マイク・ブーデンホルザーがバックスの新HCに就任
ミルウォーキー・バックスが現地17日、チームの次期ヘッドコーチにホークス元HCのマイク・ブーデンホルザーが就任することを正式に発表した。
契約に関する詳細はチームから明かされていないが、ESPNのAdrian Wojnarowsk記者によると、契約期間は4年とのこと。またZach Lowe記者によれば、HC就任が最初に報じられる直前の現地16日朝には、バックスのヤニス・アデトクンボとクリス・ミドルトンがミルウォーキーでブーデンホルザーと朝食をともにしていたという。
ブーデンホルザーは、サンアントニオ・スパーズで17年間アシスタントコーチを務めた後、2013年にアトランタ・ホークスのHCに就任。在任期間の5シーズンでチームを213勝197敗に導き、2014-15シーズンにはコーチ・オブ・ザ・イヤーに輝いた。
今季のバックスはレギュラーシーズン44勝38敗でイースト7位シードの成績を収め、プレイオフでは第1ラウンド6試合で敗退。シーズン開幕前の期待感を考えると、決して満足のいく結果だったとは言えず、ロスターのポテンシャルをフル活用できるようなシステムの構築を必要としている。
MVP候補のアデトクンボを筆頭に、ミドルトンやエリック・ブレッドソー、ジャバリ・パーカーなどタレントレベルは高いバックスだが、他の強豪チームとは違い、チームのアイデンティティやスタイルを確立できておらず、特にジェイソン・キッドHC指揮下ではアグレッシブすぎる守備スキームが低評価だった。またオフェンスでも、アデトクンボがベンチに下がると全く機能しなくなる。
ブーデンホルザーはロールプレイヤーたちの長所を最大限に引き出すモーションオフェンスの指揮に長けたコーチだ。守備面ではキッド元HCと少し似ていて、ピック&ロールに対してトラップを多用する傾向にあるが(特にミルサップ/ホーフォードがいた頃は)、今季ホークスではその真逆ともいえる慎重な守備(P&Rに対してビッグがほとんど外に出ない)を展開する柔軟さを見せた。アデトクンボレベルのスター選手を指導するのは初めてとなるので、どのような采配を振るうのか注目したい。
バックスが何としても避けたいのは、将来的にアデトクンボを失うことだ。アデトクンボは4年/1億ドルの延長契約が2017-18シーズンから始まったばかりで、契約は2021年まで保証されている(残り3年)。まだまだ先のことのようにも感じるが、2~3年はあっという間だ。もし次の2年でそれなりの結果を残せなければ(せめてカンファレンスファイナル進出?)、アデトクンボの忠誠心が揺らぐ可能性も十分にある。バックスのようなスモールマーケットチームにとってはなおさらだろう。
今夏にはジャバリ・パーカーが制限付きFA、そして2019年夏にはミドルトン、ブレッドソー、ブログドンの契約が満期となる。今のコアを維持したとして、今後2~3年で果たしてセルティックスや76ersに対抗できるチームになれるかどうか…?
参考記事:「NBA」