デイミアン・リラードが「近々トレード要求」の噂を否定
現地16日、ポートランド・トレイルブレイザーズのデイミアン・リラードがネット上で浮上していた移籍の噂について言及した。
きっかけとなったのは、NBAメディア『TrueHoop』のHenry Abbott記者が発信したツイート。関係者から得た情報として、「デイミアン・リラードが近日中にトレードを要求する」と報道。Abbott記者は実績のあるベテランリポーターだったため、この一報はSNSで大きな注目を集めることとなった。
現在ラスベガスでチームUSAの合宿に参加中のリラードは、同日のチーム練習後に会見に出席。過熱していた「トレード要求」の報道を否定した。
「今朝起きてから報道について知った。たくさんの人から連絡をもらったよ。まず、あの報道は真実じゃない。以前にも記者の皆さんに言ったと思うけど、色々な噂話が上がっているが、どれも僕の口から出たものではない。とにかく第一に伝えたいのは、今回の報道が真実ではないということ」
「それから次に、僕は自分の将来について、今のところまだ確固たる決断をしていない。だから外野があれこれ報じるのは無意味だ。仮に僕から言いたいことがあるなら、球団やニール(ブレイザーズのGM)に直接言うよ」
「来季についてはどうなるか分からない。ただ1つ言えるのは、僕の理想は常にキャリアを通してトレイルブレイザーズのユニフォームを着たいということだ。ただ時間がたつにつれて、優勝したいという気持ちが出てくる。僕もトレイルブレイザーズのユニフォームで優勝したいと思っている。そのために前進しなければならない」
トレード要求の噂を否定しつつ、「キャリアを通してブレイザーズのユニフォームを着たい」と球団愛を語ったリラード。ただその一方で、契約があと4年残っている(4年目はオプション)にもかかわらず、会見の中で何度も「将来については決まっていない」というニュアンスの言葉を発しているのが少し気になるところではある。
またリラードは、ブレイザーズの現状についても言及。今のロスターのままでは優勝を目指すのに十分ではないと考えている様子だ。
「球団として次のステップをどうするのか、どうすれば前進できるのか。そういった点に関して、もっと切迫感を持つ必要があると思う。僕たちは何年も続けてプレイオフに出ている。決して悪いチームではなく、むしろ勝ち組のチームだ。素晴らしい環境に、素晴らしい街、素晴らしいファンがいる。良いところがたくさんあって、球団はそのことを誇りにしているよ」
「ただ、それだけで満足すべきではないところまで来ていると思う。僕たちは本当に優勝を狙うつもりがあるのか?ここからは、それを行動で証明する必要がある。優勝を目指す意志があることを見せつけなければならない。僕が気がかりなのはその点だけだ」
今オフのブレイザーズはチーム改革の1つとして、長年ヘッドコーチを務めたテリー・ストッツと決別し、チャンシー・ビラップスを次期HCに迎えた。
「ロスターを大きく変えるのではなく、新しいヘッドコーチを迎えることで成功したチームは過去にたくさんある。そういったチームは、新しい声やリーダーという形で環境の変化を必要としていたのだろう。あるいは、単純にそのコーチが優れていたのかもしれない。だからチャンシー(ビラップスHC)がブレイザーズを変えてくれる、正しい方向に導いてくれるという可能性は否定しない」
「ただ今のブレイザーズを見て、『これはチャンピオンシップチームだ。我々が必要としていたのは新しいコーチだったんだ』と言えるだろうか?僕はそう思わない。なにしろ僕たちは、第1ラウンドで満身創痍のチーム(ジャマール・マレーのいないナゲッツ)に負けたばかりなんだから」
リラードがブレイザーズとしてキャリアを終えたいと思っているのは間違いない。ただ今回の会見を見る限り、「生涯一球団」よりも「チャンピオンシップリング」の優先度が高くなってきたようにも感じる。
ブレイザーズにとって、今夏は球団の将来を大きく左右する勝負のオフシーズンになりそうだ。
参考記事:「ESPN」