【SAS-MEM第5戦】ミルズが正念場で爆発、スパーズがシリーズ王手
現地25日にAT&Tセンターで行われたサンアントニオ・スパーズ対メンフィス・グリズリーズのシリーズ第5戦は、第4Qラスト5分のクラッチタイムに12連続得点をあげたスパーズが116-103で快勝。シリーズ2-2のイーブンで迎えた天王山を制して3勝2敗とし、カンファレンス・セミファイナル進出まであと1勝に迫った。
ジノビリがシリーズ初得点
この日の試合では、シリーズを通して無得点だったマヌ・ジノビリが、第1Q中盤にカウント・ワンスローのレイアップでついに今季プレーオフ初のフィールドゴールに成功。その直後にもスリーを沈めると、第1Qだけで8得点をあげ、試合開始5分で4-10の6点ビハインドとスロースタートを切ったスパーズの起爆剤となる。
▼マヌの初得点に大歓声
勢いに乗ったスパーズは、第2Qを通してグリズリーズに逆転を許さず、6点差を奪って試合を折り返すと、第3Q序盤はトニー・パーカーが連続でフィールドゴールを決めて活躍。さらに中盤からはカワイ・レナードのスリーとパウ・ガソルの3点プレイをきっかけに15-5のランを展開し、第3Q残り3分でリードを18点に拡大した。
コンリーのドライブ
マイク・コンリーはドライブの際のヘジテーションと方向転換が最高に上手い。第3Q終盤で18点差と、スパーズが完全に主導権を握ろうとする中、コンリーは巧みなドリブルスキルとソフトタッチでスパーズのインサイドディフェンスを翻弄し、第3Q残り3分から第4Q残り10分の5分間で14得点を獲得。第4Qにレナードがスイッチするまでは、誰もコンリーを止められなかった。
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コンリーの奮闘により、第3Q終盤から17-3のランで4点差にまで迫ったグリズリーズだが、スパーズはデビッド・リーの3点プレイで勢いを取り戻して応戦。5点差で迎えた残り4分35秒からは、パティ・ミルズの連続スリーを含む12-0のランで一気に畳みかけ、最後までリードを維持した。
▼ミルズがついに爆発
Q1 | Q2 | Q3 | Q4 | ||
MEM | 23 | 26 | 27 | 27 | 103 |
SAS | 23 | 32 | 32 | 29 | 116 |
シリーズに王手をかけたスパーズは、レナードがゲームハイの28得点をマーク。第5戦ではスコアリングだけでなく、ペイントエリアでディフェンスを引きつけてからノーマークのチームメイトに的確なキックアウトパスを出すなどプレイメーキングも光り、6アシストを記録している。
他には、第4Qだけで4本のスリーを沈めたミルズがプレーオフ自己最多となる20得点、パーカーが16得点、ジノビリが10得点と、ベテラン組が活躍。チーム合計で23アシストを獲得し、28本中14本のスリーを成功させた。
この日のスパーズは、オフェンスだけでなく、守備でもダブルチームやローテーションで素晴らしい仕事をした。マルク・ガソルやザック・ランドルフがエルボーでボールをキャッチして、ベースラインに回り込もうとすれば、その度にウィングのディフェンダーが外側を遮断するようにダブルチーム。同時に他の3選手はパスレーンを潰し、グリズリーズに簡単にボールをスイングさせないようにした。コンリーにはやりたい放題やられたが、ガソルとランドルフのインパクトを比較的小さめに抑えられたのは、大きな勝因の一つだろう。第5戦は、ようやくスパーズらしさが戻った試合だった。
後がなくなったグリズリーズは、コンリーがチームハイの26得点、6アシスト、4スティールで大活躍。マルク・ガソルが17得点/7アシスト、ジャマイカル・グリーンが11得点、ビンス・カーターが10得点をあげている。
ディフェンスのバトルになると予想されたスパーズとグリズリーズのシリーズだが、今のところスローペースながらも点の取り合いになっている印象。また第5戦では、ジノビリとカーターがルーズボールにダイブして衝突するシーンが見られた。リーグ最年長組の2人がこれだけハードにプレイする姿を見せてくれるのは、ファンとしてすごく嬉しい。
シリーズ第6戦は、現地27日にメンフィスで行われる。
ボックススコア:「NBA」