【GSW-OKC第4戦】サンダーがホーム2連勝でNBAファイナル進出に王手
現地24日にチェサピーク・エナジー・アリーナで行われたオクラホマシティー・サンダー対ゴールデンステイト・ウォリアーズのWCファイナル第4戦は、サンダーが第1Q序盤以降1度もトレイルすることなく118-94で勝利。第3戦に続いて、再び大差でウォリアーズを撃破し、シリーズ3勝1敗でNBAファイナル進出に王手をかけた。
この日の試合は、スティーブン・アダムスが開始間もなく足首の捻挫で一時ロッカールームに退場したため、第1Q残り8分で早速スモールラインアップ対決に突入するも、序盤のウォリアーズはプレーに落ち着きがなく、ターンオーバーやバッドショットなどミスを連発。その隙にサンダーは、アップテンポなオフェンスから約2分間で14連続得点をあげ、第1Q残り5分30秒で22-8の14点リードを奪う好スタートを切った。
第1Q終盤あたりからウォリアーズのリズムがやや回復し、第2Q開始2分で試合は2点差となるが、サンダーはケビン・デュラントとラッセル・ウェストブルックが交互に得点を決めてリードを維持。さらに、クレイ・トンプソンが第2Q残り8分に3ファウルでベンチに下がると、そこからサンダーは32-17のランでピリオドを締めくくり、大量リードを獲得してハーフタイムを迎える。
前半のウォリアーズは、合計13ターンオーバー、17ファウルを記録し、サンダーに28本のフリースローを与えてしまった。
▼ピンダウン・スクリーンからデュラントのキャッチ&シュート。OKCがよく使うセットの一つ
▼アダムスの弾丸パス
トンプソンが爆発
後半に入ると、それまでファウルトラブルに悩まされていたクレイ・トンプソンのギアが上がり、ウォリアーズが猛反撃。トンプソンは、まず3本のスリーを沈めると、ドライブやカットからもフィールドゴールを決め、第3Q終盤までに19連続得点を獲得した。
後半開始から21-8のランを展開して、6点差まで追い上げたウォリアーズだが、ゾーンに入っていたトンプソンが4つ目のファウルを取られ、第3Q残り4分でベンチに下がると、その後は再びサンダーがゲームを支配。第3Q終了時点でリードを二桁台に戻すと、第4Qに入ってからもウォリアーズを引き離し続け、最終的に24点差の圧勝を収めた。
Q1 | Q2 | Q3 | Q4 | ||
GSW | 26 | 27 | 29 | 12 | 94 |
OKC | 30 | 42 | 22 | 24 | 118 |
ファイナルまであと1勝に迫ったサンダーは、ラッセル・ウェストブルックが36得点、11リバウンド、11アシスト、4スティールで大暴れ。今季プレーオフ初のトリプルダブルを記録し、チームを勝利に導いた。なお今季のサンダーは、ウェストブルックがトリプルダブルを達成した19試合で全勝している。
▼ウェストブルック、トリプルダブル
サンダーは他に、ケビン・デュラントが26得点、11リバウンドをマーク。FG成功率33%とシューティングはいまいちだったものの、長い腕を活かして好守備を披露し、4スティール、3ブロックをあげている。
またアンドレ・ロバーソンが17得点/12リバウンド/5スティール、サージ・イバカが17得点、アダムスが11得点と、ロールプレーヤーたちもステップアップ。チーム全体がウォリアーズよりもハードにプレーし、50/50のルーズボールなどは、すべてサンダーが回収していた印象だ。
OKCのディフェンス
第3戦に続き、この日のサンダーは再び見事な守備を展開し、ウォリアーズのFG成功率を41%に抑えつつ、合計21ターンオーバーを奪った。
特にステファン・カリーに対しては、チーム一丸となってマーク。カリーがボールハンドラーのピック&ロールではトラップやスイッチで徹底的に3Pラインを守り、オフボールではカリーがスクリーンをくぐる度にスイッチを繰り返して、ファウルスレスレで張り付き、理想のポジションでパスを受けられないようにした。
サンダーのゲームプランは明確だ: 「攻守でカリーを潰す」。オフェンスでも、スクリーンを使ってミスマッチを作りながら、何度もMVPをアタックしていた。この日のカリーは、フィールドゴール20本中6本成功の19得点、5アシスト、6ターンオーバーに抑えられている。
これで崖っぷちに立たされたウォリアーズは、第3Qに活躍したトンプソンがチームハイの26得点、ハリソン・バーンズが11得点を記録したが、二桁得点に達したのは3選手のみ。出場停止処分を免れたドレイモンド・グリーンは、序盤からバッドパスなどミスを重ね、6得点、11リバウンド、6ターンオーバー、FG成功率14.3%に終わった。ウォリアーズが連敗を喫したのは今季初で、昨季のNBAファイナル以来98試合ぶりとなる。
スモールが通用しない
これまで数々のチームを破壊し、レギュラーシーズンには最強と呼ばれていたウォリアーズの「デス・ラインアップ」(スプラッシュブラザーズ/バーンズ/イグダーラ/グリーン)が、まるで機能していない。
レギュラーシーズンでは、ネットレーティング(100ポゼッションあたりの得失点差)で「+47.0点」という驚異的な数字を記録していたこのラインアップも、カンファレンスファイナル4試合では合計プラス/マイナスで「-27点」(ネットレーティングは-35.3点)と大幅にパフォーマンスが下落。絶対に有利だと思われていたスモールラインアップ対決で、サンダーのスモール(ウェストブルック/ウェイターズ/ロバーソン/KD/イバカ)に叩きのめされるという予想外の展開となっている。
今季優勝の大本命であるウォリアーズだが、ここにきてまさかの2試合連続惨敗。1勝3敗の崖っぷちに陥ったチームがシリーズ逆転勝利を果たした例は、過去232チーム中9チームのみだ(2015ロケッツ、2006サンズ、2003ピストンズ、1997ヒート、1995ロケッツ、1981セルティックス、1979ワシントン・ブレッツ、1970レイカーズ、1968セルティックス)。
ウォリアーズとサンダーのシリーズ第5戦は、現地26日にオラクルアリーナで行われる。
ボックススコア:「NBA」