【2014ファイナル第2戦】レブロンが完全復活、ヒートがスパーズ下しシリーズタイに
9日に行われた2014NBAファイナルの第2戦は、マイアミ・ヒートが終盤の大接戦を制しサンアントニオ・スパーズに勝利。シリーズを1-1のイーブンに戻した。
この日はスパーズの出だしが好調で、第2Q序盤に最大で11点のリードを付けたが、ヒートもすぐに反撃を開始。レブロン・ジェイムスを先頭にスパーズのペイントエリアを徹底的に攻め、前半終了時点で43対43の同点に追いついた。
後半に入ってからは2ゴール以上点差が離れないままリードチェンジを繰り返す一進一退の攻防となり、試合はスパーズの1点リードで最後の2分に突入。大接戦の勝敗を分けたのは、クリス・ボッシュのクラッチプレーだ。
残り1分18秒で、レブロンからのパスをコーナーで受けたボッシュは逆転のスリーポイントシュートに成功。さらに残り10秒にはゴール下のドウェイン・ウェイドに絶妙なアシストを放ち、ヒートのリードを5点に広げて勝利を確実にした。
Q1 | Q2 | Q3 | Q4 | ||
MIA | 19 | 24 | 34 | 21 | 98 |
SA | 26 | 17 | 35 | 18 | 96 |
レブロン・ジェイムス
第1戦ではふくらはぎ痙攣により途中退場し、試合前は足の状態について「通常通りではないが大丈夫だ」と語っていたレブロン。蓋を開けてみれば、大丈夫どころか35得点、10リバウンドを記録する圧巻のパフォーマンスを披露した。
第1Qはフィールドゴール5本中1本の2得点とスロースタートだったが、レブロンいわく「ミスしたのはすべてペイントエリア内」だったので、むしろ打ちたいシュートを打てており、立ち上がりからリズムは悪くなかった様子。第2Qにはエンジン全開でゴール下をアタックし、一気に11得点を獲得した。第2Qのフィールドゴール5本はすべてインサイドでの得点だ。
後半に入ると、ドライブを警戒し始めたスパーズディフェンスに対して、レブロンは完璧にプレースタイルをアジャスト。前半とは一変してジャンプショットを連続で決め、アウトサイドからゲームをテイクオーバーした。
「後半はディフェンスが後ろにさがったので、そこをついて打った。そんな感じでイージーにやりたいことをやれた」
– レブロン
▼レブロンのファイナル第2戦ショットチャート。
インサイドはすべて前半、アウトサイドはすべて後半
後半に成功させたフィールドゴール8本はすべてが5m以上のミドル~ロングレンジシュートで、スリーポイントは3本中3本とパーフェクト。特に第3Qは8連続得点を挙げるなど、リズムを失いかけていたヒートを一身に背負い込んで牽引した印象だ。
試合最後の6分間はフリースローを3本決めたのみでフィールドゴールはゼロだったが、得点面以外での活躍は続いた。
ヒートの1点ビハインドで迎えた残り1分50秒のクラッチタイムには、見事なロックダウン・ディフェンスでトニー・パーカーを阻止。
そしてこの渾身のディフェンスが、事実上の決勝点となるボッシュの逆転コーナースリーにつながった:
ヒートはこのひとつ前のポゼッションでも、「レブロンのペネトレイトからキックアウト→ボッシュのオープンスリー」と全く同じプレーを決行したが失敗に終わっている。それでもレブロンは再びボッシュにパスを出すことに躊躇しなかった。この信頼関係こそがヒートの強さだ。
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この日の試合で、ティム・ダンカンはプレイオフ通算ダブルダブル数で歴代1位のマジック・ジョンソンに並び、トニー・パーカーはプレーオフ通算アシスト数で歴代8位のマイケル・ジョーダンを超えた。
Video:「YouTube」