうなると思っていた」と答えたそうだ。
ちなみに今年の1月22日は、NBAがミルウォーキーにフランチャイズ設立を認めた日からちょうど50周年。バックスの誕生日ということで、キッド解任を発表するチームの公式Twitterページでは、不謹慎にもカラフルな風船が飛び交っていた(Twitterの誕生日機能)。
参考記事:「NBA」