ウルブズがダブルOTの末に連敗を11で脱出
ミネソタ・ティンバーウルブズは2019-20シーズンも低迷に苦しんでいる。11月を終えた時点では10勝8敗で勝ち越し、今年こそはというファンからの期待も高まっていたが、そこから一気に大転落。12月に入ってからクリスマスまで全敗と泥沼にはまり込んでいた。
そんなウルブズが現地12月26日、同じく成績不振に悩まされているサクラメント・キングスとゴールデン1センターで対戦。ダブルオーバータイムに及ぶ死闘の末に1カ月ぶりの白星を勝ち取り、連敗記録を11で終わらせた。
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大黒柱のカール・アンソニー・タウンズが離脱中のウルブズ(11勝19敗)は、ゴーギー・ジェンがゲームハイの21得点/15得点、アンドリュー・ウィギンスが19得点をマーク。チーム合計でフィールドゴール104本中36本成功(34.6%)とオフェンスが不発気味だったが、ジェンやノア・ヴォンレーらビッグマンを軸にした好守備でキングスの得点を抑え、スローペースな泥臭い試合展開に持ち込んで勝機をつかんだ。
一方で5連敗となったキングス(12勝19敗)は、リシャーン・ホームズがチームハイ20得点、18リバウンドで奮闘。バディ・ヒールドとボグダン・ボグダノビッチはシューティングに大苦戦し、チーム全体ではウルブズと同じFG成功率34.6%に終わっている。
キングスにさらなる試練
キングスファンにとって、今季はこれまで以上にフラストレーションの溜まるシーズンだろう。昨季は13年連続でプレイオフ進出を逃しながらも、確実な前進があった。
昨季のキングスは若手コアを中心にしたアップテンポなオフェンスでアイデンティティを確立し、一昨年の27勝55敗から39勝43敗へと躍進。ようやく暗黒時代を脱出するためのピースが揃い、今季はさらなる躍進が望めるかと思われたが、シーズン開幕5連敗という最悪のスタートを切り、さらに序盤からディアロン・フォックスとマービン・バグリーが負傷離脱してしまう。
その後キングスは、若手コア2選手が不在ながらも何とか体勢を立て直し、12月15日の時点で12勝14敗まで回復。そのタイミングでフォックスとバグリーが戦線復帰する。ついにキングスのシーズンが本格的に始動するかに見えたが、そこから1勝もできていない。
そして極めつけがこの日の試合。11連敗中だったエース不在のウルブズにダブルOTで惜敗しただけでなく、フォックスとバグリーがゲーム途中に再び負傷退場してしまった。
今季が2年目のバグリーは9試合で13.7得点、6.9リバウンドを平均。同日のウルブズ戦では、負傷するまでの20分の出場で18得点/4リバウンドをマークと、シーズンベストなパフォーマンスをしていたところだった。高いポテンシャルを秘めた若手選手が度重なる怪我により成長を妨げられるのは本当に残念だ。
しかもバグリーの負傷離脱が続く一方で、キングスが2018年ドラフト2位指名権で見送ったルカ・ドンチッチは、すでにスーパースターの仲間入りをするほどの大活躍を見せている。今のキングスフロントオフィスは、1984年ドラフトでマイケル・ジョーダンではなくサム・ブーイを2位指名してしまったポートランド・トレイルブレイザーズと同じ苦渋を味わっているかもしれない。
ボックススコア:「NBA」