ブランドン・イングラムが2019-20シーズンMIPに選出
NBAは現地8月31日、前年から最も成長した選手に贈られる「Most Improved Player」(MIP)の今季受賞者を発表。ニューオリンズ・ペリカンズのブランドン・イングラムが選出された。
NBAのメディア関係者100人による投票の結果、イングラムは1位票42票で合計326ポイントを獲得。2位はマイアミ・ヒートのバム・アデバヨで、1位票38票の合計295ポイントと、非常に僅差の争いだった。
3位はマブスのルカ・ドンチッチで、1位票12票を獲得している。
▼以下、2020MIP投票の詳細
イングラムの躍進
昨年のオフシーズンにアンソニー・デイビスのトレード要員の一人として、レイカーズからペリカンズへと移籍したイングラム。
プロ4年目となった今季は、新加入のチームで序盤から立派にエースとしての役割をこなし、キャリア初のオールスター出場も果たした。
今季のイングラムは、スコアリングやプレイメイクをはじめ、ほぼすべての分野で大きな成長を見せた。
- 2018-19:18.3得点、5.1リバウンド、3.0アシスト
- 2019-20:23.8得点、6.1リバウンド、4.2アシスト
特に成長ぶりを感じたのはシューティングだ。
レイカーズ時代は、むしろシュートが苦手な印象さえあったイングラムだが、今季はスリーのアテンプト数が急増した(平均1.8本から6.2本)だけでなく、成功率も33%から39%へと大幅にアップ。わずか1シーズンで、3ポイントショットの精度と本数の両方を同時にこれだけ上昇させたのは、極めて珍しいケースだろう。
さらにイングラムは、フリースローも大きく改善。昨季はFT67.5%とリーグ平均を下回っていたが、今季はエリートシューターと呼べるレベルの85.1%を記録した。
スリー成功率が伸びただけなら、「今季は運が良かっただけ」と懐疑的に見られることもあるかもしれない(プルアップ・スリーは今でも少し苦手な印象)。ただ同時にフリースローも確変していることを考えれば、イングラムのシューターとしての成長は疑いの余地がないはずだ。
今季のイングラムは、シュートの上達に加えて、ショットセレクションも良くなっている。10フィート以上のミドルレンジやロングツーが減り、その分スリーが増加。モダンNBA向きのウィング選手へと生まれ変わった。
それは、昨季と今季のショットチャートを比較すれば明らか:
▼2018-19
▼2019-20
イングラムは今年のオフに制限付きFAとなる。ペリカンズはどんなオファーシートにもマッチするはずなので、マックスサラリーでの契約は確実だろう。
参考記事:「NBA」