ケビン・デュラント「ホワイトハウス訪問はしない」、トランプ大統領への抗議で
アメリカのプロスポーツでは、優勝したチームがホワイトハウスを表敬訪問するのが恒例行事となっている。NBAでも去年はクリーブランド・キャバリアーズ、一昨年はゴールデンステイト・ウォリアーズが、当時の米大統領でバスケットボールの大ファンでもあるバラク・オバマの元を訪れた。
本来なら今年(もしくは2018年2月のワシントンDC遠征時)は2016-17シーズン王者のウォリアーズが再訪問するはずだったが、2017ファイナルMVPに輝いたケビン・デュラントは、例え招待があったとしてもホワイトハウスに出向く気はないらしい。ドナルド・トランプ大統領に対する抗議活動の一環だ。
デュラントはESPNの取材で、ホワイトハウス訪問をボイコットする意向について、「今の大統領はリスペクトできない」と強い言葉で話した。
「彼(トランプ大統領)が肯定する物事には賛成できない。ホワイトハウスを訪問しないことで僕の声を伝えようと思う。これは球団としてではなく、あくまで個人的な姿勢だが、僕はチームメイトたちのことをよく理解しているつもりだし、彼らなら僕に賛成してくれるはずだ」
– ケビン・デュラント
トランプ大統領は現地15日、バージニア州シャーロッツビルで白人至上主義グループと反対派が衝突し、死者が出た事件について、「双方に非がある」とコメント。この発言に対して、「差別や偏見を容認している」などと各地で強い非難の声が上がっている。デュラントは、人種問題の深刻化を招いた原因の一つがトランプ大統領にあると考えているようだ。
「彼が間違いなく(人種問題の悪化を)助長している。彼が大統領になってから、もしくは選挙に立候補してからというもの、この国が大きく分離してしまった気がするよ。これは偶然じゃない。オバマ大統領がホワイトハウスにいた時は、良い方向に進んでいた。彼が史上初の黒人大統領になったことで、僕が生まれ育った地域でも希望に満ちていた」
– ケビン・デュラント
NBAではデュラントの他にも、レブロン・ジェイムスがツイッターで「ヘイトは常に存在していたが、ドナルド・トランプが再びそれを流行させた」と大統領を批判。またメンフィス・グリズリーズのデイビッド・フィッツデールHCも、「もし(反対派の集団に突入した)車を運転していたのがイスラム教徒だったなら、その男はテロリストと呼ばれていたはずだ」と問題について言及している。
参考記事:「ESPN」