デマー・デローザンが芸術的な360レイアップを披露
NBAの実戦でこれを決めてしまうのか!?というハイライトプレイ。
現地11月15日にステイプルズ・センターで行われたサンアントニオ・スパーズ対ロサンゼルス・クリッパーズ戦でのこと。スパーズ新エースのデマー・デローザンが、絶妙なボディバランスを駆使して速攻から360度のスピンレイアップを決め、TNT実況解説者のマーヴ・アルバートを唸らせた。
クリッパーズ戦でのデローザンは、34得点、6リバウンド、5アシスト、3スティールで大活躍。この日のスパーズは他にも、ルディ・ゲイが19得点、ブリン・フォーブスが17得点で奮闘したが、ラマーカス・オルドリッジがFG15本中3本成功の10得点とスコアリングで精彩を欠き(得点面以外はすごく良かったが…)、111-116でクリッパーズに敗北した。
シーズン開幕6勝2敗の好スタートを切ったスパーズだったが、その後の6試合中5試合を落としており、現地17日の時点で勝率5割(7勝7敗)のウェスト10位タイに転落。ゲイとパウ・ガソルの負傷欠場やロードゲームが続いたことが低迷の主な原因だと思うが、ここ6試合では特にオルドリッジが12.8得点、FG成功率34%と苦戦している。
スパーズのスケジュールは11月の終わりにかけてもっと厳しくなり、今月残り8試合中6試合がウォリアーズやロケッツを含む昨季プレイオフチームとの対決。しかも5試合がアウェイ戦だ。
まだシーズン5分の1を終えたばかりなので、もう少し余裕をもって見守るべきなのはわかっているが、今のスパーズが何者なのか、そしてどんなチームを目指しているのかさっぱりわからない。カワイ・レナードやマヌ・ジノビリ、トニー・パーカー、ダニー・グリーンらチームのコアを担ってきた選手たちを一斉に失ったことが、想像以上に大きく響いている。
今季スパーズは、オフェンスでリーグ14位、ディフェンスでリーグ17位の数字を記録中。ファウルやターンオーバーなどミスを最小限に抑えながら、ミドルレンジショットを打ちまくり、ポストアップ主体でスローテンポな試合に持ち込むスタイルは昨季までと同じだが、長年のアイデンティティの一つだった守備力が大きく失われた。スパーズがディフェンシブレーティング(100ポゼッション当たりの失点)でリーグトップ5から外れるのは、2011-12シーズン以来初となる。
またオフェンス面では、これまで以上に2pのジャンプショットが増加。「Cleaning the Glass」のデータによると、フィールドゴールアテンプトの約半分(47.4%)がミドルレンジからで、反対にリムでのショットアテンプト数がリーグ最下位、3Pアテンプト数がリーグ28位と、ペース&スペースを重視するモダンバスケから全力で逆行するかのようなショットセレクションだ。
ボックススコア:「NBA」