2018NBAプレーオフ第1ラウンドのマッチアップ: イースタンカンファレンス
2017-18シーズンもついにプレイオフが始まる。ステフィン・カリーやカイリー・アービング、カワイ・レナードら、ポストシーズン常連のスター選手不在の中で開幕を迎えるが、今季も第1ラウンドからエキサイティングなシリーズが目白押しだ。
以下、2018イースタンカンファレンス第1ラウンドのマッチアップ展望とスケジュールをまとめてみた。
※メモ:
- 以下の日程はすべて現地時間
- オフェンス = 100ポゼッションあたりの得点
- ディフェンス= 100ポゼッションあたりの失点
East
ラプターズ(1)-ウィザーズ(8) | ||
日程 | ホームコート | |
第1戦 | 4/14 | トロント |
第2戦 | 4/17 | トロント |
第3戦 | 4/20 | ワシントンD.C. |
第4戦 | 4/22 | ワシントンD.C. |
第5戦※ | 4/25 | トロント |
第6戦※ | 4/27 | ワシントンD.C. |
第7戦※ | 4/29 | トロント |
ラプターズ
- シーズン成績: 59勝23敗
- オフェンス:111.0(リーグ3位)
- ディフェンス:103.4(リーグ5位)
ウィザーズ
- シーズン成績: 43勝39敗
- オフェンス:106.9(リーグ14位)
- ディフェンス:106.2(リーグ15位)
シーズン直接対決
- ラプターズ2勝 – ウィザーズ2勝
見どころは、「カイル・ラウリー/デマー・デローザン」vs「ジョン・ウォール/ブラッドリー・ビール」のバックコートバトル。今季レギュラーシーズンでの直接対決では、4試合ともウォール不在だったにもかかわらず、ウィザーズは2勝2敗のイーブンに持ち込んだ。
チームの総合力を見れば確実にラプターズが上だが、やはり不安要素は、レギュラーシーズンのパフォーマンスを維持できるかどうかの一点。これまでのラプターズは、プレイオフになるとデローザンとラウリーがやや不安定になり、ボールが動かない単調なオフェンスに陥ってしまうという印象がある。特にトラップディフェンスを仕掛けられた時は、必ず大苦戦していた。
一方のウィザーズは、プレイオフでギアを上げてきた実績を持つチームであり、しかもラプターズはウィザーズとのシリーズであまりいい思い出がない(2015年にスイープ負け)。
ただ今季のラプターズは、フロアスペーシングやボールムーブメントが改善され、ベンチの戦力アップにも成功。オフェンスの幅が大きく広がり、以前の弱点は十分に補強されているように思える。本来の実力を発揮できさえすれば、圧倒的な勝利も可能だろう。
問題は、思うような試合運びができなかったとき。5点ビハインドで迎えた第4Qの正念場で、ラウリーのリズムが悪く、デローザンもファウルコールをもらえない…。そういった逆境で、どんなパフォーマンスを見せられるのかに注目だ。
なおラプターズは、プレイオフ11シリーズ連続で第1戦に敗北している(最後に第1戦に勝利したのは2001年)。
セルティックス(2)-バックス(7) | ||
日程 | ホームコート | |
第1戦 | 4/15 | ボストン |
第2戦 | 4/17 | ボストン |
第3戦 | 4/20 | ミルウォーキー |
第4戦 | 4/22 | ミルウォーキー |
第5戦※ | 4/24 | ボストン |
第6戦※ | 4/26 | ミルウォーキー |
第7戦※ | 4/28 | ボストン |
セルティックス
- シーズン成績: 55勝27敗
- オフェンス:105.2(リーグ18位)
- ディフェンス:101.5(リーグ1位)
バックス
- シーズン成績: 44勝38敗
- オフェンス:107.8(リーグ7位)
- ディフェンス:107.1(リーグ17位)
シーズン直接対決
- セルティックス2勝 – バックス2勝
アービングやスマートの離脱ですでに大ダメージを負っているセルティックスと、タレント豊富ながらも(少なくともスターターは)、なかなか噛み合わないバックス。正直なところ、このシリーズはどんな展開になるのか全く予想がつかない。
セルティックスはヘッドコーチの指揮力やディフェンスで完全に上手だが、得点力が頼りなく、苦しい時間帯にドリブルで突破口を開けるようなスター選手がいない。対するバックスは、守備が弱く、イージーミスの多いチームだが、ヤニス・アデトクンボがいる。
セルティックスにとっては、テイタムやブラウンら若手選手が貴重な経験を詰めるチャンスだ。どんな結果になるにせよ、必ず来季への糧になる。
