2018NBAプレーオフ第1ラウンドのマッチアップ:ウェスタンカンファレンス
「2018NBAプレーオフ第1ラウンドのマッチアップ: イースタンカンファレンス」の続き。以下、2018ウェスタンカンファレンス第1ラウンドのスケジュールとマッチアップ。
※メモ:
- 以下の日程はすべて現地時間
- オフェンス = 100ポゼッションあたりの得点
- ディフェンス= 100ポゼッションあたりの失点
West
ロケッツ(1)-ウルブズ(8) | ||
日程 | ホームコート | |
第1戦 | 4/15 | ヒューストン |
第2戦 | 4/18 | ヒューストン |
第3戦 | 4/21 | ミネソタ |
第4戦 | 4/23 | ミネソタ |
第5戦※ | 4/25 | ヒューストン |
第6戦※ | 4/27 | ミネソタ |
第7戦※ | 4/29 | ヒューストン |
ロケッツ
- シーズン成績: 65勝17敗
- オフェンス:112.2(リーグ2位)
- ディフェンス:103.8(リーグ6位)
ウルブズ
- シーズン成績: 47勝35敗
- オフェンス:110.8(リーグ4位)
- ディフェンス:108.4(リーグ23位)
シーズン直接対決
- ロケッツ4勝 – ウルブズ0勝
今季プレイオフ第1ラウンドの全8シリーズの中で、最も力の差があるのはこのシリーズかもしれない。レギュラーシーズンでの直接対決はロケッツが圧勝(1試合はジミー・バトラー不在)。4試合で平均122.8点、FG成功率50%を記録し、シボドーHCの守備を完膚なきまでに叩きのめした。
ロケッツオフェンスの最大の武器は、シューターでフロアスペースを広げながら展開するピック&ロールだ。スクリーンを何度も使って相手の弱点を外まで引きずり出し、ジェイムス・ハーデンとクリス・ポールが1on1でミスマッチを攻撃。トラップを仕掛けたり、ヘルプを送ったりすれば、ノーマークのシューターもしくはロールマンに的確なパスが飛んでいく。今季のロケッツは、アイソレーションの得点効率でリーグダントツ1位の数字(ポゼッション当たり1.12点)を記録している。
一方でウルブズのディフェンスは、ピック&ロールに対してあまりスイッチを好まず、3人目の選手をヘルプに行かせるパターンが多い。ロケッツ相手にこれをやるのは命取りだ。シボドーHCが守備をアジャストして、2人だけでロケッツのピック&ロールに対応できるようになれるかどうかがカギとなりそう。
ウルブズのスターターには、バトラーやギブソンら優秀なディフェンダーがいて、ウィギンスやタウンズもオンボールならそれなりの守備ができる。ただやはり問題はセカンドユニットで、クロフォードやビエリツァ、ゴーギー・ジェンがフロアにいる時間帯は徹底的にそこを狙われるだろう。
後はオフェンスでハーデンを繰り返し攻めて、どれだけスタミナを削れるか。またウルブズがシリーズを接戦に持ち込むためには、やや存在感が薄くなってしまったウィギンスが確実にステップアップしなければならない。
ウォリアーズ(2)-スパーズ(7) | ||
日程 | ホームコート | |
第1戦 | 4/14 | ゴールデンステイト |
第2戦 | 4/16 | ゴールデンステイト |
第3戦 | 4/19 | サンアントニオ |
第4戦 | 4/21 | サンアントニオ |
第5戦※ | 4/24 | ゴールデンステイト |
第6戦※ | 4/26 | サンアントニオ |
第7戦※ | 4/28 | ゴールデンステイト |
ウォリアーズ
- シーズン成績: 58勝24敗
- オフェンス:112.3(リーグ1位)
- ディフェンス:104.2(リーグ9位)
スパーズ
- シーズン成績: 47勝35敗
- オフェンス:105.5(リーグ17位)
- ディフェンス:102.4(リーグ4位)
シーズン直接対決
- ウォリアーズ3勝 – スパーズ1勝
もうね、溜息しか出ないよね。一体いつになったら、100%のウォリアーズ対スパーズのシーズンシリーズが見れるのか?
