サンズがM.ゴータットを放出、ウィザーズからE.オカフォーとドラフト指名権を獲得
2013-14年シーズン開幕を目前に控えた10月25日、フェニックス・サンズとワシントン・ウィザーズの間で、両チームのセンターをスワップするトレードが成立した。
サンズはマーチン・ゴータットを含む4選手を放出。引き換えに、ウィザーズからエメカ・オカフォーと2014年ドラフト1巡目指名権(トップ12プロテクト)を手に入れた。ウィザーズはトレードで獲得した選手から、ゴータット以外のガード3人(ケンドール・マーシャル、シャノン・ブラウン、マルコム・リー)をウェイブするつもりだと発表している。
ウィザーズのアーニー・グランフェルド社長は、「ゴータットのリバウンド力・ディフェンス力・得点力は、プレーオフに出場するという我々のゴールに向けて、さらにチームを推し進めてくれるだろう」という声明を出し、新たなメンバーの加入を歓迎した。
ゴータット本人も、ツイッターから今回のトレードについての想いを発信:
https://twitter.com/MGortat/statuses/393865514734202880
「サンズの経営陣に対して遺恨の念は全くない、ということを言っておきたい。ライアン・マクドナーは素晴らしいGMだ。サンズを正しい方向に導いている」
https://twitter.com/MGortat/statuses/393866738804072448
「こうなることはわかっていた。だからシーズン中じゃなく今でよかった。だけどフェニックスのような素晴らしい街を後にするのはやはり気が重い」
両チームの思惑は明らかだ。
ウィザーズが欲しかったのは即戦力。今季のウィザーズは、6年ぶりのプレーオフ進出を狙っている。昨季は怪我に悩まされたジョン・ウォールとブラッドリー・ビールのバックコートコンビだが、今年はフルな活躍が期待できそうだ。それだけでもウィザーズの先行きは明るい。
そこに故障中だったオカフォーの代わりにゴータットを加えたことで、チームの弱点だったフロントコート陣がずいぶんと頼もしくなった。ゴータットはここ2シーズンで13.4得点、9.3リバウンド、1.6ブロックを平均している。
一方のサンズは、即戦力の追加などさらさら念頭にない。すべては数年先を見据えたチームの土台作りだ。今回のトレードは、オカフォーよりもドラフト指名権(トップ12プロテクト*)を獲得できたことが大きい。[show_hide title=”「プロテクト指名権」(クリックで開く)”]NBAドラフトでは、プレイオフに進出できなかった14チームが、上位3位までの指名権を決めるロッタリー(抽選)に参加できる。このとき勝率が低かったチームほど、抽選で1位指名権を獲得する確率が高くなる。4位以下の指名は成績が低かった順。
「プロテクト指名権」とは、通常ドラフト指名権をトレードしたときに発生するもので、ドラフト権を放出した側が指定のドラフト順位を上回った場合、指名権は元のチームに戻されることとなる。
今回のケース(トップ12プロテクト)だと、もしウィザーズがプレイオフを逃し、リーグ全体の成績が下位18位を下回った場合(ドラフト指名順位が12位より上位に確定した場合)、サンズはトレードで得た指名権をウィザーズに返還しなければならない。[/show_hide]
これでサンズは、2014年のドラフトで最大4つの1巡目指名権を手にできる可能性がある(内3つがプロテクト)。まさにチームの将来をすべて懸けたオール・インだ。
2014年NBAドラフトは、レブロン以来の怪物と噂のアンドリュー・ウィギンス他、将来のNBAを牽引するであろう人材がこぞって立候補する予定。2003年ドラフトクラス並(レブロン、ウェイド、カーメロ)の豊作が期待されている。サンズが再建を図るには、ここが最大のチャンスだ。
▼2014年ドラフトの目玉選手10人
Thubnail by Keith Allison via Flickr
参考記事:「USA Today」