NBAは八百長?「リーグはレイカーズびいき」とファンが指摘、疑惑のコールの数々
審判はレイカーズびいきだと思います?
今季NBAのレギュラーシーズンもいよいよ大詰め。ウェストでは、プレイオフ最後の椅子をかけた熾烈な争いが繰り広げられている。現在0.5ゲーム差で8位のジャズを追いかける崖っぷちレイカーズ。プレイオフ進出なるだろうか。
「レイカーズが有利」という見方は多い。スーパースターぞろいのレイカーズがプレイオフを逃すなどあってはならない。最後にコービーが何とかしてくれると信じているファンも多いことだろう。
一方で「どうせ審判がレイカーズを勝たせるんでしょ?」という声も決して少なくない。リーグがレイカーズをごり押しして、不正工作しているというのだ。この陰謀論の根拠は一体どこからくるのか?
そんななか、レイカーズの試合での“疑惑コール”をまとめたYouTube動画が米ネットでちょっとした話題になっている。
確かにどうみてもおかしいコールがいくつか目につく。
例えば、0:50あたりでアントワン・ジェイミソンがエアボールを自分でキャッチするシーン。本来ならボールがリングに触れていないのでトラベリングがコールされるべきだが、プレイはそのまま続行され、最終的にゴールテンディングがコールされた。
1:19では、ポンプ・フェイクに引っかかったコービーがあからさまにシューターの頭を叩いている。審判の立ち位置から考えて、これを見逃すのはありえない。
さらに酷いのが3:10。ジョン・サーモンズがコービーに触ったか触らなかったかすらわからない。一体どこにファウルがあるんだ?というプレイ。しかも審判は、シュートが外れたのを確認してから笛を鳴らしている。
どうだろう?審判も完璧ではないので、ファウルを見逃したり間違ったコールをすることも頻繁にある。何もレイカーズの試合に限ったことではない。この動画もそれなりに説得力はあるが、たかだか数試合の中のいくつかのプレイを取り上げて「NBAは八百長だ」と謳うのはどうかと思う。
ただ、NBAの不正疑惑は今に始まったことじゃはない。最も波紋を呼んだのが、2002年プレイオフのレイカーズ対キングス第6戦だ。
「疑惑の第6戦」
2001 – 2002年のウエスタン・カンファレンス決勝。当時2強のレイカーズとキングスがぶつかり、7試合におよぶ死闘を繰り広げた。第4戦のロバート・オーリーのブザービーターや第7戦のオーバータイム決勝など数々のドラマが生まれ、NBA史上最も白熱した見ごたえのあるシリーズのひとつだったと言えるだろう。
そんな好シリーズだが、一つだけクエッションマークが残る試合があった。キングスが3-2で王手をかけて迎えた第6戦だ。この試合は、アメリカスポーツ史上で最悪のえこひいきジャッジがあった試合と呼ばれることもある。
この日、第4Qだけでレイカーズに27本のフリースローが与えられた。それに対し、キングスはたったの9本。当時のレイカーズにはシャキール・オニールがいたため、相手チームよりもフリースローの数が多くなるのは毎度だったが、それでも1クオーターだけで27本は異常だ。一方でキングスに対しては、あからさまなファウルでも笛がならなかった場面がいくつかある。
最終的にレイカーズがこのシリーズを制しファイナルに駒を進めることになったのだが、第6戦のジャッジングはスポーツファンやエキスパートたちの間で大きな波紋を呼んだ。
さらに、2007年に不正賭博で逮捕された元NBA審判ティム・ドナヒーが、取調べの中で「2002-03シーズンのプレーオフで不正ジャッジがあった」と供述した。どの試合かは明らかにされていないが、「第6戦で、2人の審判が王手をかけたチームに対しファウルコールを不当にすることで第7戦まで持ち込ませた」としていることから、キングス対レイカーズの第6戦を指していることが容易にわかる(この年のプレイオフで第7戦までもつれこんだのは、レイカーズ対キングスのみ)。ちなみに、ドナヒーはこの試合の審判ではなかった。
実際はどうなんだろう?
NBAがなんとしてもレイカーズをプレイオフに出したいという気持ちは分かる。ここ数年で衰えてきたとはいえ、今でもレイカーズはNBA屈指の人気チーム。カジュアルなファン層を惹きつける力もあり、レイカーズがプレイオフに出るか出ないかで、テレビの視聴率や注目度は大きく変わってくる。
NBAと言えど、基本的にはエンターテイメントのビジネスだ。八百長がまったくないとは言い切れない。どちらにせよ、審判(リーグ)の思惑で試合の勝敗を左右するのは勘弁してほしい。
動画:「youtube.com/watch?v=YZatX_6i5WY」