カーメロ・アンソニーはとりあえずサンダー残留
カーメロ・アンソニーは今夏にFAにならずに、とりあえずオクラホマシティ・サンダーに留まる決断をした模様だ。
Yahoo SportsのShams Charania記者によると、アンソニーは現地23日、契約最終年となる来季のプレイヤーオプションを行使する旨をチームに伝えたとのこと。アンソニーの来季年俸は2790万ドルで、同日は契約破棄の期限日だった。オプションを行使せずにFAになる選択肢もあったが、年齢(34歳)や昨季のパフォーマンスを考えると、今のような高額年俸は到底望めなかっただろう。
去年のオフにニックスからサンダーへとトレード移籍したアンソニーは、ラッセル・ウェストブルックとポール・ジョージと共に“ビッグスリー”の一人として活躍が期待されたが、最後までパフォーマンスが安定しなかった。
シーズンを通して他のオールスター2人とオフェンスで上手く連携が取れなかった印象で、そのためもあってかこれまで以上に攻撃のパターンがジャンプショット依存になり、昨季78試合でキャリアワーストとなる平均16.2得点、FG成功率40.4%を記録。リムを攻める頻度も大きく減り、1試合平均のフリースロー数ではニックス時代の4割程度となる2.5本に終わっている。
また守備面でも機動力の衰えから大きな穴となり、対戦相手のスコアラーはスイッチからアンソニーを徹底的にアタック。シーズン最終試合となったユタ・ジャズとのプレイオフ第1ラウンド第6戦では、シューティングの不調もあり、勝負所の大部分をベンチから見守ることとなった。
サンダーもアンソニーのオプトインは予想していただろうが、もしオプションを破棄してくれればどれだけ助かったか…。
今夏のサンダーはキャップスペースに全く余裕がなく、FAでの戦略補強はほとんど見込めない(ミニマム契約しか選択肢なし)。来季からウェストブルックのスーパーマックス契約が始まることもあり、ポール・ジョージを除いた保証サラリーのロスター9選手だけで、すでに来季のサラリーキャップを超過している状態だ。
サンダーの最優先事項はポール・ジョージの引き留めだが、仮にジョージと年俸3000万ドル以上の契約を結んだとして、昨季と同じロスターを呼び戻そうと思えば、NBA史上最高額レベルのタックスを払うことになりかねない。優勝を狙えるチームであればそれもありだが、果たして同じメンツで来季のウォリアーズやロケッツと互角に渡り合えるかどうか。
アンドレ・ロバーソンの怪我さえなければ、もしかするとウェスト上位2チームといい勝負ができるかもしれないが、その可能性は決して高くない。そのために巨額のラグジュアリー税を支払うのはあまりにも危険な賭けであり、当然ながらサンダーのオーナーはそれを回避しようとするだろう。
アンソニーがオプションを行使したからと言って、来季にサンダーのユニフォームを着ているかどうかはわからない。シーズン開幕前に両者が契約バイアウトで合意する可能性は十分にある。
またアンソニーはシーズン最後のインタビューで、昨季チームでの役割に満足していないといったニュアンスの発言をしていた。なのでもしかするとアンソニーは、他のチームに移籍するために、トレード拒否権を放棄するかもしれない。ただ魅力的なアセットをほとんど持っていないサンダーにとって、アンソニーの高額契約を引き受けてくれるチームを探すのは至難の業だ。
参考記事:「Yahoo Sports」