【第1戦】レブロンのブザービーターでヒートがオーバータイムを制す
「これぞプレイオフ」と言わんばかりの白熱した試合となった、イースタンカンファレンス決勝第1戦。延長戦に渡る死闘の末、マイアミ・ヒートが103対102でインディアナ・ペイサーズに勝利した。
この日の試合は、序盤から両者一歩も譲らぬ大接戦となり、点差が7点以上つかないまま終盤に突入。第4Qに入ってからは、まさに1ゴールを奪い合う展開となった。
ヒートの2点リードで迎えた第4Q残り20秒。ペイサーズとしては絶対に外せないポゼッションで、ポール・ジョージがドリブルで切り込み、ノーマークのサム・ヤングに向けパスを放つ。が、そのときヤングはベンチにいたため、痛恨のターンオーバーとなってしまう。
ペイサーズはすぐさまファウルゲームに持ち込むため、レイ・アレンをファウルせざるを得なかった。アレンのフリースロー成功率は88.6%。絶望的な状況だったが、アレンは2本中1本のフリースローを外し、再びペイサーズに同点のチャンスが巡ってきた。
試合時間は残り12秒、点差は3点。ボールを受け取ったジョージは、スクリーンの際に生じたユドニス・ハスレムとのミスマッチを突こうとせず、ドリブルを止めてしまう。攻めきれないままどんどんと時間が過ぎていく中、ジョージ・ヒルへのパスははじかれ、そのまま試合が終わってしまうかのように見えた。
幸運にもデビッド・ウェストがこぼれ球を拾い上げ、ボールは再びポール・ジョージの手に。そして残り3秒で、スリーポイントラインの数フィート奥からシュートを放った。
▼ポール・ジョージの同点スリー
この強引なシュートは見事にゴールに吸い込まれ、試合は延長戦に突入することとなった。
オーバータイムに入ってからも、1点をめぐるせめぎ合いが続くが、残り10秒でレブロンがレイアップを決め、ヒートが2点リード。再び崖っぷちに立たされたペイサーズは、次のポゼッションでインバウンドを受けとったヒルがボールをファンブルしてしまう。
危うくターンオーバーになりかけるも、何とかボールを取り返し、ジョージにボールが渡る。そして第4Q終了間際の同点シュートと同様、少し離れた位置からスリーポイントを放った…
ここでブロックに行ったドウェイン・ウェイドにまさかのファウルコール。このプレーでウェイドは退場に。ジョージはきっちりと3本ともフリースローを沈め、ペイサーズは逆転に成功した。
残り時間は2.2秒。ヒート最大のピンチで、ボールはもちろんレブロン・ジェームズの手に。ボールを受け取ると、すぐさまインサイドに切れ込んでいき、試合終了のブザーと共に逆転のレイアップを決めた。
▼レブロンのブザービーター
最後のプレーで、ペイサーズはシューターにマッチアップするため、インサイドディフェンスの要のロイ・ヒバートをベンチに下げている。ジョージがレブロンをオーバーチェックしすぎたのも重なり、この戦略が裏目に出る結果となってしまった。
▼ブザービーターの瞬間:ベンチに下げられていたロイ・ヒバートがみせたやるせない表情
この試合で、レブロンは30得点、10アシスト、10リバウンドのプレイオフ通算9度目となるトリプル・ダブルをマーク。オーバータイムでの2本のクラッチシュートも含め、MVPの実力を遺憾なく発揮した。
ペイサーズでは、ポール・ジョージがチームハイの27得点。オーバータイムだけで8得点を獲得しており、エースとしての勝負強さをみせた。
この先も好ゲームが期待できそうなヒート対ペイサーズのシリーズ。第2戦は24日にマイアミで行われる。
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