ウォリアーズが2年連続のNBAファイナル進出
ゴールデンステイト・ウォリアーズが現地30日、オラクルアリーナで行われたオクラホマシティー・サンダーとのWCファイナル第7戦に96-88で勝利。第5戦から3連勝を飾り、2年連続となるウェスタンカンファレンス制覇を達成した。シリーズ1勝3敗から逆転したのは、NBAプレーオフ史上で今回のウォリアーズが10チーム目。カンファレンスファイナルの歴史では1981年のボストン・セルティックス以来15年ぶりとなる。
この日の試合は、第6戦と同様に、サンダーが先手を取る形でスタートした。ハリソン・バーンズの代わりにアンドレ・イグダーラを先発出場させたウォリアーズだが、序盤はシュートが決まらず、対するサンダーはターンオーバーを最小限に抑えながら、ボールを動かしてバランスの取れたオフェンスを展開。第2Q残り7分には、ラッセル・ウェストブルックとアンドレ・ロバーソンのアリウーププレーで13点リードを獲得する。
ここからウォリアーズは、それまでFG7本中0本だったクレイ・トンプソンに火がつき、猛反撃を開始。サンダーは、ウェストブルックやスティーブン・アダムスがインサイドをアタックして、二桁点差を維持しようとするも、ウォリアーズは第2Qラスト6分間でトンプソンが4本のスリーを沈めると、ステファン・カリーが前半終了のブザーと同時にレイアップをねじ込み、48-42の6点ビハインドで試合を折り返した。
前半は、サンダーが10オフェンスリバウンドを記録してペースをコントロールしていたが、後半に入るとウォリアーズが開始6分で5本のスリーを沈めてリードを奪い、一気に形勢が逆転。第3Q終盤には、ショーン・リビングストンが速攻からカウント・ワンスローのダンクを決めたのをきっかけに、リアンドロ・バルボサやアンダーソン・バレジャオらセカンドユニットもファインプレーを披露し、ウォリアーズは11点差を付けてピリオドを終えた。
▼ウォリアーズ10-0のラン
第3Qを12点に抑えられたサンダーは、第4Qに入ってからオフェンスのリズムを立て直し、ピリオド開始3分半で4点差に追い上げるも、ウォリアーズはカリーをフロアに戻して勢いを取り返し、残り時間3分で再びリードを11点に拡大。その後、ケビン・デュラントの7連続得点により、試合は残り1分30秒で2ゴール差となるが、そこからカリーが3Pファウルをドローしてフリースロー3本、さらに残り時間26秒にクロスオーバーからプルアップスリーを沈め、シリーズに決着をつけた。
Q1 | Q2 | Q3 | Q4 | ||
OKC | 24 | 24 | 12 | 28 | 88 |
GSW | 19 | 23 | 29 | 25 | 96 |
ミスマッチを攻撃
この日のウォリアーズは、スクリーンへのスイッチを多用するサンダーのディフェンスに対し、ペリメーターからミスマッチを突いてビッグマンを攻めまくった。特にカリーとトンプソンは、スティーブン・アダムスがディフェンダーとなったポゼッションで、6本のスリーを含む8本中8本のフィールドゴールを成功させ、23得点をあげている。
▼スプラッシュブラザーズ、vs.アダムス時のショットチャート
このこともあってか、サンダーのビリー・ドノバンHCは、第4Qラスト6分間のクラッチタイムでアダムスをベンチに下げる決断をした。とはいえ、アダムスのペリメーターディフェンスが決して悪かったわけなく、単純にカリーとトンプソンがアダムスの上から難易度マックスのロングレンジを沈めまくったという印象だ。スプラッシュブラザーズがゾーンに入れば、どんな優れたディフェンダーにも止められない。
MVPがステップアップ
カンファレンスファイナル前半では、やや精彩を欠いていたカリーだが、第5~第6戦にかけて調子が上がり、第7戦は7本のスリーを含む24本中13本のFG成功で、ゲームハイの36得点、8アシストを記録。第4Qだけで15得点を獲得するなど、今シーズンにおける最も大事な場面で見事ステップアップし、チームを牽引した。
ウォリアーズはカリーの他、トンプソンが6本のスリーを沈めて21得点をマーク。ドレイモンド・グリーンは、この日もファウルトラブルに陥りながらも、40分間出場し、11得点/9リバウンドをあげている。
サンダーは、デュラントが27得点/7リバウンドを記録した他、ウェストブルックが19得点/13アシスト、サージ・イバカが16得点をマーク。チーム全体では、ターンオーバーが7本とイージーミスを極力抑えつつ、セカンドチャンス得点で16-3、フリースローで17-8とウォリアーズを上回ったが、アウトサイドショットで大きな差がついた。
▼KD
デュラントは今夏にFAとなる。シリーズ3勝1敗の王手から3連敗という非常に残念な形でシーズンを終えることとなったサンダーだが、それでも第2ラウンドで67勝のスパーズを破り、続いて73勝のウォリアーズ相手に第7戦まで持ちこめたのは、予想を大きく上回る快進撃だったといえる。
チームのコアメンバーも20代前半から後半と全員若く、来季以降も優勝候補の筆頭として戦えることを確実に証明した。プレーオフ開幕前は、デュラント移籍の可能性も何度か噂されていたが、今ではその可能性も極めて小さくなったはずだ。
何はともあれ、76ersのジョエル・エンビードはデュラントの勧誘に勤しむ姿勢をみせている。
https://twitter.com/JoelEmbiid/status/737486270033760260
「KDをシクサーズにリクルートする時がきた」
– ジョエル・エンビード
GSW vs. CLE 2.0
これで今年のNBAファイナルは、ウォリアーズ対キャブスで昨季のリマッチとなった。スケジュールは以下の通り:
第1戦は、現地2日にオラクルアリーナで行われる。
ボックススコア:「NBA」