ESPN:NBA2020-21のプレイヤーランキングTop10
ESPNが現地10日、2020-21シーズン版NBA選手ランキングの10位~1位を発表した。
毎年恒例の同ランキングは、昨季の成績や過去の功績ではなく、新シーズンの活躍度(プレイオフ含む)を予想してランク付けしたもの。ESPNのアナリストたちが、「レブロンvsドンチッチ」「ハーデンvsレナード」といった具合に各選手を総当たり形式で比較し、順位を決めている。
2020-21シーズンのTop10は以下の通り:
10位:ニコラ・ヨキッチ
- 昨季順位:7位
- 昨季成績:19.9得点、9.7リバウンド、7.0アシスト
2019-20シーズンのニコラ・ヨキッチは、キャリア2度目のオールスター選出とオールNBAチーム入りを達成。
開幕最初の1カ月半は明らかにコンディションが万全ではなかったが、シーズン中盤からは減量成功で本来のパフォーマンスを取り戻し、デンバー・ナゲッツを46勝27敗のウェスト3位に導いた。
▼昨季ヨキッチのスプリット
- 10月~11月(17試合):15.6得点、10.4リバウンド、6.0アシスト、FG成功率45.8%、スリー成功率23.2%
- 12月~8月(56試合):21.3得点、9.6リバウンド、7.3アシスト、FG成功率54.7%、スリー成功率34.4%
さらにバブルでのプレイオフでは、平均24.4得点、9.8リバウンドとステップアップし、チームをウェスタンカンファレンスへと牽引。ロサンゼルス・クリッパーズとのウェスト・セミファイナル第7戦では、16得点、22リバウンド、13アシストのトリプルダブルを達成した。
ESPNによると、プレイオフの試合で20リバウンド以上でのトリプルダブルを記録したのは、ケビン・ガーネットとティム・ダンカンに次いで、1976年のNBA/ABA合併以降の44年間でヨキッチが3人目だという。
9位:ジェイムス・ハーデン
- 昨季順位:4位
- 昨季成績:34.3得点、6.6リバウンド、7.7アシスト
3年連続でリーグ得点王に輝いた昨季のジェイムス・ハーデン。もはやスクリーンすら必要としない最強のオフェンスプレイヤーへと進化を遂げている。
ハーデンのアイソレーションでの得点力があまりにも驚異的すぎるため、ハーフコートラインから徹底したダブルチームを仕掛けるという極端な守備戦略を採用するチームがいくつも出てきたほどだ。
▼31分で60得点
なお昨季プレイオフでのハーデンは、平均29.6得点とやや失速。ロケッツはウェスト準決勝5試合で敗退に終わった。
8位:ステフィン・カリー
- 昨季順位:6位
- 昨季成績:20.8得点、5.2リバウンド、6.6アシスト
昨季のゴールデンステイト・ウォリアーズは、ケビン・デュラント退団やクレイ・トンプソン全休を受け、ダイナスティから下位チームへと転落。ステフィン・カリー自身も、シーズン序盤の骨折で長期離脱を余儀なくされ、わずか5試合の出場に終わっている。
今季は再びウェスト上位チームに返り咲くと見られていたウォリアーズだが、トンプソンがオフシーズンの練習中にアキレス腱断裂の重傷を負い、シーズン離脱が確定。歴代屈指の得点力を誇るバックコートコンビのスプラッシュブラザーズが、2シーズン連続で駄目になるのは本当に残念だ。
7位:デイミアン・リラード
- 昨季順位:9位
- 昨季成績:30.0得点、8.0アシスト
平均得点やアシスト、スリー成功率でキャリアベストのシーズンを送った2019-20のデイミアン・リラード。ユスフ・ヌルキッチやザック・コリンズら主力ビッグマンが怪我でシーズンの大部分を欠場する中、満身創痍のポートランド・トレイルブレイザーズをプレイオフ進出へと導いた。
昨季リラードは、特にオールスターブレイク前での活躍が凄まじく、1月下旬から2月1日にかけての6試合で48.8得点、10.2アシスト、スリー成功率57.0%を平均。6試合のスパンで45得点/10アシスト以上を平均したのはNBA史上初の快挙だという。
6位:ケビン・デュラント
- 昨季順位:N/A
- 昨季成績:N/A
ケビン・デュラントは、2019NBAファイナルでアキレス腱断裂の重傷を負ったことにより、2019-20シーズンを全休。怪我前のパフォーマンスをどれだけ取り戻せるかは、完全に未知数だ。
ただプレシーズン初戦でのプレイを見る限り、コンディションはかなり良さそう。もしデュラントが完全復活できるなら、今季ネッツは確実にイースト上位争いに加わってくるだろう。
5位:カワイ・レナード
- 昨季順位:2位
