ダービス・バータンスはスパーズ残留
トニー・パーカーとカイル・アンダーソンの移籍が続けて決まり意気消沈していたところへ、嬉しいニュースが出てきた。
『Yahoo Sports』のShams Charania記者によると、サンアントニオ・スパーズは現地10日、制限付きFAとなっていたフォワードのダービス・バータンスと2年/1450万ドルの再契約で合意。オプションの有無や2年目の保証サラリー金額といった契約の詳細は、今のところ明らかになっていない。バータンスのエージェントによると、他のチームからもう少し高額のオファーを貰っていたらしいが、バータンスはスパーズが最も適した場所だと考えたそうだ。
昨季がNBA2年目だったバータンスは、77試合の出場で5.9得点、2.0リバウンド、スリー成功率37.3%を平均。1年目と同じく出場時間があまり安定しなかったものの、カイル・アンダーソンやルディ・ゲイの負傷離脱が続いたシーズン中盤にプレイタイムを稼ぎ、1月8日のキングス戦ではキャリアハイの28得点をマークする活躍を見せた。
昨季のバータンスは、全体的にスタッツがやや伸びているものの、期待されていたような(個人的に期待していた)成長を遂げることができなかった印象。オフェンスでの役割は基本的にスポットアップがほとんどで(ショットクロック序盤にスクリーンをセット→ペリメーターをうろうろしてから定位置で待機)、208cmという長身の割にリバウンド力も高くない。
ただ、「ラトビアのレーザー砲」などと呼ばれるだけあって、シューターとしては非常に優秀。スリー成功率は約40%をマークしたルーキーシーズンよりも落ちてしまったが、ドリブル・プルアップのスリーが苦手なだけで、キャッチ&シュートでは成功率40%以上を記録している。
バータンスはボールを持たずともフロアにいるだけでプラスになれる選手だが、使い方がそれだけでは勿体ない。ショットのリリースが早く打点も高ので、「フロッピー」(両ブロックにセットされたスクリーンを使ってシューターがゴール下から外に飛び出す)などオフ・スクリーンからキャッチ&シュートを打たせる機会をもっと与えれば、もっと能力を発揮できるタイプだと思う。
昨季までは、ポポビッチHCがあまり信頼を置いていなかったためもあるのか、バータンスをオフ・スクリーンのシューターとして使うポゼッションがほとんどなかった印象。年俸725万ドルというそれなりの契約を手にした来季以降は、バータンスの長所を活かすようなプレイコールが増えることに期待したい。
契約の詳細がわからないため、バータンスの2年/1450万ドルが妥当なのか割高なのかは何とも言えないが、今のスパーズにとってスリーポイントシューターは貴重な存在だ。過去に2度の膝前十字靱帯損傷を経験しているバータンスだが、身体能力はそこそこあって、ペリメーターでのスイッチディフェンスもある程度ならこなせる。
▼時にはアスレチックなプレイでファンを驚かせる
なおYahoo Sportsによれば、スパーズは同じく制限付きFAだったブライン・フォーブスとも同日に契約合意している。
参考記事:「Yahoo Sports」