ドウェイン・ウェイドがヒートに帰還
ドウェイン・ウェイドがまさかの形で念願の古巣復帰を果たすこととなった。
今季NBAのトレード期限だった現地2月8日、クリーブランド・キャバリアーズとマイアミ・ヒートの間でトレードが成立。ヒートは保護付きの2024年ドラフト2巡目指名権を放出し、フランチャイズレジェンドのウェイドを獲得した。
「いつの日か実現するとずっと思っていた。僕にとっては、それが常に希望だった。それがいつ、どんな形で実現するかはわからなかったけどね」
– ドウェイン・ウェイド
ウェイドが2016年にヒートを去った時は、パット・ライリー球団社長との確執が何度も報じられていた。なのでウェイドが再びヒートのユニフォームを着るのは、キャリア最後の1年、もしくはポール・ピアースのように1日契約になる可能性が高いと思っていたが、これだけ早いタイミングで、しかもトレードにより実現したのは驚きだ。
ライリー球団社長はチームとウェイドとの関係について、次のように話した:
「戦士は過去に拘らない。大切なのは今。そして未来が待っている。ここ数年の我々とドウェインとの関係について、遺恨や後悔は少しもない。我々は常にそのことについて話している。ミッキー(アリソン球団オーナー)は強くドウェインを支持しており、それはコーチ(エリック・スポールストラ)も同じ。もちろん私もだ。ドウェインが去った日は辛い日だった。そして彼が戻ってきた今日はとても美しい日だ」
– パット・ライリー
またライリー球団社長は、チームにおけるウェイドの新たな役割について、「とりあえずベンチスタートになるだろう」とコメント。それに対してウェイドは、「問題ない。どんな役割であれ喜んで受け入れたい」と話している。
▼ウェイドのヒート復帰は純粋に嬉しい!
今季のウェイドは、キャブスでの46試合で11.2得点、3.9リバウンド、3.5アシストを平均。トレード成立後、すぐにマイアミへと向かったらしく、現地9日にアメリカン・エアラインズ・アリーナで行われるミルウォーキー・バックス戦で古巣デビューを飾る予定だという。
ESPNのDarren Rovell記者によると、ヒートはすでにウェイドの新ユニフォームの販売を開始しており、リリースからわずか15時間で100ヵ国以上から注文があったとのこと。またチーム関連グッズの売り上げは、前日と比べて8000%の伸びを見せたらしい。さすがウェイド。
一方でキャブスは、同日に他にも大きな動きを見せており、アイザイア・トーマス、チャニング・フライ、ドラフト指名権を放出して、ロサンゼルス・レイカーズからジョーダン・クラークソンとラリー・ナンスJr.を獲得。さらにジャズ/キングスとの3チーム間トレードを成立させ、ジェイ・クロウダー、デリック・ローズ、イマン・シャンパートを放出し、ジョージ・ヒルとロドニー・フッドを手に入れた(ジャズがローズとクロウダー、キングスがシャンパートとジョー・ジョンソンをそれぞれ獲得)。
キャブスは現地8日だけで合計6選手を動かしたことになる。
https://twitter.com/NBAonTNT/status/961691342282911746
1日にしてロスターがガラリと変わったキャブスだが、ネッツの2018年ドラフト1巡目指名権を失うことなく、かなりの戦力強化に成功した。特にアセットやキープレイヤーをほとんど手放さずに、ヒルとフッドを獲得できたのは大きい。これでキャブスのラインアップローテーションに柔軟性が生まれる。
例えばヒル/フッド/コーバー/レブロン/ラブで、今季絶不調のJ.R.スミスを入れることなく、レブロンをシューターで囲むファイブ・アウトのラインアップを組むことができる。あるいはスモールボールに守備で対応する場合は、ナンスJr.がセンターでウィング4人のオールスイッチ・ラインアップも可能だ。
もちろんこれでキャブスが抱えていた問題がすべて解消したわけではない。プレイオフまでに新生チームのケミストリーを構築する時間はあまりなく(ラブも骨折でしばらく戻ってこない)、リム守備も頼りないまま。ヒルが健康状態を維持できるかどうかも懸念材料であり、さらにレブロンがベンチに下がった時間帯に自らショットを作り出せる準エース的なボールハンドラーもいない。
ただシューティングや機動力、守備力はそれなりに改善されているはずで、ロスターが若返った。どんなチームになるのかすごく楽しみだ。
Image by Keith Allison
参考記事:「NBA」