カーメロ・アンソニー、サンダーに移籍
今年のトレーニングキャンプ開幕が目前に迫る中、ずっと宙ぶらりんになっていたカーメロ・アンソニーの移籍騒動にようやく決着がついた。
ESPNのAdrian Wojnarowski記者によると、ニューヨーク・ニックスとオクラホマシティー・サンダーが現地23日にカーメロを含む大型トレードに合意。サンダーはエネス・カンター、ダグ・マクダーモット、ドラフト指名権を放出する代わりに、ニックスからオールスターのアンソニーを獲得する。新たなビッグスリーの誕生だ。
昨季のアンソニーは74試合の出場で22.4得点、5.9リバウンドを平均。これでサンダーは、ポール・ジョージやパトリック・パターソンの加入も含め、昨季のワンマンチームから完全に生まれ変わった。
来季サンダーの先発は、恐らくウェストブルック/ロバーソン/ポール・ジョージ/カーメロ/アダムスになると予想されるが、ラスとアダムスのピック&ロールをシューターで囲むウェストブルック/PG/メロ/パターソン/アダムスのラインアップもすごく面白そうだ。昨季はデュラントとイバカの離脱で深刻なシューター不足に陥ったため(スリー成功率でリーグワースト、3P成功数でワースト5位)、相手守備にペイントエリアをガチガチに固められてしまい、アダムスの活躍の場がやや制限されてしまっていた印象だったが、PGとカーメロの引力でフロアスペースを十分に確保できるであろう来季は、2年前のように再びウェストブルックとアダムスのアリウーププレイが連発するかもしれない。
またパターソンをセンターに置くスモールラインアップも破壊力抜群で、ウォリアーズのスモールボールと真っ向勝負できるかもしれない。さらにスター3選手のプレイタイムを分散させることで、昨季のようにウェストブルックがベンチにいる時間帯に大失速してしまうこともなくなるだろう。
チームサラリーの面を考えると、2018年以降もラス/PG/メロのビッグスリーを維持するのは極めて困難だろうが、とりあえず来季のサンダーがどこまで上を目指せるのか楽しみだ。
ただ少し残念というか切ないのは、OKCが大好きだったカンターがあっさりと放出されてしまったこと。ケビン・デュラントのTwitter騒動の際にも、「誰が何と言おうと、サンダーは最もプロフェッショナルで最高の球団。彼らは家族だ」と真っ先に声を上げていたほどだ。
トレードが発表された後、カンターはサンダーへのお別れのビデオメッセージをTwitterに公開。「僕が家族と故郷を失った時、君たちが家族と故郷を与えてくれた」と球団関係者やファンに感謝の気持ちを述べ、「ウォリアーズを倒してくれ。頼んだ」とチームメイトたちに夢を託した。
https://twitter.com/Enes_Kanter/status/911670854932680710
まあNBAもビジネスなので、こればかりは仕方がない。ロールプレイヤーを放出して(しかも割高サラリーをダンプできて)、その見返りにオールスターを獲得するチャンスが舞い込めば、それに飛びつかない球団はいないだろう。
一方のニックスは、今オフまでチームの顔を務めてきたカーメロとフィル・ジャクソンの2人とついに決別。来季からは、クリスタプス・ポルジンギスを中心とした本格的な再建に突入する。
なお今回の移籍騒動で鍵となったアンソニーのトレード拒否条項は、そのままサンダーへと持ち越される。
Image by Keith Allison
参考記事:「ESPN」