トニー・パーカー、移籍の決め手は「アシスタントコーチで終わりたくない」
今オフのトニー・パーカーは、17年間過ごしたサンアントニオ・スパーズを離れ、シャーロット・ホーネッツへと活躍の場を移す決断をした。新たな契約内容は2年/1000万ドル。どうやらスパーズからも似たような金額のオファーがあったらしいが、慣れ親しんだスパーズではなくホーネッツを選んだ理由は、与えられる役割の違いだったという。
パーカーは母国フランスメディアの「L’Expresso」のインタビューで、移籍を決意した要因について明かした。
「スパーズはホーネッツと同じような契約をオファーしてくれた。でも決め手となったのはチームでの役割。金銭的な問題ではなかった。スパーズが僕に何もオファーを提示しなかったと思い込み、球団に腹を立てていた人がたくさんいるようだが、それは違う。みんなにはそのことを知っておいてほしい。スパーズは似たようなオファーをしてくれた。でも僕はアシスタント・コーチとしてキャリアを終えたくなかったんだ。スパーズが僕にオファーしたのは、まさにその役割だった。僕はプレイしたいんだ」
大腿四頭筋腱断裂の怪我から11月末に復帰した昨季のパーカーは、55試合で7.7得点、3.5アシストを平均。シーズン中盤でデジャンテ・マレーに先発の座を譲ってベンチPGの役割を務め、シーズン平均出場時間はキャリアで初めて20分を切ることとなった(19.5分)。
パーカーは、今後の出場機会に加え、ホーネッツのオーナーであり子供の頃からの憧れだったマイケル・ジョーダンの存在も、移籍を選んだ大きな要因の一つだったと話している。
「僕のアイドルであるマイケル・ジョーダンが連絡してくれた時に、『やってみよう』と思った。彼の球団でキャリアを終えるのは特別な意味がある。バスケットボールをやりたいと思わせてくれた張本人だからね」
なお数週間ほど前に、「パーカーはスパーズでキャリアを終えるつもり」という報道が出ていたが、それについてパーカーは誤報だったと説明した。
「僕のユニフォームはスパーズで永久欠番になるはずだ。その件に関して、僕が中国にいた時に、少し間違えて伝えられてしまった。中国のメディアは、僕がスパーズとして引退するつもりだと報じた。でも僕が言っていたのは、僕のユニフォームが永久欠番化されるだろうということだ。選手としてのスパーズキャリアはもう終わっている」
「引退」も「永久欠番化」も両方とも「Retire」という単語で表すので、そのあたりで現地メディアとの間で誤解が生じたのかもしれない。
以前パーカーは、「キャリア20シーズンを目指している」と明言していた。ホーネッツとの2年契約を終えてプロ20年目となる2020-21シーズンにスパーズに復帰するか、もしくはポール・ピアースのように引退直前に1日契約を結ぶか。本人はそれほどこだわっていないかもしれないが、サンアントニオでキャリアを終える可能性は十分にあり、そう願っているファンも沢山いるだろう。
パーカーは今季1月14日のホーネッツ対スパーズ戦で古巣初凱旋を果たす。
参考記事:「Spurs Zone」