ラウリーとイバカはラプターズ残留
トロント・ラプターズは、昨季までと同じコアを維持する決断をした。
ESPNによると、ラプターズは現地2日、2月にトレードで獲得したサージ・イバカと再契約を結ぶことで合意。それから間もなく、オールスターPGのカイル・ラウリーも、『The Players Tribune』にメッセージを寄稿し、チームへの残留を発表した。契約内容はラウリーが3年/1億ドル、イバカが3年/6500万ドルだという。
一部ではライリーと決別して再建突入の可能性も噂されていたラプターズだが、ウェストへのスター流出によりイーストがどんどん弱体化し、さらにキャブスやセルティックス、ウィザーズらライバルチームもあまり動かないのを見て、もう少し同じ面子で戦ってみるべきだと判断したのかもしれない。ファイナル進出は相変わらず難しいかもしれないが、シーズン50勝とプレーオフ第1ラウンド突破を数年繰り返せるのであれば、フランチャイズとして成功したと言えるだろう。
今のラプターズに残された期間は最大で3年。2020年の夏には、ラウリー、デマー・デローザン、イバカの主力3人が同時にFAとなる(デローザンはプレイヤー)。
サラリーダンプが必要?
P.J.タッカーをロケッツに取られたものの、主力の維持には成功したラプターズ。だがこれでオフシーズンの人事が終わりではなく、ここから多額のラグジュアリータックス(贅沢税)を回避するために、いくつか契約を動かすものと見られる。
現時点でラプターズは、ラウリー(3086万ドル)、デローザン(2774万ドル)、イバカ(2106万ドル)、ヨナス・バランチュナス(1546万ドル)、デマーレ・キャロル(1480万ドル)の5選手のサラリーだけで約1億1000万ドルに達しており、2017-18シーズンのサラリーキャップである9909万3000ドルを大きくオーバー。さらに、ここに他のギャランティー契約を足すと総額1億3000万ドル以上となり、来季タックス・レベル(贅沢勢が発生するサラリー上限)の1億1926万6000ドルを1000万ドル以上超えてしまう。このままだと来季ラプターズは、サラリー総額+ラグジュアリータックスで合計約1億6000万ドルのチームとなる(もしパトリック・パターソンとバード権利で再契約した場合は税金でさらに+α)。
ラプターズのオーナーは、昨季よりもやや戦力低下したロスターに、これだけ多額のラグジュアリータックスを支払おうとは思わないはずだ。よってサラリー軽減のために、トレードを通していくつかの契約を処理するだろうとの見方が強い。
複数のメディアによれば、サラリーダンプの候補に挙がっているのはコリー・ジョセフ(来季760万ドル)。ただジョセフを動かしてもタックスレベルを超えるため、もしかするとバランチュナスの放出もあり得るかもしれない。チームとしては、キャロルの契約を手放したいところだろうが、そのためにはドラフト指名権などのアセットを犠牲にする必要がありそうだ。
参考記事:「Raptors HQ」