ニックス本拠地のマディソン・スクエア・ガーデンで珍事連発
NBAは現地1月30日、ニューヨーク・ニックスのエルフリッド・ペイトン、メンフィス・グリズリーズのジャレン・ジャクソンJr.とマルコ・グドリッチの3選手に1試合の出場停止処分を科したことを発表した。
ペナルティの対象となったのは、現地29日にマディソン・スクエア・ガーデンで行われたニックス対グリズリーズ戦終盤での乱闘騒ぎ。
第4Q残り1分でグリズリーズの18点リードとすでに勝敗が決し、あとはクロックを消費するだけの状況の中、クロウダーはニックスのインバウンドパスをスティールして、コーナーからスリーを放つ。その死体蹴り行為に腹を立てたペイトンが、シュートモーション中のクロウダーを突き飛ばしたことで、複数の選手がもみ合いになる小競り合いへと発展した。
この乱闘騒ぎの結果、ペイトンとクロウダー、マーカス・モリスの3人が退場。ジャクソンJr.とグドリッチは小競り合い自体には乱入していないが、騒ぎの際にベンチを離れたため、1試合の出場停止処分が下されることとなった。
なおモリスとクロウダーには退場処分に加え、それぞれに罰金が科されている。
どん底ニックス
この日のマディソン・スクエア・ガーデンでは他にも、ニックスの迷走ぶりを物語るような珍事がいくつかあった。
まず乱闘騒ぎの直後には、MSGの観客席から大きな「Sell the team!」(チームを売却しろ)のチャントが発生。もちろんニックスオーナーのジェームズ・ドランに向けられたものだ。
続いて試合後のニックスロッカールームでは、マーカス・モリスが問題発言。モリスはクロウダーについてコメントした際、女性蔑視とも解釈されかねない表現を使ってしまい大炎上する。
以下、モリスのコメント:
「奴のプレイには、女性のような傾向がたくさんある。試合を通してフロッピングしたり、大袈裟に頭をのけぞったりしている。これは男のリーグだ。ああいったプレイを見せられると、うんざりするよ。ソフト。あいつのプレイは軟弱。それが奴のスタイルだ。まるで女のようだよ」
フロッピングを「女のよう」とモリスは言うが、バスケやサッカーのプロリーグを見ると、むしろフロッピングが多いのは女子よりも男子のような気がしないでもない。
もしかするとモリスは、「bitch」(ビッチ)という表現を避けようとしたのかもしれない。ただ「female」や「woman」というフォーマルな言葉を使ったことで、より差別的な発言に聞こえるようになってしまった印象だ。
のちにモリスはこの失言について、「『女性のような傾向』(female tendencies)という言葉を使ったことを謝りたい。僕は心から女性を尊敬している」とTwitterで謝罪。ニックスも「モリスの発言は不快であり許されないものである」と声明を出している。
そしてこの日の極めつけは、試合後のグリズリーズロッカールームでシャワーのお湯が出なかったこと。しかも熱湯が出ないだけでなく、水圧が極めて弱かったという。
グリズリーズ新人のジャ・モラントが閉口していた。
「信じられないよ。冷たいシャワーを浴びたことはあるけど、少なくとも水圧はちゃんとしていた。ホテルに帰ってからシャワーを浴び直すつもりだ」
– ジャ・モラント
ロスターやフロントオフィスだけでなく、シャワーすらちゃんと機能しないとか、ニックスはまさにどん底にいる。
参考記事:「ESPN」