76ers(3)-ヒート(6) | ||
日程 | ホームコート | |
第1戦 | 4/14 | フィラデルフィア |
第2戦 | 4/16 | フィラデルフィア |
第3戦 | 4/19 | マイアミ |
第4戦 | 4/21 | マイアミ |
第5戦※ | 4/24 | フィラデルフィア |
第6戦※ | 4/26 | マイアミ |
第7戦※ | 4/28 | フィラデルフィア |
76ers
- シーズン成績: 52勝30敗
- オフェンス:107.4(リーグ11位)
- ディフェンス:102.0(リーグ3位)
ヒート
- シーズン成績: 44勝38敗
- オフェンス:104.5(リーグ20位)
- ディフェンス:104.0(リーグ7位)
シーズン直接対決
- シクサーズ2勝 – ヒート2勝
レギュラーシーズンの直接対決は、2勝2敗のイーブン。NBA.comのオン/オフデータによると、この4試合におけるシクサーズの+/-は、ジョエル・エンビードがフロアにいる時間帯にプラス22点、エンビードがオフの時間帯にマイナス24点となっている。現在エンビードは顔面骨折で離脱しており、復帰時期は今のところ未定だ。
16連勝でレギュラーシーズンを終え、勢いに乗っているシクサーズだが、エンビードがいないとなれば、ヒートは相性が悪い対戦相手と言えるかもしれない。オフェンス力の低いヒートだが、百戦錬磨のヘッドコーチがいて、ディフェンスは優秀。何よりも、サイズとスピードの両方でベン・シモンズとマッチアップできる選手が複数いる(ジェームス・ジョンソンとジャスティス・ウィンズロウ)。
注目したいのは、エンビードがいない76ersに対して、ハッサン・ホワイトサイドがどれほどのインパクトを残せるかという点。エンビードがいない76ersは、ダリオ・シャリッチやアーサン・イリヤソバを5番に置いて、シューターでシモンズを囲むスモールラインアップを起用することが多々あるが、その際にスポールストラHCは同じくスモールで応戦しようとするのか、それともホワイトサイドのサイズで圧倒しようとするのか?
逆に、エンビードがいないことで、ヒートはオリニクを安心して5番に置けるようになるので、オフェンス重視のスモールラインアップが多くなるかもしれない。
キャブス(4)-ペイサーズ(5) | ||
日程 | ホームコート | |
第1戦 | 4/15 | クリーブランド |
第2戦 | 4/18 | クリーブランド |
第3戦 | 4/20 | インディアナ |
第4戦 | 4/22 | インディアナ |
第5戦※ | 4/25 | クリーブランド |
第6戦※ | 4/27 | インディアナ |
第7戦※ | 4/29 | クリーブランド |
キャブス
- シーズン成績: 50勝32敗
- オフェンス:110.6(リーグ5位)
- ディフェンス:109.5(リーグ29位)
ペイサーズ
- シーズン成績: 48勝34敗
- オフェンス:107.2(リーグ12位)
- ディフェンス:105.6(リーグ14位)
シーズン直接対決
- キャブス1勝 – ペイサーズ3勝
昨季第1ラウンドのリマッチ。レギュラーシーズンの直接対決は、ペイサーズが3勝1敗で勝ち越した。オフシーズンにポール・ジョージを失ったペイサーズがここまで上がってくるとは、開幕前は誰に予想できただろう。
今季のペイサーズはとてもバランスの良いチームだ。インサイドの守備が少し頼りないものの、ペリメーターではとにかくハードにプレイし、どこか全盛期のメンフィス・グリズリーズを彷彿させるスタイル。ポール・ジョージの後釜となったビクター・オラディポは大躍進を遂げ、オフェンスでチームを引っ張りながら、今季のスティール王に輝いた(平均2.4スティール)。
シリーズのキーとなるのは、キャブスの守備だろう。今季のキャブスは、オフェンスで相変わらずリーグトップクラスだったが、ディフェンスではリーグ29位。ただ能力というよりも集中力が問題になっていた印象で、ポストシーズンでは例年のようにギアを上げてくる可能性が高い。昨季終盤も同じような懸念があったが、プレイオフが始まれば何の問題もなかった。
一方で、キャブスの守備が全く改善しない可能性もある。ペイサーズに付け入る隙があるとすればそこだ。後は、誰がレブロン・ジェイムスをガードするか。サデウス・ヤングかランス・スティーブンソンがベストオプションになるかもしれない。
プレイオフ:「NBA」