ユタ・ジャズが今季一番乗りで20勝到達、球団史上最高のスタート
ユタ・ジャズは現地9日、本拠地ビビント・アリーナで行われたボストン・セルティックスとの試合に122-108で勝利。連勝を5に伸ばし、シーズン成績をリーグ単独首位の20勝5敗とした。
この日のジャズでは、ドノバン・ミッチェルが36得点、9アシストでチームを牽引。第4Q残り1分30秒には、キレキレのクロスオーバーからステップバック・スリーを沈めて、チームの勝利をほぼ確実なものとした。
▼アンクルブレイク
ジャズは1点リードで試合を折り返すと、第3Qを42-32でアウトスコアして主導権を掌握。第4Q終盤でセルティックスに4点差にまで迫られる場面もあったが、勝負所でミッチェルがスリーやアシストからクラッチプレイを連発し、最後まで逃げ切った。
ミッチェルの他には、ジョー・イングルスがシーズンハイ24得点、ルディ・ゴベアが18得点/12リバウンドのダブルダブルを記録。ボヤン・ボグダノビッチが16得点、ジョーダン・クラークソンがベンチから13得点/7アシストで勝利に大貢献している。
敗れたセルティックスは、1週間ぶりに復帰したジェイレン・ブラウンが、チームハイ33得点で奮闘した。
90年代以降のジャズで最強?
開幕4勝4敗でシーズンをスタートした今季のユタ・ジャズだが、そこから怒涛の快進撃を展開し、直近17試合中16試合に勝利。シーズン約1/3の25試合を終えた時点で、20勝5敗のリーグ首位となっている。
開幕20勝5敗は、ストックトン&マローン全盛期の1996-97と並んで、歴代ジャズで最高のシーズンスタート。1996-97シーズンのジャズは、カール・マローンがMVPに輝き、球団史上初のファイナル進出を果たしたブレイクイヤーだ。
マーロンとジョン・ストックトンのスーパースターコンビを絶対的な軸としていた1996-97とは違い、2020-21のジャズはとにかくバランスが良い。
チーム合計で6選手が二桁得点を平均しており、アシスト数もマイク・コンリーが5.6本、ミッチェルが5.1本、イングルスが4.6本と、いい具合にボールハンドラーがばらけている。
今季ジャズはオフェンスでリーグ4位、ディフェンスで3位の数字を記録中(100ポゼッションあたりの得点/失点)。1試合平均のスリー成功数とリバウンド数ではリーグ首位で、特にスリー成功数(平均17.0本)では、王朝ウォリアーズやハーデン&ポールのロケッツを上回るペースだ。今のジャズには3P成功率40%を超えている選手が5人もいる。
▼2月4日のホーネッツ戦で球団新記録26本
リーグTop10クラスのスーパースターはいないが、オールラウンダーとスペシャリストが豊富で、ベンチ層も厚い。今年のジャズは、どこか2014-2015シーズンのアトランタ・ホークスを彷彿させる。
2014-2015ホークスはチームのバランスやケミストリーが素晴らしく、MVP級の選手が不在ながらも、イースト首位の60勝を達成。アル・ホーフォード、ポール・ミルサップ、ジェフ・ティーグ、カイル・コーバーの4人がオールスターに選出された。
ただプレイオフでは、イースト決勝でレブロン・ジェームズという圧倒的なスターパワーを前に、0勝4敗のスウィープ負けを喫している。
今年のジャズは、2014-2015ホークスを上位互換したような印象。当時のホークスには、ミッチェルのようなスコアラーや、ゴベアのようなディフェンダーはいなかった。
今季ジャズが、プレイオフでレイカーズやクリッパーズなどスーパースターデュオのチーム相手にどこまで戦えるのか楽しみだ。
ボックススコア:「NBA」