ゴールデンステイト・ウォリアーズが2015年NBA王者に
ゴールデンステイト・ウォリアーズが現地16日、クリーブランド・キャバリアーズとのNBAファイナル第6戦に105対97で勝利。シリーズを4勝2敗で制し、球団史上4度目、40年ぶりのリーグ優勝を飾った。
第3,4戦と同じくスモールラインアップで第6戦に臨んだウォリアーズは、序盤からキャブスにターンオーバーを連発させる好ディフェンスをみせながら、オフェンスでは第1QのFG成功12本中11本がアシストという見事なチームプレーを披露。一気に流れを掴んで、開始12分でさっそく13点のリードを奪う。
第2Qでは、キャブスがディフェンスを引き締め反撃を開始。ティモフェイ・モズコフが連続ブロックを叩き出すなど、ペイントエリアを死守してウォリアーズのクォーター得点を17点に抑え、ハーフタイムまでに45対43の2点差に詰め寄った。
▼モズコフ
後半に入ると、キャブスが開始1分でついに逆転に成功するも、そこから先はウォリアーズが完全に主導権を掌握。アンドレ・イグダーラやドレイモンド・グリーンの積極的な攻撃でリズムを取り戻すと、第3Q終盤にはフェスタス・エジーリが8連続得点を挙げて、この日最大の15点リードに引き離した。
▼エジーリのプットバックダンク+ワンスロー
その後、第4Q序盤にキャブスが7点差まで追い上げたが、ウォリアーズはステファン・カリーのピック&ロールを起点とした絶妙なボールムーブメントから長距離砲を立て続けに浴びせ、残り時間6分で再びリードを15点に拡大。キャブスは、ラスト1分にJ.R.スミスが連続スリーを決めて最後の抵抗をみせるも、時すでに遅しだった。
Q1 | Q2 | Q3 | Q4 | ||
GSW | 28 | 17 | 28 | 32 | 105 |
CLE | 15 | 28 | 18 | 36 | 97 |
ウォリアーズは、カリーとイグダーラがそれぞれチームハイの25得点をマーク。グリーンは16得点、11リバウンド、10アシストで、キャリア2度目、プレーオフ初となるトリプルダブルを獲得した。
FMVPはイグダーラに
2015年のファイナルMVPは、第6戦でシーズンハイの25得点を記録したアンドレ・イグダーラに贈られた。
FMVP投票の詳細は以下の通り:
11人のメディア関係者の投票の結果、イグダーラが7票、レブロン・ジェイムスが4票を獲得。ステファン・カリーへの投票はゼロだった。シリーズ全試合に先発出場していない選手がFMVPに選ばれたのは初となる。
今季ファイナルのイグダーラは、6試合で平均16.3得点、5.8リバウンド、4アシスト、1.3スティール、FG成功率52.1%、3P成功率40%を記録。ウォリアーズの1勝2敗で迎えた第3戦からスタメン出場し、シリーズの流れを大きく変えた。
カリーを抑えてファイナルMVPに選出された最大の理由は、シリーズを通してキャブスを苦しめたディフェンス面での大活躍だろう。
ESPNの調べによると、イグダーラがフロアにいた時間帯は、レブロンのFG成功率が38%で、キャブスの得失点差がマイナス55。反対にイグダーラがベンチに下がった時間帯は、レブロンのFG成功率が44%に上がり、キャブスの得失点差はプラス30を記録している。
レブロン・ジェイムス
敗北チームながらも、FMVP投票で11票中4票を獲得したレブロンは、第6戦で32得点、18リバウンド、9アシストを記録。ファイナル6試合では平均35.8得点、13.3リバウンド、8.8アシストという圧巻のパフォーマンスで、アービング/ラブ不在のキャブスを牽引した。1人の選手が、得点/アシスト/リバウンドのすべてでチーム最多を獲得するのは、NBAファイナル史上初の快挙となる。
またレブロンは、シリーズ6試合でチーム合計得点の38.3%を獲得。これは1993年のマイケル・ジョーダン(38.4%)に次いで、歴代ファイナルで2番目に高い数字だ。
▼レブロン、ファイナル第6戦ハイライト
さらにレブロンは、第6戦でプレーオフキャリア通算5020得点目をマークし、ポストシーズン5000得点以上に到達した歴代6人目のプレーヤーとなった。
▼プレーオフ通算得点トップ6
プレーヤー | 得点 | 試合数 |
M・ジョーダン | 5987 | 179 |
K・アブドゥル=ジャバー | 5762 | 237 |
K・ブライアント | 5640 | 220 |
S・オニール | 5250 | 216 |
T・ダンカン | 5113 | 241 |
L・ジェイムス | 5020 | 178 |
カリーの3P記録
今季ポストシーズンのカリーは、合計21試合で98本のスリーポイントを成功させ、これまでの記録を大きく塗り替えた。歴代2位のレジー・ミラー(58本、22試合)との差は40本だ。
▼カリー2015年プレーオフ、3Pハイライト
またチームメイトのクレイ・トンプソンは、合計で57本のスリーを成功させ、歴代3位のレイ・アレンと並んだ。
※メモ:
・2014-15シーズンのウォリアーズは、レギュラーシーズンとプレーオフの合計で、歴代3位の最多勝数記録となる83勝20敗を達成した。1位は1995-96ブルズの87勝13敗、2位は1996-97ブルズの84勝17敗。この3チームすべてにスティーブ・カーがいた
・ハリソン・バーンズにとって、試合後に味わった優勝シャンパンが人生初のアルコールだったらしい
・ファイナル第6戦はショーン・マリオンのNBAラストゲーム
・今季ファイナルで、レブロンがフロアにいなかった時間帯のキャブスプレーヤーのFG成功数(ソース):
- J.R.スミス – 0/9
- デラベドバ – 0/7
- J.ジョーンズ – 0/3
- シャンパート – 0/2
- 合計 – 21本中0本
・シーズンMVPとチャンピョンシップの両方を同じ年に獲得した選手がファイナルMVPに選ばれなかったのは、1980年のカリーム・アブドゥル=ジャバーと2015年のステファン・カリーのみ
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ボックススコア:「NBA」