ジミー・バトラー、ウルブズへトレード移籍
2017年NBAドラフトが行われた現地22日、シカゴ・ブルズとミネソタ・ティンバーウルブズの間で大型のトレードが成立。オールスターのジミー・バトラーがついにシカゴを離れ、ミネソタに移籍することが決まった。
- ウルブズ:ジミー・バトラー、2017ドラフト16位指名権
- ブルズ:ザック・ラビーン、クリス・ダン、2017ドラフト7位指名権
今回のトレードは、ブルズにとってかなり微妙な印象だ。全体30位指名から地道な努力でリーグ屈指のツーウェイ・プレイヤーへと大躍進を遂げた生え抜きのフランチャイズスターを手放し、代わりにACL断裂でリハビリ中のラビーン、ルーキーシーズンのパフォーマンスがやや期待外れだったダン、そしてドラフト7位指名権をゲット。それだけでなく、ブルズは自身のドラフト1巡目指名権までも献上してしまった(2017年の全体16位指名)。もしバトラーの契約が最終年だったならばお得な取引かもしれないが、バトラーの契約は年棒2000万ドル以下というリーズナブルなサラリーで2020年まで残っている(2019-20はプレイヤーオプション)。
▼昨季のバトラーはキャリアベストの23.9得点
バトラー放出の話はこれまでに何度もあり、ついにブルズが本格的な再建に乗り出したというのはわかるが、もう少しタレントに見合ったトレードはなかったのか?特に、もっと魅力的なパッケージをオファーできたであろうボストン・セルティックスが動かなかったのは驚きだ。
バトラーほどの選手を放出して、再建の中心になれるピース(ドラフト上位3位指名権やスター候補の若手)を獲得できなかったのは痛い。ラビーンとダンは、フレッド・ホイバーグHCが目指すアップテンポなモーションオフェンスに上手くフィットできそうなタイプで、将来的にオールスター級の選手に化ける可能性もゼロではないが…。とりあえずラビーンについては、ACL断裂から完全復帰することを祈るばかりだ。
一方のウルブズは、攻守でトップクラスのバトラーを獲得したことで、大幅な戦力アップに成功。カール・アンソニー・タウンズもさらなる成長が期待されており、バトラーとタウンズのピック&ロールは強力な武器になるはずだ。さらにアンドリュー・ウィギンスが3番手と、安定して20得点を取れる選手が3人もいる。
バトラーとウィギンスは2人ともアイソレーションやポストアップが多く、アウトサイドショットがそれほど得意ではないため、上手く噛み合うかどうかという問題はあるが、もともとバトラーはカットからの得点などオフボールにも強い選手なので、上手くプレイスタイルを調整してくるはず。また守備が弱点だったウルブズにとって、トム・シボドーHCのシステムを知り尽くしているバトラーの存在は心強い。
シボドーHCは2年前のSI誌のインタビューで、バトラーについて、「子犬の頃に牙をむかない犬は、ずっとそのまま。ジミーは初めから牙をむいていた」とコメント。昨季は前半の二桁リードを後半にひっくり返されて敗北するというパターンが多かったウルブズだが、バトラーのタフネスが加わることで、そんな失態もずいぶんと減るはずだ。
参考記事:「NBA」