史上6人目、ケビン・デュラントが2年連続でファイナルMVP受賞
同じチームが4年連続で戦った2018年NBAファイナルは、ゴールデンステイト・ウォリアーズが4勝0敗でクリーブランド・キャバリアーズをスウィープし、球団史上初となる2連覇を達成。優勝チームのウォリアーズから、ケビン・デュラントが昨年に続いてシリーズの最優秀選手賞「ファイナルMVP」に選出された。
2年連続でFMVPに輝いたのは、マイケル・ジョーダン(2回)、アキーム・オラジュワン、シャキール・オニール、コービー・ブライアント、レブロン・ジェイムスに次いで、デュラントがNBA史上6人目。レジェンドの中のレジェンドのみが達成した偉業だ。
ファイナル4試合でのデュラントは、28.7得点、10.7リバウンド、7.5アシストを平均。第1戦ではやや精彩を欠いていたものの、第2戦以降の3試合ではシュート成功率が大きく上がっただけでなく、プレイメイキングやディフェンスでもステップアップし、レブロン・ジェイムスを上回るレベルのパフォーマンスで大活躍(第2~4戦では3P成功率53.3%、FT成功率100%)。
第3戦ではプレイオフ自己ベストの43得点をマークし、第4戦ではポストシーズンキャリア初のトリプルダブルを達成している。
▼KDの2018ファイナルハイライト
さらにデュラントは、今季プレイオフ21試合で合計608得点を獲得。1ポストシーズンにおける通算得点で2014-15シーズンのステフィン・カリーを追い抜き、ウォリアーズの球団歴代最多記録を樹立した。
▼ウォリアーズのプレイオフ通算得点記録(1シーズン)
シーズン | 得点 | 試合数 | |
ケビン・デュラント | 2018 | 608 | 21 |
ステフィン・カリー | 2015 | 594 | 21 |
クレイ・トンプソン | 2016 | 582 | 24 |
リック・バリー | 1967 | 521 | 15 |
リック・バリー | 1975 | 479 | 17 |
一方で、チームのコアでありながら今回も受賞を逃すこととなったステフィン・カリーは、4試合で27.5得点、6.8アシスト、6.0リバウンド、3P成功率41.5%を平均し、第2戦ではファイナル新記録となる9本のスリーに成功。通常ならば十分にファイナルMVPに相応しい数字だが、今年はデュラントのインパクトが強すぎた。チームにとっては贅沢すぎる悩みだ。
なお今年のFMVP投票は、デュラント7票、カリー4票だったそうだが、個人的にはもっと僅差でも良かったと思う。FG16本中3本の11得点に終わった第3戦での不調が投票に大きく響いたのだろうが、カリーは例えショットが決まらない試合でも、コート上を走り回るだけで相手守備に絶大なインパクトを与えられる選手だ。
また守備面での貢献度はデュラントに及ばなかったものの、3勝1敗から敗退した2016年のように“致命的な弱点”になることは決してなく、ガード選手としてできる限り貢献し、レブロンにスイッチする悪夢の状況でもダメージを最小限に抑えた。ESPNによれば、2018ファイナル4試合ではカリーがレブロンをガードして終えたポゼッションが54回あったが、その状況でレブロンは合計12得点、FG成功率33%に終わっている(ミスマッチに対してウォリアーズが積極的にダブルチームしていたのが大きい部分もある)。
▼2018ファイナルのカリーハイライト
参考記事:「ESPN」