トレイ・ヤングが残り0.9秒に決勝フローター、MSGを沈黙させる
NBAでは現地23日、イースト4位シードのニューヨーク・ニックスと5位シードのアトランタ・ホークスがマディソン・スクエア・ガーデンでシリーズ第1試合を対戦。第4ピリオド終盤に1~2ゴール差を争う激闘の末、ロードチームのホークスが107-105でシリーズ初戦を制した。
この日のMVPはホークスのトレイ・ヤング。8年ぶりのポストシーズンで熱気が最高潮に達していたニックス本拠地MSGから終始ブーイングを飛ばされたが、それに微塵も動じることなく、プレイオフデビュー戦としては最高のパフォーマンスを披露。
ヤングは35分の出場で32得点、10アシストのダブルダブルをマークし、同点で迎えた第4Q残り0.9秒には、ディフェンダー2人をドリブルで突破して決勝点となるフローターを決めた。
ゲームウイナーを決めたヤングは、人差し指を唇に当ててニックスファンたちに向け「沈黙」のジェスチャー。さらに試合後には、『F〇CK、トレイ・ヤング!』とド直球な罵声を飛ばしていたMSGの観客について、「彼らが僕に対してあれほどの敵意を示すのは、僕が正しくプレイできているということ。良いプレイができていた証拠だ。僕はプレイで語るだけ」とコメントした。
「結局のところ、ファンたちにできるのは言葉による威嚇だけ。彼らに僕をガードすることはできない」
– トレイ・ヤング
キャリア初のプレイオフゲームながら、敵地での罵声を自分のエネルギーに変えたヤング。ニックスにとって、1990年代の宿敵だったレジー・ミラーのようなヒール役になりそうな予感だ。
ホークスはヤングの他、ボグダン・ボグダノビッチが18得点、ルー・ウィリアムズがベンチから13得点で勝利に貢献。チーム合計でターンオーバーがわずか6本と、ケアレスミスを最小限に抑えた。
敗れたニックスは、ベンチプレイヤーたちが大奮闘。アレック・バークスがチームハイ27得点、デリック・ローズが38分の出場で17得点をマークしたが、オールスターのジュリアス・ランドルが終始リズムを掴めず、FG23本中6本成功の15得点に終わっている。ニックスとしては、エース絶不調の試合で最後まで競れたことをポジティブに捉えるべきかもしれない。
ホークス対ニックスのシリーズは、恐らく今季プレイオフ第1ラウンドで最も実力が均衡しているマッチアップ。第1戦でのニックスは、ホークスのピック&ロールやダブル・ドラッグ(トランジションでの2重スクリーン)にやりたい放題されていたが、トム・シボドーHCが第2戦でどんな守備アジャストを仕掛けてくるのか楽しみだ。
それにしても、エルフリッド・ペイトンを前半と後半の序盤だけちょこっと起用するローテーションは何とか改善できないものか?
ボックススコア:「NBA」