- 昨季成績:27.1得点、7.1リバウンド、4.9アシスト
昨季のカワイ・レナードは、ロードマネジメントでバック・トゥ・バックの試合を回避しながら、得点とアシストでキャリア最多を平均。守備面での支配力も、スパーズでのDPOYシーズンに近いところまで取り戻していた印象だ。
さらにバブルでのプレイオフでは、平均28.2得点、9.3リバウンド、5.5アシストと、レギュラーシーズン以上の活躍ぶり。ただシーズンのかかったナゲッツとのウェスト準決勝第7戦では14得点と精彩を欠き、特に第4Qを無得点に抑えられるというらしくないパフォーマンスで昨季を終えている。
4位:ルカ・ドンチッチ
- 昨季順位:16位
- 昨季成績:28.8得点、9.4リバウンド、8.8アシスト
昨季のルカ・ドンチッチは、2年目の選手とは思えない活躍でリーグを席巻し、マブスを4年ぶりのポストシーズンへと牽引。全体2位の得票数で2020オールスターのスターターに選ばれた他、ガードポジションで2019-20オールNBAファースト・チームに選出された。
デビュー1~2年目の選手が1stチームに選出されたのは、1998-99シーズンのティム・ダンカン以来21年ぶりの大快挙。また21歳以下の選手がオールNBAチームに選ばれるのは、マックス・ザスロフスキー、リック・バリー、ダンカン、レブロン、ケビン・デュラントに次いで、ドンチッチが史上6人目となる。
またキャリア初のプレイオフでも、マッチアップした2019FMVPのレナードに勝るとも劣らない素晴らしいパフォーマンスを披露。第1ラウンドシリーズ第4戦では40得点トリプルダブルをマークしつつ、オーバータイムに逆転ブザービーターを決めるという伝説を作った。
レブロンやデュラント、ADをはじめ、プロ3年目に大ブレイクしたスーパースターは多い。正直、今季のドンチッチがいきなりレナードやハーデンを超える選手になるとは思えないが、ESPNはレブロンらと似たような「3年目の躍進」を遂げるはずだと予想したのだろう。
3位:ヤニス・アデトクンボ
- 昨季順位:1位
- 昨季成績:29.5得点、13.6リバウンド、5.6アシスト
2019-20シーズンのヤニス・アデトクンボは、2年連続でのMVP受賞を達成。さらにDPOYにも選出された。
同じシーズンにMVPとDPOYの二冠を達成するのは、1988年のマイケル・ジョーダンと1994年のアキーム・オラジュワンに次いで、NBA史上3人目の大快挙となる。
昨季のアデトクンボはプレイスタイルをこれまでよりも外に広げ、スリー試投数でキャリア最多の平均4.7本を記録。成功率は30.4%だった。
もしアデトクンボがスリー成功率をリーグ平均(35.8%)あたりにまで上げられれば、NBA史上最強レベルのコンプリートな選手になれる。
2位:アンソニー・デイビス
- 昨季順位:5位
- 昨季成績:26.1得点、9.3リバウンド、3.2アシスト
昨季のアンソニー・デイビスは、センターとしてオールNBAファースト・チームに選出。DPOY投票では、ヤニス・アデトクンボに次ぐ2位の得票数を獲得している。
昨年オフにレイカーズへとトレード移籍したデイビスは、レブロンの相棒として攻守でチームの優勝に大貢献。ナゲッツとのウェスト決勝第2戦では、シリーズの流れを決定づける奇跡の逆転ブザービーターを沈めた。
なお今オフのデイビスは、レイカーズと5年のマックスで延長契約を結んでいる。
1位:レブロン・ジェイムス
- 昨季順位:3位
- 昨季成績:25.3得点、7.8リバウンド、10.2アシスト
2019-20シーズンのレブロン・ジェームズは、アシストでキャリア最多を記録。通算16回目となるオールNBAチームに選出され、さらにプレイオフでは4度目のチャンピオンシップとファイナルMVP獲得を達成した。
キャリア18年目ともなれば、普通は引退間近の大ベテランで、オンコートでの活躍よりも、メンターとしての存在感を求められる時期。実際に、2003年ドラフト組で現役を続けているのは、レブロンとカーメロ・アンソニー、カイル・コーバーの3選手しかいない。
レブロンはキャリア18年目かつ30代後半に差し掛かってもなお、NBAの頂点に君臨し続けている。紛れもなくバスケットボール史上最高の選手の一人だ。
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今年のESPNランキングは、昨季プレイオフの成績に引っ張られ過ぎな気がする。いくらなんでもハーデンの順位が低すぎじゃない?
参考記事:「ESPN」