デュラントとアービングがブルックリンでタッグ結成
ウェストでは歴代屈指の強さを誇ったスーパーチームが崩壊。一方でイーストでは新たな強豪が誕生だ。
ESPNの報道によると現地6月30日、カイリー・アービングがブルックリン・ネッツとの契約に合意。さらにケビン・デュラントがネッツと契約を結ぶ意向を明らかにした。
それぞれの契約内容は、アービングが4年/1億4100万ドル、デュラントが4年/1億6400万ドルとなる模様。ネッツは同日にセンターのディアンドレ・ジョーダンとも年俸1000万ドル(4年/4000万ドル)で契約合意に達している。ジョーダン獲得のためのスペースを捻出するため、デュラントとアービングは2人ともマックスサラリー以下の減額契約を受け入れる形となった。
ネッツの復活劇
ネッツがどん底にいたのはほんの3年前のことだった。
2015-16シーズンをわずか21勝で終えたばかりで、ロスターに将来のチームを背負えそうなフランチャイズスター候補はゼロ。しかも1巡目指名権を4つ放出した悪名高い2013年のトレードの影響で、ドラフトアセットもほとんど持ち合わせていなかった。
全く先の見えない悲惨な状況だったネッツだが、2016年に元スパーズ・アシスタントGMのショーン・マークスをチームのGMとして迎え入れてから、再建が一気に進んでいく。
マークスGMが最初にした大仕事は、サディウス・ヤングをペイサーズにトレード放出し、その見返りにカリス・ラバートの指名権(2016年ドラフト全体20位)を獲得したこと。続いて2016年12月には当時Gリーグにいたスペンサー・ディンウィディーとミニマムサラリーで契約を結んだ。
さらに2017年夏には、契約最終年だったブルック・ロペスと2017年ドラフト27位指名権(カイル・クーズマ)を放出し、レイカーズからティモフェイ・モズゴフの大型サラリーを引き受けることで、後にオールスターへと躍進するディアンジェロ・ラッセルを獲得する。
そうやってネッツは若手コアを固めつつ、その一方でマークスGMと同時期に就任したケニー・アトキンソンHCの指揮下でチームのシステムやカルチャーも改革。ようやくドラフト指名権が戻った昨季もタンキングすることなく、チーム一丸でハードにプレイして勝利を目指し、4年ぶりのプレイオフに返り咲いた。
ラッセルには別れを告げることとなったが(まさかのウォリアーズ移籍!)、ラバートやディンウィディー、ジョー・ハリス、ジャレット・アレンら若手コアの大部分は残る。そこにデュラントとアービング(+ディアンドレ)が加わるのだから、優勝を狙えるチームになったとみて間違いない。
▼ディンウィディーもチームの未来に大興奮の様子
https://twitter.com/SDinwiddie_25/status/1145439032761081856
ただデュラントはアキレス腱断裂の重傷で来季全休が予想されているので、ネッツが完全体になるのは2020年以降。また31歳になるデュラントが100%の状態で復帰できるかどうかも分からない。アキレス腱断裂はこれまでに多くのプレイヤーを駄目にしてきた怪我であり、デュラントが以前のような歴代屈指のスコアリング力を取り戻せない可能性もある。
他にも、アービングとラッセルのスワップは確実にアップグレードだが、セルティックスの時のようにチームのケミストリーを乱す原因になりはしないか?
いくつか不安要素はあるものの、デュラントとアービングを同時に獲得できるチャンスがあるなら、どのGMでも喜んでそのリスクを取るだろう。戦力面でもマーケティング面でも今夏FAはネッツの大勝利だ。
参考記事:「ESPN」