スパーズのポポビッチHC、通算勝利数でNBA歴代コーチ1位に「私個人ではなく我々の記録」
NBAでは現地3月11日、テキサス州のAT&Tセンターでサンアントニオ・スパーズとユタ・ジャズが対戦。スパーズが終盤の二桁ビハインドから巻き返し、104-102でウェスト4位のジャズを下した。
これによりスパーズのグレッグ・ポポビッチHCは、レギュラーシーズン通算で1336勝目を獲得。ドン・ネルソンの記録(1335勝)を追い抜き、NBA歴代ヘッドコーチで首位となった。
これまで今季スパーズは、トレイルした状態で第4Qに突入した試合で0勝31敗と、とにかく終盤に弱かった。この日の試合でも、第4Q残り10分を切ったところで66-81の15点ビハインドと絶望的な展開だったが、そこから38-21のランで逆転し、劇的な形でポポビッチHCに新記録樹立をもたらした。
▼NBA歴代ヘッドコーチの勝利数ランキング
- グレッグ・ポポビッチ:1336勝(26シーズン)
- ドン・ネルソン:1335勝(31シーズン)
- レニー・ウィルケンズ:1332勝(32シーズン)
- ジェリー・スローン:1221勝(26シーズン)
- パット・ライリー:1210勝(24シーズン)
ポポビッチHCのレガシー
ポポビッチがヘッドコーチとして初勝利をあげたのは1996年12月14日。ボブ・ヒルの跡継ぎとしてスパーズHCに就任した3試合目のダラス・マーベリックス戦で、試合後には選手たちがポポビッチHCを取り囲んで祝福した。
ヘッドコーチ1年目の1996-97シーズンは17勝41敗で大きく負け越したポポビッチだが、翌年のドラフト1位指名でスパーズがティム・ダンカンを獲得すると、そこから22シーズン連続で勝率5割超え&プレイオフ進出という、世界のプロスポーツ史でも類を見ない成功を成し遂げる。
ヘッドコーチキャリア26シーズンで1336勝。これがどれだけ凄い偉業かと言うと、もし新人ヘッドコーチが来季から16シーズン連続で82勝0敗の無敗を維持しても、ポポビッチには届かない。
コーチングキャリア初勝利から9218日。新記録を樹立したポポビッチは、普段と同じように、試合後に相手チームと軽く挨拶を交わしてすぐにロッカールームへと引き下がろうとするが、スパーズの選手たちがそれを許さなかった。
試合後、ポポビッチHCは偉業について「多くの人たちがサポートしてくれた証」とコメント。個人の功績ではなく、ファンを含めたフランチャイズ全体としての功績だと主張した。
「今回のような記録は一個人に与えられるべきものではない。バスケットボールはチームスポーツ。選手たちには『チームワークが大切』と常に言い聞かせている。私のキャリアにおいてもそれは例外でなく、たくさんの素晴らしい選手やコーチ、スタッフたちに恵まれてきた。それから、サンアントニオの素晴らしいファンの存在。ここのファンたちはどんな時でもチームを応援してくれた」
「だからこの記録は全員で共有すべき。私一人だけのものではない。我々のものだ。いろいろな人たちのサポートがあってこそ実現できた。それこそが、今回の記録で喜ぶべきところだろう」
– グレッグ・ポポビッチ
NBA関係者たちの反応
ポポビッチHCの新記録樹立を受け、新旧のNBAプレイヤーや球団がSNSに祝福のメッセージを投稿している:
・デジャンテ・マレー
「歴代最高のコーチ。ポップ、あなたには心から感謝したい。この記録はあなたのためのものだ」
・マヌ・ジノビリ
「唯一無二のあなたへ、おめでとう」
・レブロン・ジェームズ
「コーチ・ポップ!おめでとう!歴代1位!」
・パウ・ガソル
「偉業を達成したポップに、長年を共にした彼のスタッフメンバーたち、そしてスパーズの関係者全員へ。心からおめでとう!」
・マイケル・フィンリー
「おめでとう、コーチ・ポップ!素晴らしいコーチであり、それ以上に人として素晴らしかった。あなたと友人になれたことに感謝している」
・マーク・キューバン(マブスオーナー)
「おめでとう!あなたの勝利の多くがマブス相手に得たものですが、お礼はいりません」
・OKCサンダー
「グレッグ・ポポビッチHCは、NBA史上で最も優れたコンペティター、ティーチャー、リーダーの1人。日々努力を重ねて新記録を樹立したポップに祝福」
・ユタ・ジャズ
「おめでとうコーチ・ポップ。歴史的な夜、1336勝」
ボックススコア:「NBA」