今夏FAのマイルズ・ブリッジズ、DVと児童虐待の容疑で起訴
2021-22シーズンのNBAでブレイクしたシャーロット・ホーネッツ4年目フォワードのマイルズ・ブリッジズが、家庭内暴力など複数の重罪に問われていることが明らかになった。AP通信が報じている。
恋人に暴力を振ったとして、現地6月29日にロサンゼルスで逮捕されていたブリッジズ。現地メディアによると、恋人への傷害罪に加え、2件の児童虐待の容疑でロサンゼルスの検察当局から起訴されることになるそうだ。
TMZが捜査当局から得たという情報によれば、ブリッジズは恋人と口論になった際、子供2人の目の前で恋人に暴行を加え、病院での治療が必要な怪我を負わせたとのこと。警察が到着する前に現場を立ち去ったらしいが、事件の翌日に自首し、その後13万ドル(約1800万円)の保釈金で釈放されたという。
最初にブリッジズ逮捕のニュースが飛び出した直後、恋人のミシェルさんはDVを受けた証拠として複数の写真をインスタグラムに投稿(既に削除済み)。「こんな大事になってしまったのは残念ですが、これ以上無言ではいられません。私が沈黙していたことで、家庭を破壊され、私に対するあらゆる虐待を許してしまい、私たちの子供たちに生涯残るトラウマを植え付けてしまいました」と告発した。
「あんなに恐ろしいことをした人間が反省もせず、私を陥れようとしていた。そんな行為は許せません。私を黙らせようとした彼の周りにいる人たち、そして彼を守るために嘘をつき続けた人たちを、私は許しません。それらは倫理に反し、不道徳で、本当におぞましい行為です。常に希望を抱きながら、たくさんの愛を注いできたので心が痛みます。このことは私にとって恐ろしいことですが、自分自身のために立ち上がるべき時が来たのだと思います」
ブリッジズのキャリアはどうなる?
昨季2021-22シーズンのブリッジズは、レギュラーシーズン80試合の出場で20.2得点/7.0リバウンド/3.8アシストを平均して大ブレイク。超人的なダンカーとして人気を博し、制限付きFAになるはずだった今夏にはマックス契約もしくはそれに近い大型契約が見込まれていた。
今回の不祥事により、来季契約どころかNBAキャリアすら台無しになってしまう可能性は大きい。
▼昨季第1週にはキャリア初のプレイヤーズ・オブ・ザ・ウィーク受賞
NBAでは過去にも、ドメスティックバイオレンスで逮捕もしくは起訴された選手が何人もいる。有名なケースでは、ジェイソン・キッドが2001年に当時の妻に暴力を振ったとしてDVの罪で有罪判決を受けた。
多くの批判にさらされていたキッドだが、リーグや所属チームからの追加処分などはなく、逮捕後もすぐにコートに復帰し、2000-01のオールNBAチームに選出。その後も複数のチームに移籍しながら2013年まで順風満帆なキャリアを送り、引退後はヘッドコーチとして活躍。2018年にはバスケットボール殿堂入りを果たしている。
キッドの場合は、家庭内暴力の前科がありながらも選手としてのイメージをほとんど損なうことなく、最終的にレジェンドとしてキャリアを終えたが、今は時代が違う。DVや児童虐待に対する世間の認識は、当時よりもはるかに重い。もしブリッジズが裁判で有罪判決を受けることになれば、どれだけ実力があってもNBAにはしばらく戻れないだろう。
なおESPNによると、ブリッジズは今回のDV容疑について無罪を主張しているとのこと。所属チームのホーネッツは事件に関して、「マイルズ・ブリッジズに対する起訴内容は把握している。深刻な容疑のため、今後も注視していくつもりだ」とする声明を出している。
参考記事:「NBA」