ウォリアーズが73勝、スパーズが67勝をあげ、頂上決戦が期待された2年前は、残念ながらスパーズがセミファイナルで敗退(その代わりにウォリアーズ対サンダーの素晴らしいバトルが見れた)。昨季はついにカンファレンスファイナルで衝突したかと思えば、第1戦でカワイ・レナードがザザられて、スイープに終わった。そして今回は、最初からステフィン・カリーとレナードがいない…。
レギュラーシーズン最後の直接対決で、ウォリアーズに一矢報いたスパーズだが、第1ラウンドは苦しい戦いになりそうだ。チームオフェンスのシステムそのものと言えるカリーが不在で、今季は度々ディフェンスで手抜きが見られたウォリアーズだが、プレイオフになれば恐らくギアを上げてくるだろう。その気になればリーグ屈指のディフェンシブチームであり、昨季のカンファレンスファイナルを見る限り、ラマーカス・オルドリッジの潰し方を心得ている。
とりあえずポポビッチHCの采配に期待。シーズン途中から先発PGに昇格したデジャンテ・マレーが、カリー相手にどのようにマッチアップできるのか見てみたかったが、それは来季までお預けだ。もしスパーズが最初のアウェイ2戦のどちらかに勝利できれば、面白いシリーズになるかもしれない。
ブレイザーズ(3)-ペリカンズ(6) | ||
日程 | ホームコート | |
第1戦 | 4/14 | ポートランド |
第2戦 | 4/17 | ポートランド |
第3戦 | 4/19 | ニューオリンズ |
第4戦 | 4/21 | ニューオリンズ |
第5戦※ | 4/24 | ポートランド |
第6戦※ | 4/26 | ニューオリンズ |
第7戦※ | 4/28 | ポートランド |
ブレイザーズ
- シーズン成績: 49勝33敗
- オフェンス:106.1(リーグ16位)
- ディフェンス:104.2(リーグ8位)
ペリカンズ
- シーズン成績: 48勝32敗
- オフェンス:107.7(リーグ9位)
- ディフェンス:105.6(リーグ13位)
シーズン直接対決
- ブレイザーズ2勝 – ペリカンズ2勝
ハーフコートオフェンスでじっくりと攻めるブレイザーズと、トランジションでのアップテンポな攻撃が得意なペリカンズの対決。
レギュラーシーズンの大部分では、ブレイザーズが1レベル上という印象。だがペリカンズは3月に入ってから調子を上げており(特にここ数試合は守備が素晴らしい)、シリーズのベストプレイヤーはアンソニー・デイビスだ。デイビスクラスのプレイヤーがいれば、格上相手でも常に番狂わせのチャンスはある。
注目したいポイントは、最近のペリカンズの先発となっている「ミロティッチが4番、デイビスが5番」のスモールラインアップに対して、ブレイザーズがどんな布陣で応戦するのか。ヌルキッチはブレイザーズの主力の一人で、守備力の高いセンターではあるが、機動力の面でデイビスをガードするのはかなり厳しい。
サンダー(4)-ジャズ(5) | ||
日程 | ホームコート | |
第1戦 | 4/15 | オクラホマシティ |
第2戦 | 4/18 | オクラホマシティ |
第3戦 | 4/21 | ユタ |
第4戦 | 4/23 | ユタ |
第5戦※ | 4/25 | オクラホマシティ |
第6戦※ | 4/27 | ユタ |
第7戦※ | 4/29 | オクラホマシティ |
サンダー
- シーズン成績: 48勝34敗
- オフェンス:107.6(リーグ10位)
- ディフェンス:104.7(リーグ10位)
ジャズ
- シーズン成績: 48勝34敗
- オフェンス:106.2(リーグ15位)
- ディフェンス:101.6(リーグ2位)
シーズン直接対決
- サンダー3勝 – ジャズ1勝
サンダーのスターパワーが圧倒するか、それともジャズのディフェンス力がそれを上回るか?サンダーにとっては、ポール・ジョージとの再契約につなげるための大事なシリーズでもある。個人的に今年の第1ラウンドで最も楽しみなマッチアップだ。
レギュラーシーズンの直接対決は、サンダーが3勝1敗で勝利。ジャズはサンダーの守備に大苦戦し、1度も100点を超えられなかった。
ただ4試合すべてが2017年中に行われたもので、そのうちの2試合でルディ・ゴベアが欠場。またその時のサンダーには、守備の要であるアンドレ・ロバーソンがいたが、今はいない。最後に対戦した12月と比べ、両者のパワーバランスは大きく変わったと言える。NBA.comのデータによると、今季レギュラーシーズンの直接対決4試合で、サンダーはロバーソンがフロアにいる時間帯に+59点でジャズを上回っているが、ロバーソンがベンチにいる時間帯は-20点でアウトスコアされている。
注目のポイントは、ウェストブルックvsゴベア。ゴベアはサンダーのピック&ロールに対してあまり外に出ようとせず、深く守るはずなので、ウェストブルックのミドルレンジショットが極めて重要となる。
一方でジャズの課題は、サンダーのプレッシャーディフェンスをどう切り崩せるか。1年目にしてプレイオフデビューを飾るドノバン・ミッチェルも、ポール・ジョージの守備には苦戦するはずだ。レギュラーシーズンでロケッツがやったように、徹底的にカーメロ・アンソニーを攻めるのも一つの手かもしれない。
プレイオフ:「NBA」