マブスが第5戦を制しクリッパーズに王手、ドンチッチはPOキャリア4回目の40得点超
現地6月2日、ステイプルズ・センターで行われたダラス・マーベリックス対ロサンゼルス・クリッパーズのファーストラウンド第5戦では、前の試合で不調だったルカ・ドンチッチが42得点とキャリアハイ14アシストをマークする大活躍。
マブスが105-100で接戦を制し、2010-11シーズンの優勝以来10年ぶりとなるウェスト準決勝進出まであと1勝に迫った。
ジャンボ・ラインアップ
第3~4戦では、クリッパーズのスモールラインアップに手も足も出なかったマブス。第5戦に臨むにあたって、何とかして流れを変えたかったリック・カーライルHCは、ボバン・マリヤノヴィッチを先発センターに起用。クリッパーズのスモールに対して“ジャンボ・ラインアップ”をぶつける。
▼第5戦のスターター
マブスは今季NBAで2番目に背の高いマリヤノヴィッチ(223cm)と3番目に背の高いクリスタプス・ポルジンギス(222cm)を同時に投入し、2-3ゾーンディフェンスを混ぜながら試合をスタート。KPとボバンが同時にフロアに立つなんて、レギュラーシーズンではフリースローのリバウンドに入る時ぐらいだっただろう。
このラインアップは機動力が極めて低いため、特にゾーンの際にはクリッパーズのボール回しに掻き回されていたが、常にボバンをドロップさせるシンプルな守備で、第4戦に比べればリムを上手く守れていた印象だ。
KPとボバンを同時起用するジャンボ・ラインアップは、合計17分のプレイタイムで-9を記録。正直、効果的なアジャストだったかは分からないが、クリッパーズに揺さ振りをかけることには成功したと言えるかもしれない。
第5戦でマブスに流れを作ったのは、ドンチッチの支配力、そして第3Q終盤でのランだった。
この日のドンチッチは序盤からゾーン状態に入り、第1Qだけで19得点をマーク。マブスはドンチッチがベンチに下がった時間帯に失速してしまい、クリッパーズに一時リードを奪われるが、5点ビハインドで迎えた第3Qの残り5分から22-3のランでピリオドをクローズ。好守備とトランジション得点でペースを握り、第4Q序盤には最大で16点リードを奪取する。
▼ドンチッチ42得点
第4Qに入ると、それまで無双していたドンチッチがスタミナ切れを起こしたのか、ピリオドFG8本中わずか1本成功と大失速。マブスは終盤でまったく点を取れなくなり、試合残り40秒で1点差まで迫られたが、そこからクリッパーズの攻撃を2ポゼッション連続で抑えてギリギリで逃げ切った。
ルカ・ドンチッチ
これでドンチッチは、プレイオフキャリア通算4度目の40得点超えを達成。わずか22歳、キャリア11試合目にして、すでにカール・マローンやティム・ダンカン、カーメロ・アンソニー、デイミアン・リラード、カワイ・レナードといったレジェンドたちのトータルと並んだ。
近年のNBAではスコアリングがかなりのインフレ状態なので、単純に過去の選手と比較するのは難しいが、それを考慮してもプレイオフで3試合に1回のペースで40得点を超えるとか怪物すぎる。
なお第5戦でのマブスは、チームのFG成功37本の内、31本がドンチッチのショットもしくはアシストによるものとのこと。今のドンチッチからは、00年代後半のキャブスを率いた若手時代のレブロン・ジェームズのような支配力を感じる。
王手をかけたマブスはドンチッチの他、ティム・ハーダウェイJr.が20得点をマーク。二桁得点に到達したのは2選手のみだったが、ドリアン・フィニー・スミスは5スティールをあげるなど守備で勝利に大貢献した。
▼DFS
一方で、第1ラウンドから崖っぷちに立たされることとなったクリッパーズは、ポール・ジョージが23得点、カワイ・レナードとレジー・ジャクソンがそれぞれ20得点で奮闘。
第4Q序盤の16点ビハインドから巻き返して接戦に持ち込んだが、勝負所でジョージが連続ターンオーバーを出したり、レナードが最後のチャンスでエアボールを放ったりと、らしくないミスを犯し逆転勝利を逃した。
ホームコート・ディスアドバンテージ?
今年のマブス対クリッパーズのシリーズは、第5戦を終えたところでロードチームが全勝。シリーズ5試合の時点でホームチームが1度も白星をあげていないという特殊な状況は、バブルでの昨季を除くと、1984年のネッツ対76ers、1995年のスパーズ対ロケッツに次いで今回が史上3回目だ。
マブスとクリッパーズのシリーズ第6戦は、現地4日にダラスで行われる。
ボックススコア:「NBA」