キングス、今春から仮想通貨「Bitcoin」決済を導入
サクラメント・キングスが現地16日、プロスポーツ球団としては初めて仮想通貨「Bitcoin」での決済の受付けを開始することを発表した。3月1日より、ファンはキングスのチケットやグッズの購入にデジタル通貨を使用できるようになる。
Bitcoinって何?
「Bitcoin」とは、P2Pネットワークを利用してユーザー同士で直接取引される仮想通貨。2008年に誕生した暗号通貨で、現在の時価総額は110億ドルほどだという。Bitcoinの特徴は、政府や中央銀行といった統制機関を介在しないという点。ユーザーはパソコンから「マイニング」と呼ばれる発掘作業を行って、Bitcoinを獲得する(掘り当てる)ことができる。
Bitcoinを「未来の世界通貨」なんて呼ぶ声もある一方、国家や金融機関の裏付けがなく、投機目的の利用も多いため、レートが大幅に乱高下するリスクもある。例えば、2013年1月に約13ドルだった1ビットコインの価格は、11月に1150ドル以上にまで上昇。しかしその1ヶ月後には750ドルあたりまで急落するなんてこともあった。
また、ビットコインは匿名性が非常に高いため、闇サイトなどの通貨として違法取引に利用されることもある。こういったデメリットから、今のところビットコインを採用している企業はまだまだ少ない。
昨年5月にキングスを買収した新オーナー・ビベック・ラナディベー氏は、最新テクノロジーを活用してNBAとファンとの関係を強化し、グローバル規模での人気を一層高めるための構想「NBA3.0」を提唱している。今回の仮想通貨導入もそのプロセスの一環だという。ビットコインの乱高下リスクについても、今後は通貨の流動性が高まることを予想し、「不安定な変動がなくなるのも時間の問題だろう」と述べた。
この他にもキングスは、今話題の拡張現実メガネ「Google Glass」を使った斬新な企画を予定している。24日のペイサーズ戦で、キングスのチアリーダーやアナウンサー、ウォームアップ中の選手らがデバイスを着用して撮影し、その映像がライブ中継される予定だ。これによりファンは、今まで体験できなかった新たな視点からゲームを楽しむことができる。
Thumbnail by prspect06 via Flickr
参考記事:「Wall Street Journal」