デアンドレ・ジョーダン、フリースローを完全に克服か?
2017年NBAオールスターでリオ五輪の金メダリストでもあるデアンドレ・ジョーダンは、フリースローが致命的に苦手な選手だった。
プロデビューから昨季までの10シーズンでは、フリースロー成功率が44.6%と、キャリア通算FT試投数1000本以上の選手の中でワースト3位の数字を記録。だがダラス・マーベリックスの一員としてキャリアの新スタートを切った今季は、開幕17試合を終えた時点でフリースロー成功率が約80%と、劇的に改善している。
正直なところ、ジョーダンのフリースローについて、どのタイミングで記事にしようかずっと迷っていた。シーズン5試合目あたりで「あれ?もしかすると…」と思ったが、その時点ではまだまだサンプルサイズが少なく、そこから右肩下がりになる可能性は大。なので、せめて30~40試合のシーズン中盤あたりまで様子を見ようと考えていたが、現地11月24日のボストン・セルティックス戦でかなり衝撃的な出来事があった。マブスがジョーダンにテクニカルファウルのボーナスフリースローを打たせたのだ。
動画を見ると、新人のルカ・ドンチッチがジョーダンにショットを譲っているようにも見える。ジョーダンのフリースローは失敗に終わったが、ドンチッチは満足げな笑みを浮かべた。
マブスの勝利がすでに確定していたとはいえ、相手チームへの煽りとも取れそうな行為をリック・カーライルHCが良しとしたのは驚き。ただ今季開幕17試合の時点で、ダーク・ノビツキーのいないマブスで最も高いフリースロー成功率を記録していたのはジョーダンだ。もしかすると、ジョーダンは練習でも同じように高確率でフリースローを成功させており、すでにカーライルHCの信頼を勝ち取っているのかもしれない。
昨季にも改善の兆しを見せていたジョーダンのフリースローだが、ひと夏でここまで飛躍的に伸びるなんて誰に想像できたか?今オフのジョーダンがどんな猛特訓を積んだのかはわからないが、これまでと大きく違う点は“スタンス”だ。
▼5年前
昔はスタンスが非常に狭く、さらに両足のつま先をフリースローラインにぴったりと揃えるような形。その後、両足の幅を広げていたが、つま先を揃えるやり方はそのままで、膝を曲げてからリリースに移る際にバランスを崩しがちだった。
▼2017年
それが今季に入ってからは、左足を前に出すスタンスで打つようになっている。
もちろんスタンス以外にも修正した部分はあるだろうし、ジョーダン本人も相当努力したのだろう。またシーズンが進むにつれてFT成功率が下降していく可能性は十分にある。ただ、1オフシーズンでこれだけ劇的に改善した姿と見ると、クリッパーズのトレーニングスタッフは今まで何をやってたんだ?と思ってしまう…。
ボックススコア:「NBA」