キャブスがトレードで戦力補強、ルビオとドラフト指名権放出でペイサーズのレバート獲得
NBAでは現地2月5日、クリーブランド・キャバリアーズとインディアナ・ペイサーズの間でトレードが成立。キャブスは戦線離脱中のリッキー・ルビオとドラフト指名権2つを放出し、ペイサーズからガードのキャリス・レバートを獲得する。
トレードの詳細は以下の通り:
- キャブス獲得:キャリス・レバート、2022年ドラフト2巡目指名権(ヒート経由)
- ペイサーズ獲得:リッキー・ルビオ、2022年ドラフト1巡目指名権(保護付き)、2022年ドラフト2巡目指名権(ロケッツ経由)、2027年ドラフト2巡目指名権(ジャズ経由)
キャブスは今回のトレードにより、コリン・セクストンやリッキー・ルビオの負傷離脱で手薄となっていたガードデプスを強化することに成功。そのために費やしたアセットは最小限で、ペイサーズに譲渡した自軍の2022年ドラフト1巡目指名権はロッタリー保護(上位14位)付きだ。
レバートは今季39試合で18.7得点、3.8リバウンド、4.4アシストを平均。3ポイントショットとプレイメイクが安定しない部分はあるものの、オンボールでの得点力の高いコンボガードで、さらに守備面で相手のフォワードにスイッチできるサイズもある。
2月4日のブルズ戦では、シーズンハイ42得点をあげる大活躍を見せたばかりだった。
なお今回のトレードが最初に伝えられたのは、同日に行われたキャブス対ペイサーズ戦のティップオフ約90分前。その頃には、すでにレバートはペイサーズの一員としてキャブスのアリーナ入りしていたが、試合を欠場することとなった。
試合は、キャブスが第3Q終盤の10点ビハインドから逆転勝利。特にケビン・ラブ、セディ・オスマン、ラジョン・ロンドを中心としたセカンドユニットが第4Q開始から19-0のランを展開して一気にゲームをひっくり返した。
今季キャブスは現地2月6日の時点で33勝21敗のイースト4位。まだオールスターブレイク前ながら、すでに昨季の勝ち星(22勝50敗)を大幅に上回っており、平均得失点差ではイースト首位の+4.4を記録している。
7フッターの3選手を先発起用する“ビッグ・ラインアップ”を、ダリアス・ガーランド(オールスター初選出!)が指揮する形で大躍進を遂げたキャブス。今季NBAのサプライズチームの一つであり、レブロン・ジェームズ退団から4年目でようやくチームの新たな“アイデンティティ”を確立させた。
レバートは現在27歳で、キャブスコアとの年齢も近く、契約も来季いっぱいまで続く。センターのジャレット・アレンとはネッツ時代のチームメイトであり、2人のオンコートでの相性は抜群だった。
再建への第一歩
一方で、低迷中のペイサーズは再建に向けて舵を切った。
レバートの放出で、ロッタリー保護付きながらキャブスの今夏ドラフト1巡目指名権を獲得。さらに保持していたヒート経由の2巡目指名権をロケッツ経由にスワップすることで、2022年ドラフト2巡目での指名順位を大きく上げた。今夏キャブスの1巡目は全体20位~25位、ロケッツ経由の2巡目は全体31位~34位あたりに落ち着くだろう。
なおペイサーズが獲得したルビオは、左ひざの前十字靭帯断裂によりすでに残りシーズン全休が確定。しかも契約が今季いっぱいで終了なので、来季以降にチームのキャップスペースを圧迫することもない。
今回のトレードは、両チームにとってウィンウィンだと思う。キャブスは最小限のアセット放出でシーズン終盤戦もしくはプレイオフに向けた戦力補強に成功し、ペイサーズはレバートと決別することでドラフトアセットとキャップスペースの柔軟性を手に入れた。
現地メディアによれば、ペイサーズはここからさらに再建を加速させる見込み。ドマンタス・サボニスやマイルズ・ターナーといった有力選手が今季トレードデッドラインまでに動かされるのかどうかに注目だ。
参考記事:「NBA」