ケビン・デュラント、ファイナルでの怪我について「ウォリアーズは悪くない」
全世界が注目する2019年NBAファイナル第5戦の大舞台で、右足のアキレス腱断裂という不運な大怪我を負ってしまったNBAスーパースターのケビン・デュラント。右ふくらはぎ負傷による約1カ月間の離脱からの復帰戦だったこともあり、このアクシデントは試合後にファンやメディアの間で波紋を呼んだ。
「復帰時期を見誤った」「選手の健康管理ができていない」「チームからKDにプレッシャーがあったのでは?」といったウォリアーズへの批判が飛び出し、さらにシーズン終了後には複数の現地メディアが「デュラントはウォリアーズに激怒している」と報道。デュラント自身もブルックリン・ネッツへの移籍が決まってから一度も公の場で声明を出していなかったので、「ウォリアーズに対する不信感が退団の大きな要因か?」などと憶測する声も上がっていた。
今夏FA解禁から約5週間、Yahoo SportsのChris Haynes記者がデュラントへの取材にようやく成功。そこでデュラントは、昨季ファイナルでのアキレス腱断裂について言及し、ウォリアーズ側に責任は一切ないことを強調した。
記者からの「ウォリアーズは怪我への対応を誤ったか?」という質問に対し:
「それはあり得ない。どうしてウォリアーズに責任を問う考えになるんだ?あり得ない。ウォリアーズが復帰にプレッシャーをかけていた、なんて噂が出ていたけど、リハビリや復帰時期については誰も口出ししなかったよ。実際のところは、僕とリック(メディカル&パフォーマンス部門の責任者)が毎日一緒にワークアウトしていただけだ。ファイナルのシリーズが開幕した時、僕は第5戦での復帰を目標にしていた。怪我はどうしようもない。バスケットボールをプレイしていれば、そういうこともある。僕の怪我は誰の責任でもない。それがバスケなんだ」
「シリーズの展開がどうであれ、僕は第5戦での復帰を目指していた。だからシリーズ1勝3敗の試合でプレイする決断をした。僕はただファイナルでプレイしたかった。とにかくバスケがしたかっただけなんだ。リハビリは順調だったよ。毎日ワークアウトしていた。1日2回の練習をこなしながら徐々に力を取り戻せた。バスケットボールの上達そして復帰することだけに専念していた。僕はただあのシリーズでプレイしたかったんだ」
– ケビン・デュラント
▼ファイナル第5戦の悪夢
デュラントがアキレス腱を負傷した際、怪我の深刻さが分からなかったのか、スコシアバンク・アリーナでは一部のファンから歓声や拍手が上がるという残念な場面があった。
デュラントは怪我をしたショックでその時のアリーナの様子をよく覚えていないらしい。ただ記者からラプターズファンへのコメントを求められると、「彼らがファイナルに出るのは恐らくあれで最後になるだろうね」と満足げな笑みを浮かべながら話したという。
移籍を決断した理由
同インタビューでデュラントは、ネッツを選んだ理由について問われると、「そうしたかったから。ネッツのバスケットボールが魅力的に感じたからだ」と回答。移籍を決断したのは、2019FA交渉解禁当日となった6月30日の朝だったらしい。
「もしウォリアーズを離れるのであれば、その時はネッツにしたいと常に考えていた。ネッツにはピースが揃っているし、フロントオフィスもクリエイティブさがある。彼らが築き上げてきたものがとにかく気に入ったんだ」
アキレス腱断裂のリハビリ期間は人によって大きく異なるが、NBA選手だと多くの場合で9カ月~1年。怪我からすでに2カ月となるデュラントだが、現時点では復帰時期の目処はついていない。2019-20シーズンは全休となる可能性も十分にある。
「(来季は)どうなるかわからない。怪我するのがわからなかったのと同じだよ。まだリハビリは初期の段階だ。日々努力するのみ。そこまで先のことは考えていない。先ばかりを見ても仕方ないからね。だから今は自分自身でコントロールできることだけに集中したい」
– ケビン・デュラント
参考記事:「Yahoo Sports」