スパーズ、ダンカンの永久欠番式を勝利で飾る
サンアントニオ・スパーズが現地18日、本拠地AT&Tセンターでニューオリンズ・ペリカンズを113-100で破り、記念すべきティム・ダンカンの永久欠番セレモニーの日を快勝で飾った。
この日の試合では、スパーズの選手全員がダンカンソックスを着用:
試合は、スパーズが2点ビハインドで迎えた第2Q残り6分から、19-5のランで前半をクローズして主導権を掌握。チーム合計で31アシスト、6選手が二桁得点をあげるバランスの取れたチームプレーで今季22勝目を獲得した。
スパーズは、ラマーカス・オルドリッジがチームハイの22得点、マヌ・ジノビリが17分半の出場で17得点をマーク。ペリカンズ(9勝20敗)は、アレクシス・アジンサが16得点、ルーキーのバディ・ヒールドが14得点を記録している。
▼インバウンズプレーから見事なエクスキューション
試合後に執り行われた永久欠番セレモニーには、チームメイトやスタッフだけでなく、デビッド・ロビンソンやブルース・ボウエン、ダンカンの大学時代のコーチだったデイブ・オドムHCも参加。
▼ダンカンは家族と共に登場
長年の苦楽を共にしたトニー・パーカー、マヌ・ジノビリ、そしてグレッグ・ポポビッチHCらが順番にダンカンへの感謝を伝えた。
「ティミーがどれだけ特別なのかを言葉にするのは、簡単でもあり難しくもある。第一に彼はスーパースターだ。まずロールプレーヤーがいて、スター、オールスター、スーパースター、それからスーパースター++、ここには大きな違いがある。ティミーはスーパースター++、唯一のスーパースター++だ。彼はとてもアンセルフィッシュで、周りの選手たちをより引き立たせることができる。それこそがスーパースターの真の定義だ」
– トニー・パーカー
「僕はいつまでも君のことを最高のお手本にしていくつもりだ。ファッションセンス以外はね」
– トニー・パーカー
続いてジノビリは、「何度も何度も頭をポンポンと叩かれた。そのせいで僕の頭はご覧の通りさ」と軽いジョークを交えながら、チームメイトとしてのダンカンについて語った。
「彼は素晴らしいチームメイトだった。だけど皆さんにはそれが分かりにくかったかもしれない。なぜなら彼のやり方は普通と違ったからだ。彼は胸を叩いてセレブレーションしたり、メディアを通してアピールしたりしなかった。だけどその代わりに、彼は静かに、ホテルの部屋やロッカールームで素晴らしいチームメイトでいてくれた」
2006年プレーオフ第1ラウンドの第3戦、ジノビリは残り時間5秒の正念場で痛恨のターンオーバーを出してしまい、そのせいでスパーズは逆転負けを喫した。「消えてしまいたかった」、そう落ち込んでいたジノビリが試合後にホテルの部屋に閉じこもっていると、ダンカンから何度も返事があるまで電話がかかってきたという。
「ティムは夕食に誘ってくれて、僕たちは何時間もいろいろな話をした。コンピューターのことや車のこと、テレビ番組のこと…。それで僕の気持ちは切り替わった。最悪な夜になるはずが、ずっと素晴らしい夜になったよ。こういったティムのジェスチャーは、彼のチームメイトなら誰でも体験したことだと思う」
「教訓をありがとう。君にそんなつもりはなかったかもしれないが、僕はそこから学んだ。そして友情をありがとう。Love you, man」
– マヌ・ジノビリ
ダンカンと最も付き合いの長いグレッグ・ポポビッチHCは、遠征の際にダンカンのホテルの部屋まで毎回ケーキを届けたことなど思い出話を語り、最後はすでに他界したダンカンの両親に向けたメッセージで締めくくった。
「ティム・ダンカンという人間について私が言える最も重要なことはこうです。すでに亡くなった彼のご両親に誠意をもって伝えたい。今でもティムは、最初にここにやって来た日から何一つ変わらないあの頃のままの彼だ」
ポポビッチHCは、亡くなる前のダンカンの父親から、「息子がずっと変わらぬ人間であり続けられるよう見守ってほしい」と頼まれていたそうだ。ダンカンとポポビッチHCの間には、コーチと選手を超えた強い絆がある。
「コーチ・ポップ、コーチ以上の存在でいてくれてありがとう。僕にとっては父親のような存在でした。ありがとう」
– ティム・ダンカン
「ありがとう、サンアントニオ。ありがとう」、セレモニーの最後にマイクを取った主役のダンカンは、会場のチームメイトや球団スタッフ、ファンたちに感謝の気持ちを伝えた。
ボックススコア:「NBA」